- 日用品の発明を考え付きました。特許権とか実用新案権の取得手続は面倒で費用もかかりますので、取り敢えず著作権登録をしたいのですが、何か不都合がありますか?
- 自分で工夫した日用品を自店で販売したところ好評となりました。特許か実用新案か意匠か、どれで出願したらよいですか?
- 特許権の存続期間、権利期間とはどういうことですか?何か違いがあるのでしょうか?
- 特許権は、出願した内容すべてについて成立しているのでしょうか?
- 特許権が成立すると、どんなことができるようになるのですか?
- いったん特許権が成立すればもう安泰なのですか?
まず、著作権はあくまで「著作物」に関する権利、つまり文章や図面の『表現』そのものに関する権利であって、その文章や図面に表された『アイデア』は保護対象ではありません。したがって、その発明を記載した文章や図面の模倣等に対して権利行使を行うことはできますが、他人がその文章や図面を見て発明品を作ったとしてもそれを禁止することはできません。これは、例えば、料理の本を書いた場合、本人に無断で文章や写真を模倣することはできませんが、その本に載っている料理を作ったり、別の表現で解説したりすることに対しては何も言えないことと同じです。
また、著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生しますので、著作権を取得するために登録手続はいりません。
民間業者の中には、著作権について「知的所有権登録」という言葉を使って著作権登録を有料で行っているところがあるようです。弊所のお客様宛にも「知的所有権登録」をとっているので使用料を払えという旨の警告がきたことがありましたが、弊所ではお客様に対して『そもそも「知的所有権登録」などという法的根拠のないものは無視して下さって構いません』とお答えするようにしています。
警告してきた側は「知的所有権登録」によって「特許権」を取得したかのような錯覚をしているのですが、このような警告によって、第三者が知ることとなって折角のアイデアそれ自体も公知となり、特許権取得の道も閉ざされた形となってしまいます。数千円という費用で「知的所有権登録」をし、自らの発明の新規性(これがないと特許になりません)を「警告」という形で失ったという悲惨な事例です。
最近では民間業者も特許と混同させるような説明はしなくなったようですが…
本当に発明品の『アイデア』を守りたいのなら、門外不出のノウハウとするか、特許権・実用新案権(特に、特許権)を取得するしか方法がありません。
決して著作権登録などにより『アイデア』それ自体が保護されることはありませんので、くれぐれもご注意を!
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すでに商品を販売しているので新規性がないことになり、特許出願しても権利を得ることはできません。また、実用新案でも有効に使えない権利となってしまいます。
一方、意匠では、販売開始日から6ヶ月以内に出願し、証明書面提出等の一定の手続を行えば、自分の販売行為によっては新規性が否定されないという制度(「新規性喪失の例外」といいます)を活用することができます。したがって、意匠登録される可能性があります。
但し、新規性が否定されないのは、あくまで自ら公知にした意匠によって、という限定があります。つまり、自分の出願より前に他人が公知にした意匠があれば、その意匠によって新規性(及び創作非容易性)がないと判断される可能性が残ります。したがって、販売開始日から6ヶ月以内であっても、できるだけ早目に意匠出願することをお勧めします。
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特許出願と実用新案登録出願にはそれぞれメリット・デメリットがあります。その点を十分考慮した上で、出願する目的との関係からどちらで出願すべきか判断すべきでしょう。
●特許
メリット :権利行使に障害があまりなく、権利期間も長い、強力な権利
デメリット:要件審査のため、権利成立までの期間が長い。権利不成立の可能性もあり
●実用新案
メリット :形式面さえ整えば、数ヶ月で必ず権利が成立
デメリット:権利行使が事実上困難で、権利期間も特許に比べて短い、弱い権利以上の点を考慮すると、一般的には、
1.権利を積極的に活用したい場合(他者に真似するなといいたい、真似した者に損害賠償や実施料を請求したいなど)は、特許出願をお勧めします。
2.ライフサイクルの短い製品について、単に権利という肩書きが早くほしいだけであれば、実用新案登録出願で十分でしょう。しかしながら、権利を取得した後に考えが変わって(第三者が同じような考案を実施していることを発見した場合など)、権利行使したくなることも考えられます。その場合に、実用新案権では権利行使に大きな制限があり、事実上困難です。したがって、基本的には特許出願することをお勧めします。
なお、特許では進歩性等の要件をクリアしなければならないので、ちょっとハードルが高くて無理かな、と思われる場合は、意匠として出願する方法もあります。詳しくは意匠登録サイトの「意匠は誰のため?」のページをご覧下さい。
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- はい、それをお勧めします。
特許権を成立させるにはいろいろな段階を踏まなければなりません。各段階において適切な対応を行い、可能な限り有効な特許権を得るには、やはり特許制度に関して知識と経験のある弁理士に依頼した方がよいと思います。
また今後も特許を重視し、継続的に特許出願することをお考えであれば、弁理士との関係を作っておくことで、侵害・被侵害時の対応、意匠・商標制度の活用など他の部分でも迅速な対応ができ、適切なアドバイスを得ることができます。
もっとも、特許出願は自分(自社)で行うこともできます。 その場合、弁理士会が実施する無料特許相談の利用をお勧めします。また、特許“ひらめ木”のサイトも参考になりますから、ご覧になってみてください。
なお、自分(自社)で特許出願をされた場合、後日拒絶理由など特許庁から書類がきて困ってしまっても、弁理士が引き継いでくれる可能性は低いと思われますのでご注意下さい。特許出願時の内容が不十分ですと後から修復することができず、また専門家が書いた書類でなければそのような修復不可能なものである可能性が極めて高いためです。
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審査官がそう判断した理由(拒絶理由)が特許庁から通知されます。
これに対しては、審査官に意見を述べたり、出願時に提出した書類(特許請求の範囲、明細書)を補正したりして再度審査をお願いすることになります。
もし決められた期間内に応答せず放置しておくと、拒絶査定となり特許権は成立しません。再度の審査で審査官がこれなら成立要件を備えていると判断した場合には特許査定となりますが、なお成立要件を備えていないと判断されると拒絶査定となり、特許権は成立しません。
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特存続期間とは、権利が存続する期間のことをいい、特許権の場合は出願日から20年で終了すると定められています。これは、『発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、産業の発達に寄与することを目的とする』という特許法の目的の下、特許権という排他的支配権の付与による発明者の利益保護と、それによる第三者の不利益・制限とのバランスから定められたものです。
なお、医薬品、農薬等の一部の分野については、安全性の確保等を目的とする法律の規制による許可等を受ける際に、所要の実験や審査等に長期間を要し、特許権成立後でも実施できないといった不利益が生じることがあります。このような場合は例外として、延長登録制度により、5年を限度として実施できなかった期間だけ存続期間を延長することができます。
一方、権利期間とは、権利が有効に保護される期間のことをいい、特許権の場合は登録が権利発生の要件なので、登録されてから始まります。つまり、特許権の場合、存続期間がそのまま権利期間となることはありません。例えば、審査等が長引いて出願から登録まで7年かかってしまった場合は、権利期間は残り13年ということになります。
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- いいえ、その点注意が必要です。
基本的には、特許掲載公報において、【特許請求の範囲】という欄に記載された事項(【請求項1】とか【請求項2】とかに記載されている内容)が成立した特許権の権利内容と考えられます。その他の箇所に記載されている内容は特許権の権利範囲に含まれないことに注意してください。その他の注意点も多くあり、権利内容の確定には高度な専門知識が必要です。
他者への権利行使を考えている場合、自己の特許権の権利範囲について、予め弁理士に相談するなどして誤解のないようにしておくことが大切です。不用意な権利行使には注意しましょう。
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- 特許権が付与された発明を、権利存続期間内、自己が独占して実施をすることができます。
他人が勝手に真似することはできません。他人に実施を許諾してライセンス収入を得ることもできます。
もし他人が勝手に特許発明を実施した場合は特許権の侵害となり、その他人に対して差止請求、損害賠償の請求などができます。
但し、権利の行使は自己の特許権の権利範囲をきちんと把握した上で行う必要があります。
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- いいえ、特許権の成立後、他人から無効審判が請求されれば、それにより無効にされる可能性があります。
無効審判請求があると、請求人から提出された証拠をもとに、特許庁は特許発明について特許権の成立要件を備えているかを審理します。その審理で請求通り確かに成立要件を備えていないと判断されると、特許権が無効とされます。他方、成立要件を備えていることに変わりはないと判断されれば、特許権はそのまま維持されます。
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- 他社出願が現在どんな状況にあるのか(権利が成立しているのか否か)によって、採るべき対応が違ってきます。
特許出願の経過情報はインターネット上で公開されていますから、特許庁HPから入ることができる「特許電子図書館(IPDL)」の「経過情報検索→番号照会」の画面で出願公開公報の番号などを入力すれば情報が得られます。
まず、権利が成立しているのか否かを把握しましょう。
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- この場合、その出願が今後どのような経過をたどるかわかりません。最終的に特許権が成立しない可能性も当然考えられます。従って、この段階では今後の経過を随時チェックしながら静観することになります。
もっとも、審査請求が既になされている場合は出願人(他社)は権利化を狙っているわけですから、より注意深く経過をチェックする必要があります。
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この段階でとり得る対応としては、次のことが考えられます。
1.先行技術文献調査
他社の出願内容がその出願日より前に、既に特許公開公報や実用新案公報、専門技術雑誌などの先行技術文献で公になっていないかを調査しておくとよいでしょう。もし文献が発見できれば、下記2.の情報提供や、他社に特許権が成立した後でも無効審判を請求することができるため、有効な武器となります。
なお、この段階で文献を発見できなかったときは、弁理士に相談することをお勧めします。
2.情報提供
調査した文献を特許庁へ提出し、審査官の審査に役立ててもらうことができます。
3.設計変更
現在、設計段階又は試作段階にあるなら、他社の出願内容と異なるように設計変更することができます。ただ、設計変更は経済的損失を生じるのでむやみにするべきではなく、まず弁理士に相談することをお勧めします。
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- まずは他社の特許権の権利範囲を把握することが必要となります。
特許掲載公報において、【特許請求の範囲】に記載された事項が特許権の権利範囲です。その他の箇所に記載されている内容は特許権の権利範囲に含まれないことに注意してください。
ただ、ここまでくると弁理士への相談は欠かせません。自社製品が特許権を侵害しているのか否かの鑑定を依頼することをお勧めします。自己判断だけでは対応を誤りかねません。弁理士は、審査の経過など様々な事情をもとに侵害か非侵害かを判断しますから、その後の対応について適切なアドバイスを受けましょう。
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- とり得る対応としては、次のようなことが考えられます。
1.先行技術文献調査
他社特許の内容がその出願日より前に、既に特許公開公報や実用新案公報、専門技術雑誌などの先行技術文献で公になっていないかをしっかりと調査することが必要です。ここで特許権の成立を否定できるような文献が発見できれば有力な武器となります。それは他社特許の存在を否定しかねない資料であるため、他社から特許権侵害であると警告を受けた場合でも有利に交渉を進めることができます。
もっとも、他社特許も一定の審査を経て権利となっている以上、有効な文献を発見することは困難な場合が少なくありません。
2.無効審判
無効審判を請求することができます。調査で得た文献を引用し、他社特許がその成立要件を備えていない旨を書いて(新規性がないとか、進歩性がないなどと主張する)特許庁へ書面を提出します。
特許庁は、提出された書面をもとに特許発明について再度審理し、そこで成立要件を備えていないと判断されれば、特許権は無効とされます。
3.先使用権の主張
もし他社特許が出願された時点で既に貴社が特許の内容を実施していた場合であれば、先使用権を主張できる可能性があります。この場合、実施料などを支払ったりする必要はありませんが、出願時点で既に特許の内容を実施していた事実を立証する必要があります。
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- とり得る対応としては、上記の権利侵害の可能性が高い場合と同じことが考えられます。
また、現状では権利侵害ではないのですから、先行技術調査を行っていざというときのために資料だけは準備しておくという対応でもよいでしょう。
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