H18年(2006年)特許法等改正の概要

07/02/05

H18年(2006年)改正法の概要

2006年改正特許法、意匠法、商標法等がH19年4月1日に施行となりました。
以下に、改正法の内容を簡単にご紹介致します。

商標法改正−ブランドの保護−

(1)小売業等の商標登録(H19.4.1より施行)

   小売業者等が使用する商標について、役務商標として保護する制度が導入されます。これにより、小売サービス等の事業者の利便性向上等が図られます。

   詳細は【商標法改正】小売業・卸売業の商標登録のページで。
   

(2)団体商標の主体の追加
(H18.9.1より施行)
   団体商標の主体が見直され、広く社団(法人格を有しないもの及び会社を除く)も主体となることが可能となります。より実態に合った団体商標の保護が図られることになります。※地域団体商標の主体に関しては拡大されません。

意匠法改正−デザインの保護−

 (1)意匠権の存続期間の延長(H19.4.1より施行)
   意匠権の存続期間が15年→20年に延長されました。これにより、ロングライフ製品やリバイバル製品等の保護が適切に図られることになります。

(2)画面デザインの保護拡充(H19.4.1より施行)
   情報家電等の操作画面デザインの保護対象が拡大しました。これにより、初期画面以外の画面や別の表示機器に表示される画面も保護対象となります。

   詳細は【意匠法改正】画面デザインの意匠登録のページで。

(3)部分意匠の保護拡充(H19.4.1より施行)
   旧法では、出願の順序として『小→大』となるように、「部分→全体」等とする(あるいは、全て同日出願とする)必要がありました。改正意匠法では、『大→小』の出願の順序、つまり「全体→部分」等も可能となりました(部分意匠の出願は全体意匠の意匠公報が発行されるまで)。これにより、まず全体意匠等を出願して出願日を確保し、その後に適切な部分を抽出して部分意匠を出願することができるようになりました。

(4)関連意匠の保護拡充(H19.4.1より施行)
   旧法では、本意匠と関連意匠は同日に出願する必要がありました。改正意匠法では、本意匠の出願日後でも、本意匠の意匠公報が発行されるまでは、関連意匠を出願することが可能となりました。これにより、もとのアイディアを本意匠として出願した後に、戦略を立てながらバリエーションデザインを関連意匠として出願することができるようになりました。

(5)意匠の類似範囲の明確化(H19.4.1より施行)
   意匠の類否判断は需要者(消費者、取引業者)の視覚による美感に基づいて行うことが明確化されます。これにより、統一性をもった類否判断が可能となりました。

(6)新規性喪失例外適用手続の容易化(H18.9.1より施行)
   新規制喪失例外適用のための証明書提出期間が14日→30日に延長されました。

特許法改正−発明の保護−

(1)分割制度の拡充(H19.4.1より施行)
   分割出願できる時期が追加されました(審査終了まで→審査終了後30日以内まで)。査定後も分割可能となるため権利取得手続が柔軟化します。また、分割の機会を得るためだけに拒絶査定不服審判請求をするといった手続の無駄を抑えることができます。

(2)分割出願の補正制限(H19.4.1より施行)
   もとの出願等に通知された拒絶理由が解消していない分割出願には「最後の拒絶理由通知」が通知された場合と同じ補正制限が課されます。同じ発明を繰り返し分割出願するといった分割出願制度の濫用的行為の防止が期待されています。

(3)別発明に変更する補正(シフト補正)の禁止(H19.4.1より施行)
   拒絶理由通知後は、技術的特徴の異なる別発明に変更するようなシフト補正が禁止されます。これにより、審査前から取得権利を精査し絞り込んでいる出願人とそうでない出願人との間の不公平性や、審査効率の低下を回避できるといった利点が期待されています。

(4)外国語書面出願の翻訳文提出期間の延長(H19.4.1より施行)
   最初に外国語で日本に出願する外国書面出願について、追って提出すべき日本語翻訳文の提出期限が2ヶ月以内→1年2ヶ月以内に延長されました。

共通改正項目

(1)侵害行為の範囲拡大その1(H19.1.1より施行)
  侵害行為に「輸出」が追加されました(特許法、実用新案法、意匠法、商標法)。国内で秘密裏に製造や販売が行われ輸出段階で侵害品が発見された場合や、侵害者自身が国外に侵害品を持ち出す場合等も差止め等を行うことができるようになります。

(2)侵害行為の範囲拡大その2(H19.1.1より施行)
  侵害行為に「譲渡、貸渡し又は輸出のための所持行為」が追加されました(特許法、実用新案法、意匠法)。侵害品を特定箇所に保管しているといった所持行為を発見すれば差止め等を行うことができるようになります。
  ※なお、商標法ではすでに規定済みです。
  
(3)罰則強化(H19.1.1より施行)
  侵害罪及び営業秘密侵害罪についての懲役刑、罰金刑の上限が引き上げられました(特許法、実用新案法、意匠法、商標法)。
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