備忘録-あいぎ特許事務所(名古屋)

08/01/07

備忘録について

ここには、あいぎ特許事務所Webサイトへスタイルをまとめて掲載するかどうかを決める前の「思いつきネタ」「メモ書きレベルのネタ」などを、当事務所の所長である弁理士 山田強 が記録していきます。

例えば、いずれ内容を充実化しようとしている知財部ご担当者向け情報・開発ご担当者向け情報のネタの他、東海地方限定情報・法解釈・判例情報・実務情報など、まとまりなく掲載していきます。

将来Webサイト再構築の際に適宜ピックアップするネタもあるかもしれませんし、消えてしまうような使えないネタもあるかもしれませんが、興味のある方はどうぞ自由にご覧下さい。

なお、備忘録ということで見苦しいのはご勘弁ください。また、メモレベルのため記載内容として雑なものや不正確なものもあると思いますので、ご覧になる方の責任でご判断下さい。

※ここに書かれているレベルの内容については、ブログに移行しようか検討しています。ブログでは日々の更新義務を感じてしまうので躊躇していますが・・・。
それに、廣田弁理士から発信される「名古屋の商標亭」ブログのアクセス数がすごく多いので、所長としてはある意味プレッシャーですし(笑)
ただ、現在のHPの内容はまだまだ中途半端な内容でして、あまり満足していないのです。
実際にはもっと使い勝手のよい情報提供の仕方があるとは分かっているのですが、実務・経営に追われているうちに時間が過ぎてしまいます。
できたら、「専門的なサイト」「発明者向け情報発信サイト」「地域企業向け情報発信サイト」のように目的別に分けたいのですけど、これは将来のテーマにしようと思っています。
とりかかりとしては、ブログを立ち上げて色々な情報をまとめていくのが手っ取り早いかな、こう思っているところです。

備忘録設定日:2006年8月5日

企業知的財産部門ご担当者向け

(1)所内の取組み
  よりよい特許権を獲得するため、あいぎ特許事務所では、「特許明細書作成指針」の他、幾つかの指針・マニュアルが存在します。
 審査基準勉強会、顧客毎の技術などを学ぶグループ別勉強会なども行っていますが、これらは共有財産になりにくいという問題があります。そこで、弊所では、勉強会をただ行うだけではなく共有財産化するための取組みを行っています。

 特許実務は「経験」「勘」などと言われていますが、本当にそれだけでしょうか?

 「経験」「勘」は「最後のさじ加減」では重要な要素となりますが、それであっても常に「理由」があってなされているわけです。
 お客様からの信頼の高いベテランが常にいい結果を出すということは、単なる経験や勘ということではなく、「あるロジックで突き詰めて考え、好ましい(場合によっては最適な)結果を出している」ということだと思います。この頭の中の回転をコトバに表す作業が大変だから「経験」「勘」という都合のよいコトバで逃げている、というのが本当のところではないでしょうか?

 弊所では、このような発想から、上記指針などの作成に取り組んでいます。この指針作成を通じて、「そもそもこれを書く意味はどこにあるのか?」といった『本質』を考える良い刺激となっています。

 また、作成した指針類は、新人の教育資料としても使われています。同じ考え方を共有する、という点で大変優れていると考えています。

 弊所の現在の取組みは一歩一歩ゆっくりとしたものですが、所内実務者の実力アップという観点からは着実に効果を上げています。

 「経験」「勘」だけに頼らないことで(かといってマニュアル化した単純作業ではないですが…)、かなり高い水準のレベルをクリアした特許明細書を仕上げていくことができます。

 高品質な仕事をお望みの企業様で特許事務所をお探しの場合には、一度弊所にお声をかけていただけると幸いです。

(2)件数対応
 弊所では、大手企業様における事務所管理負荷の軽減とのニーズに応えられるよう、大量案件のオーダーに対応することを意識し、現状ニーズプラスαの人材確保・人材育成に努めています。
 100件ベースであれば2年目から対応できるように体制を整えることができます。
 ただ、弊所では、現状お取引頂いております企業様のご要望にお応えしていくとすれば、100件200件ベースの企業様のお取引は今後1,2社程度と考えております。
 あまりに事務所規模を大きくして品質低下を招くのを危惧しているためです。品質とスピード(量)とのバランスこそが全てでありいずれに傾いてもいけない、というスタンスで事務所運営が行われいます。

(3)得意分野
 基本的に、「機械・構造」「電気・電子」「制御」をベースとする技術分野を得意としています。
 但し、住宅技術・アミューズメント・エンジン制御・空圧機器・医療器具の各技術分野につきましては、コンフリクトの観点より新規にお請けすることはできません。

企業開発部門ご担当者(発明者)向け

特許(発明)にかかわったことのある技術者向けという前提で、以下のようなテーマを考えていますが、未確定です。
このようなテーマを考えた理由は、技術者向けの特許に関する書籍は何冊か出版されているものの、中身はただの「初心者向け特許の基礎知識」というネタに過ぎず、発明者のレベルアップ(=企業の知財価値アップ)には結びつかないと思ったためです。
ただ、なかなか時間もありませんので、ゆっくりと更新していきます。

1.特許なんて面倒だ!?
1−1.本業は開発だよ?特許は知財部だけの仕事?
1−2.そもそもなぜ特許が必要なの?
1−3.忙しすぎて特許まで手が回らない

2.日常調査・公報チェック
2−1.折角時間を割いて公報チェックするならもっと有意義に!
2−2.特許公報に載っている発明が特許になっていない?
2−3.特許公報ってどうやって読むの?

3.開発(発明)
3−1.特許情報は開発テーマの宝庫・日常の公報チェックがものをいう
3−2.特許は生き物、毎週公報が公開され特許され続ける
3−3.発明のネタは意外なところに落ちている!
3−4.開発結果が出てから侵害調査では手遅れですよ
3−5.えっ、こんな発明が出願されている。困った。困っているのは相手も同じ

4.発明の公表
4−1.開発過程で発明の話をしないと商談が進まないよ
4−2.学会発表しました。新規性喪失例外を使おう?
4−3.外国出願の予定あります?

5.発明の発掘
5−1.勝手に特許の閾値を上げてはいけません!
5−2.何が特許になる発明なの?
5−3.特許情報は発明ネタの宝庫
5−4.いつでもどこでも発明を意識して
5−5.「こんなもの」程度の発明は「利益を生む」発明

6.発明の届出
6−1.簡単なアイデアだから実用新案?
6−2.不採用案も発明の一部ですよ!
6−3.失敗例は発明ではない?
6−4.ノウハウは出願すべき?それともノウハウとして秘蔵化すべき?
6−5.前にした特許出願と殆ど同じ改良発明、捨てちゃおうかな?

7.特許事務所との打合せ
7−1.何故、弁理士は私の発明を「しょぼく」しちゃうの?
     これもいらない、あれもいらない。これでもいいんでしょ?
7−2.開発者は山の頂上が気になり、弁理士は山の頂上も裾野も気になる
     特許は頂点も大事だけど裾野がとても大事
7−4.開発者は今が気になり、弁理士は将来が気になる
     特許は遅咲き?将来活躍してもらうために
7−3.今までの開発過程もしゃべっちゃおう!
     開発過程に強くて広い特許のヒントが…

8.特許出願
8−1.原稿チェックが回ってきたけど何をチェックすればいいの?
8−2.どんどん追加?
8−3.国内優先権って何?使えるの?

9.拒絶理由
9−1.拒絶理由が見当違いではないか?
9−2.発明者はどういう観点で対応すればよいのか?

10.基本特許と改良特許
10−1.基本特許?改良特許?
10−2.基本特許とられても諦めないで!
10−3.基本特許とっても安心しないで!
10−4.キーワードは1年半

11.権利活用
11−1.他社権利侵害は即座に知財部へお知らせを
11−2.クロスライセンスって何?

12.権利回避
12−1.あれっ、こんな当たり前のことが特許に?
12−2.他社特許に悩まされている貴方へ
12−3.先使用権を調査検討しなければ…
12−4.先使用権の証拠があって助かった?

13.意匠登録
13−1.意匠制度なんて技術屋には無関係?
13−2.特許になりそうにないものは全て捨てていい?

中小企業・ベンチャー企業・その他一般の方

【ご相談事例】
「私の会社の製品に大手企業が興味を示してくれて、取引をしてくれるということになり、喜んでいたのですが、相手先企業より、契約の前になって『特許や商標の件は大丈夫ですよね?』と質問されました。今まで特許や商標なんて無関係と思っていたので慌てました。早速調査したところ、類似したブランド名が既に他の企業によって商標登録されていることがわかりました。今更ブランド名も変更できません。どうすればいいでしょうか?それと、特許については全くよくわかりません。」

このように、相談にみえる中小企業様は、問題が起こって初めて相談されることが多いのです。これでは命取りになりかねません。
せっかく新製品を開発して取引できるところまで持ち込んだのに、実は他社の特許を侵害していたとか、せっかく目をひくブランド名を考えてお店を作ったのに、実は他社の商標権を侵害していたというのでは、成長のネックになるばかりか、事業体の存続を脅かすことにもなるのです。
知的財産部門をお持ちでない企業様が特許・意匠・商標などに興味を持つ場面の多くは、他社から警告を受けた、取引先企業から「特許・商標は大丈夫?」といわれたという状況です。
このような状況は、企業様が成長をしていく過程で突き当たる問題です。今も下請け業務だけだし今後も下請け業務だけでよいとお考えの企業様であれば、さほど特許などに神経質になる必要はないでしょう。
ただ、既に自社製品は自社開発である、今後は自社のオリジナル製品を作る予定である、他店にはないブランド力で店舗数を拡張していきたいとお考えならば、是非、特許や商標などに目を向けて下さい。後手後手に回ってしまうと、時代についていけませんし、折角の努力も水の泡になってしまいます。

【ビジネスモデル特許】
近年ではもう流行も去った感がありますが、今でも「ビジネスモデル特許をとりたいんですが」というご相談を受けます。
ご相談にこられる方の殆どは誤解されていますので、あえてとり上げます。
一昔前にマスコミ等で取り上げられ、さもビジネス手法それ自体が特許になるかのような表現がなされていたことがそもそもの原因だと考えられます。また、一部、技術的工夫の全くないものが現に特許になり話題にもなりました(最終的には無効になりましたが)。
「ビジネスモデル特許」という言葉が一人歩きした感が強いわけですが、弁理士としてはそのようなブームに乗っかるべきではないとの気持ちが非常に強く、事務所内では「ビジネスモデル特許」という言葉すら使っていませんでした。
そもそも「ビジネスモデル特許」といっても他の発明と特許要件は変わりなく、特に区別するようなものでもないと思います。自動車関連の特許を「カー特許」といっているようなもので、滑稽にすら思ったこともあります。いずれにしても「ビジネスモデル特許」というコトバが一人歩きして特許を知らない方々をミスリードしてしまったのだと思います。
「ビジネスモデル特許」では「ビジネス方法」自体が特許の対象になるのではなく、「ビジネス方法」をコンピュータを用いて具体的に実現する手段・手法に技術的価値があってはじめて特許の対象になるのです。
「こういうビジネス手法を用いれば儲かるので、このビジネス手法を特許でおさえたい」気持ちはよく分かります。でも、何らの技術的工夫もなく、単にビジネスの手法そのものでは特許にはなりません。例えば、「新聞広告にクーポン券をつけて集客し、来客者にはさらに次回クーポン券を配ってリピータになってもらう方法」などというものすら特許になると信じている方がいますが、明らかに誤りです。
では、コンピュータを用いればそれでよいのか?それも正解とはいえません。
コンピュータの用い方が問題となるのです。先の例でいえば「広告をインターネット上で配るようにすればどうだ?」ということになるのですが、それだけではダメなんです。単にインターネットという媒体を利用しただけですから。
このように、ビジネスモデル特許といっても、結局は経済法則やルール・取決めに過ぎないものは×となり、「技術的特徴」をもったものだけが特許になるわけです。そこに『たまたま』ビジネス手法がからんでいるだけ、という認識でいて欲しいものです。
 
 【社内に知的財産担当者を】
知的財産関連について、中小企業・ベンチャー企業における一番の問題は、社内に「知的財産担当者がいないこと」だと考えられます。

知財戦略は事業戦略に組み込まれていなければなりません。
特に、開発部門のある中小・ベンチャー企業において、知的財産担当者が不在であるというのは、非常に問題です。

製品開発を手掛けていながら知財に無関心では、誰のために開発を行っているのか?という疑問が生じてしまいます。
開発製品が他人の特許権を侵害しているかもしれませんし、折角の開発成果を他人に無料で提供していることにもなります。
また、いつまで経っても価格競争から抜け出すことはできません。
開発の成果が他人に真似されず自社において独占できてこそ次のステップがあるのではないでしょうか?

中小企業・ベンチャー企業における多くの場合、社長様がご相談に見えますが、とても担当者機能を果たすことはできないでしょう。
そこで、「兼任でも構いませんから、とりあえずは1名担当者をつくって下さい。」と申し上げるようにしています。なお、担当者の最大の条件は、「社長に物言うことのできる人」です。

この担当者が弁理士から色々な知識・手法を学び、社内システムを構築していくことで、スタートラインに立てるのではないかと考えます。 

2006年法改正関連

H18年(2006年)改正法の概要へ
http://aigipat.com/special/vol52.html


■単一性判断・シフト補正対策

★実務上の簡単な対策
(色々言っても、実際のところ、一番の対策はどうみても「出願前調査」の充実化)

1)STFが確実に得られるレベルまで掘り下げてクレームアップ
 ※STFなしのまま最下位クレームまでいってしまうと分割しか手がなくなるので。

2)下位クレームの優先順位を意識する
 ※上位クレームが新規性違反等の場合において、下位クレームのうち限定してもよいものをなるべく上位に

3)芋づる式のつながりを意識する
 ※STFつながり(STFが認定された請求項の要件を全て含むクレーム)の下位クレームはみてもらえるので。極論すれば、なるべく上位クレーム全ての従属形式でつながるように記載

4)下位に落ちていっても欲しい「肝」の部分は特に多段階の概念を記載する
 ※発明の肝になる部分(有益な権利となり得るか否かが判断基準)は、特に多段階に展開することで、変な限定が入らないようにする。段階的に限定されていないと不要な限定が入ってしまうので…

5)おかしな審査官にあたってしまい、不要な限定をせざるを得ないようだったら、あっさり分割出願
 ※変に形式にうるさい審査官がいるのも事実であり、がんばるだけ無駄(費用的にも時間的にも)。しかも、STFの認定に対して争いにくいという問題もある。なので、ハズレ(言葉が悪いですが…)の場合には、さっさと分割。
 なお、あまりに極端な場合や、繰り返される場合(自社の担当審査官状態である場合)には、意見書で主張するよりも審査長に直接連絡して是正をお願いする方が得策。こういう審査レベルの大きな差異については、審査長は心強い見方です(これは特許庁も企業も同じで、問題があれば上司への苦情ということでしょう)。

6)審査請求時など、審査に入るより少し前にクレームの見直しを行い、必要に応じてクレーム補正をする
 ※出願段階では有用と思っていた事項が有用でない状況になったり、その反対の状況となったり、…。このようなことは出願時においては世の中に登場していない等によりやむをえない。審査段階に入ろうとしている状況では、出願発明について随分と近未来の予想ができる場合がある。なので、上記1)〜4)を考慮しつつ、クレームの見直し(順序の見直しも含む)を行う。これを「審査請求する」と結論付ける場合において同時に行うのが企業としては効率的であるはず

やっぱり、真の対策はしっかりした「出願前調査」、さらに好ましくは「審請時検討」ですね。事前調査は色んな意味で役立ちますし。

どっちにしても、単一性・シフト補正は厳しすぎかと…。もう少し緩和して頂きたいものですね。米国ほどの厳しさではないにしても、「中小企業」にとっては特に酷な運用(審査基準)のようにみえますけどね。
勿論、特許事務所が十分にサポートすればいいのでしょうが、十分な調査を事務所側で行えば、その分だけ費用はアップしてしまいます。
個人・中小企業の場合、審査請求を行うと仮審査されて簡易サーチレポートが提示され、これをみてから出願人が自由に補正を行い、その後、本審査に移行する、みたいな制度があるといいんでしょうけど。

東海地方

【名古屋の中小企業経営者・個人事業者に優しい経営コンサルタント】
名古屋で活躍されているRAYMAC代表の中小企業診断士豊田礼人さん!
豊田礼人さんは、ブランディングを通じたマーケティング戦略により東海地方の地元企業が活力のあるものとなることを願って日々奔走されています。
お客様の視点で考えるという当事務所と共通する発想をもっておられ、意見交換も行いました。人対人のブランディングというものに感心するとともに、当事務所からはブランディング・マーケティングにおける商標登録の重要性などをお話しました。
豊田さんは「メルマガ〜ブランド思考であなたも会社も強くなる〜」を発行しておられます。中小零細企業・個人事業の経営者には教訓になる話がとてもわかり易く書かれています。
名古屋の中小零細企業・個人事業の経営者様でブランディング・マーケティングにお悩みのときにはRAYMACへ一度相談されてはいかがでしょうか?
RAYMACの公式HP:http://www.raymac.jp/

特許

【阻害事由(阻害要因)は魔法のコトバ】

 進歩性判断において、最近では「阻害事由(阻害要因)」という考え方が頻繁に用いられている。裁判所で進歩性否定の論理構築において便利に使用され、特許庁審判部門・審査部門にまで広がってきたといえる。
 この「阻害事由」は、出願人・権利者には「やっかい」である。この「魔法のコトバ」を使えば、どんな発明でも「進歩性なし」という論理構築が至極簡単にできてしまうからである。困ったことに、進歩性否定の際には「流行り」とでもいうべきか「阻害事由」なるコトバが頻繁に使用されているのが実情である。
 ところで、進歩性肯定の際には「阻害事由があるから」という理由になるかといえばそうではない。進歩性肯定の際には「当業者が容易に想到し得たとはいえない」「〜という本願発明の技術的思想がない」「〜という動機付けがない」などと概ね市民権を得ていると考えられる論理付けで話が進むのである。
 つまり、「阻害事由」は進歩性否定の理由にはなれど進歩性肯定のコトバとしては上手く当てはまらないというわけである。稀に「阻害事由」があって進歩性肯定という場面もあるにはあるが、これは特殊な例である。
 したがって、「阻害事由」という考え方では進歩性肯定の論理付けが上手くできないのであれば、この魔法のコトバを安易に使用すべきでない。
(これは、所長の独断的な考えです、念のため。この魔法のコトバを見るたび寂しくなるんですよね。理屈が通らんじゃないかと。進歩性否定で「阻害事由なし」と頻繁に使用するのならば、進歩性肯定で「阻害事由あり」と言って欲しいものです。でも、「阻害事由がある」ときっぱりいえる事案は殆どありませんからね・・・)

※最近の判決例では、「阻害事由」「阻害要因」というコトバが減ってきました。ちょっと好転かなと思います。おそらく「やりすぎたかな」という反省があったのではないかと思います(勝手な感想)。
※知財高裁の判事の方がどこかでコメントしていましたけど、諸外国に比べて日本の進歩性レベルはちょっと厳しいかな、的な話がありました。確か、USにおいて非自明性についてレベルアップの判決が出た後の話ですね(それでもなお日本の進歩性肯定レベルは他国よりも高いですけど)。いずれにしても、そのような認識(実務家が以前から当然に持っている認識)を知財高裁においてもお持ちのようで、安心しました。日本は日本なんてやっていると取り残されてしまいますから。知財高裁もやはり国際調和をかなり意識してきているのだろうな、というのが率直な感想です。グローバル化が進む中ではやはり国際調和・国際統一が必要だと思いますね。私自身の感想では、EPのルールに沿った考え方が国際調和に向けて考えると一番いいのではないか、なんて簡単に考えていますけど、今後の特許庁の国際調和に向けた更なるがんばり、知財高裁の動向に注目ですね…。


【平成18年特許法改正(分割・補正)と実務上の対策】

<<分割・補正に関する改正事項>>

 (1)分割制度の拡充
   分割出願できる時期が追加されます(審査終了まで→審査終了後30日以内まで)。査定後も分割可能となるため権利取得手続が柔軟化します。また、分割の機会を得るためだけに拒絶査定不服審判請求をするといった手続の無駄を抑えることができます。

(2)分割出願の補正制限
   もとの出願等に通知された拒絶理由が解消していない分割出願には「最後の拒絶理由通知」が通知された場合と同じ補正制限が課されます。同じ発明を繰り返し分割出願するといった分割出願制度の濫用的行為の防止が期待されています。

(3)別発明に変更する補正(シフト補正)の禁止
   拒絶理由通知後は、技術的特徴の異なる別発明に変更するようなシフト補正が禁止されます。これにより、審査前から取得権利を精査し絞り込んでいる出願人とそうでない出願人との間の不公平性や、審査効率の低下を回避できるといった利点が期待されています。

<<実務上の対策??>>
今後検討予定ですが、一言…
 ・兎にも角にも、分割出願を「査定」後にできるのはおいしい話です。
 ・シフト補正禁止はかなりイタイ。
  簡単な対策としては欲しい権利は最初から全てしっかりクレームアップということですね(誰でもわかる話ですけど…)。真の対策は、「しっかりとした出願前調査」「しっかりとした審査請求前調査」にかかってくるんでしょう。
  しかし、シフト補正の禁止レベルが現状では不明のため、シフト補正に関する基準が明らかになった段階でないと、具体的な対策がみえてきませんね。内的付加なら許されるのか、現状クレームの要件を必須として追加・限定ならOKなのか、…。
  厳しめの基準となるのであれば、審査官の対応は「柔軟に」という単一性違反やファイナルの対応のような話になってしまうんでしょう。こうなると、「審査官次第」で大きく対応が異なるわけで、これまた微妙なことになります。

実用新案登録

【お勧めしません】
 あいぎ特許事務所では、「実用新案制度は使わない」という基本方針です。 
 「使えないから使わない」「危険すぎて使えない」「使おうとすれば特許よりコスト高になり得る」…という感じでしょうか。
 ちょーハイリスクとすれば、誰が使おうとするでしょうか?
 勿論、全否定するつもりはありません。単に登録証が欲しいだけとか、逆に相当に高度な戦略のもとで実用新案制度を活用したいと考えているのであれば別です。

 少なくとも、 「この程度のアイデアであれば実用新案ですね」とはなり得ません。こんな考え方で仕事をしている特許事務所はおそらく皆無でしょう。

 H16法改正により権利期間が10年になりましたし、特許への変更も可能となったわけですが、やはり、お勧めできるものではありません。
 この法改正は、特許審査件数減らしを意図としたもの(実用新案に流れてくれればその分は審査せずに済む)と考えられますが、それにしては「エサ」が少なかったように思います。
 特に、権利期間が10年に延長された点については、率直に言って、使えない権利期間が長くなってもやはり使えないわけですから、「エサ」としてはマズイ部類に属します。となると、登録後の特許への変更という部分においてのみ、食べられる「エサ」が存在するに過ぎません。
 このレベルの「エサ」では、自社技術を守ろうと考えているお客様に対し、どうしても実用新案制度をお勧めする気持ちにはなれません。

 ・「権利者の責任」が軽減されるか(評価書でOKとなった請求項については一切責任を問われない点が規定されれば…。)
 ・「特許への変更可能期間」が延長されるか(実用新案権の存続する限りいつでもできるのがベスト。でもこれは特許の審査請求期間との関係でみると不確定期間が長くなるため、バランスを欠きますね。なので、実現はしないでしょう)
 これらのうち少なくともいずれかの「エサ」は欲しかったところです。
 そうすれば実用新案制度も利用価値が高くなるんですが…。

 特に、「権利者の責任軽減」は、もしも本気で実用新案へ流れて欲しいと(特許庁が)考えていたのであれば、絶対に採用しなければならなかった部分であったといえます。
 そもそも、特許においても、審査において特許査定が出され設定登録されたとすれば、基本的には無過失賠償責任なんてことにはならないわけで、有効な権利として活用することができるわけです。
 だったら、実用新案においても、評価書請求によりOKになった請求項についてはそれ以上の権利者の負担なしに権利行使を認めてもいいのではないでしょうか?
 特許だって登録後に無効になることはあるし、実用新案制度でも無効審判制度は存在するわけですから、評価書OKだけを条件にすれば特許とイーブンの関係になってよかったのに…

 いずれにしても、中小企業のがんばっておられる方々をミスリードするわけにはいきませんので、実用新案法の更なる改正がなければ、弊所では絶対に実用新案をお勧めすることはありません(最初に書いたとおり、相当の戦略があるか、とりあえず賞状だけ欲しいか、のいずれかに該当する場合は除きます)。
 実用新案権が欲しいとご依頼があっても、その理由を伺い、多くの場合は「それならば実用新案は使うべきではありません」とアドバイスすることになるでしょう。


【実用新案制度の存在価値はどこに?】
 H5改正により、実用新案は「無審査登録主義」が採用されました。
 私はH2よりこの業界にいますが、この法改正のとき「とうとう実用新案制度が消えるカウントダウンが始まった」と思いました。
 無審査登録主義の大義名分は、ライフサイクルの短い製品の適切な保護って感じでしたが、無審査に適切も何もあったものではないですからね。
 本当の趣旨は、「これで実用新案制度を使う者もかなり減るだろう。そうなれば、実用新案制度の存在価値はなくなり、制度廃止に反対する者(多くは中小事業者)の理由付け(件数的にも未だ十分に活用されている制度であるとの理由付け)もできないだろう。そうなった時点で廃止すればいい。まぁ仮に廃止までできなくても審査せずに済むから負担にはならない」と、そんな感じではないでしょうか?
 思惑通り?、実用新案登録出願の件数は大幅に減少し、改正前に10万件レベルであった登録出願が、改正後には1万件レベルになりました(9割減)。
 でも、上述のとおり、特許審査の迅速化のため、実用新案制度は一時復活の道を歩まされることに…
 実用新案制度は本当に中途半端です。以前は特許制度の下支え的存在でしたが、今となっては周りの事情に翻弄される状況ですね…
以上、個人的主観も交えて。

 で、実用新案権が本来の役割を果たすことができればそれはそれなんですが、実際には困った状況が多いのが問題でして…
 だいたい何が問題かっていえば、世の中の多くの人(知財関係者以外)は、「実用新案権がある」といえば、「へーすごいね」となってしまうわけです。でも、相談を受けて調べてみると、やっぱり「新規性」すらない。
 「はったり広告」に利用される場面が多いのです。
 以前相談を受けた事例では、テレビで「弊社は実用新案権をもっているので、弊社が独占的にできる」的な話がある製品についてなされ、関連業者から「それが本当なら困ったことになる。でも、以前からある製品なんだけど」という趣旨のものがありました。
 勿論、調査したところ、例に漏れず新規性なしということで誰でも自由に作れます、という結論なんですが…。
 マスコミでも特に調査することもなくそのような報道を行ってしまうわけですから怖いものです。

 こういうのって、どうなんでしょう?
 本人の問題だ、で済まされるんでしょうか?
 広告宣伝に利用(悪用?)するのなら、「無審査だから無効な権利かもね(何でも登録になる実用新案制度を利用)」くらいのことは前置きしていないと、一般消費者が馬鹿を見るというか…勿論、評価書請求で肯定的なコメントをもらった場合はそれと区別してもいいかなと思いますけどね。
 でも、実際のところそんな説明義務がないんですから、もう世の中のことを考えたら実用新案制度ははっきり言ってない方がいいかと。。。
 ライフサイクルの短い云々という点は、特許であっても、早期審査制度・早期公開制度・面接審査運用で十分担保できるのではないかと思うのですが。
 
 このような話題について、以前ある会合で話をしたことがあるのですが、「現在ある制度を法の範囲で使う分には問題ないでしょ?」という何名かの弁理士の意見もありました。確かにそうなんです。そうなんですけど、こんな制度があるから、悪用がなくならない。それにより困る人もいることを知ってほしいし…

 「こんな実用新案制度はなくしてしまえ〜」と本当に思います。
 現状の実用新案制度は、
・「自分達の都合のいいように利用する役所(特許制度の影武者的利用)」と、
・「空っぽの権利をあたかも有効な権利かと誤認させて利益を挙げる業者(宣伝広告的利用)」と、
・「安いからという理由だけで趣味的に使う個人(趣味的利用)」と、
の3者のためにしか存在価値のない制度になっていますから(一部の例外を除く)。

 以上、実用新案権で変な使い方をされて業務上の支障となり困り果てた業者様のご相談を何件か受けて率直に思ったことでした。

※ちなみに、このような問題は特許制度においてもあります。あまりに小さなどうでもよい特許を取得しておきながら、「この製品は特許です」的な説明をするわけです。これってどうなんでしょう。。。実際、もう少し、特許表示・特許説明について正しい説明をするような義務なんかが必要なのでは?と思ってしまいます。現状では、不正競争防止法か独占禁止法か、これらに委ねざるを得ない状況です。


商標登録

■商標情報

【商標登録サイト−あいぎ特許事務所】へ
http://tm.aigipat.com/
※あいぎ特許事務所の商標登録専門サイトです

【名古屋の商標亭】へ
http://blog.goo.ne.jp/aigipattm/
※あいぎ特許事務所の商標担当弁理士が書いている商標登録に関するブログです

■色々なサービス

最近、商標関係では、色々と工夫されている特許事務所があります。
顕著な例としては、
(1)低コストをウリにしたところ
 (トータル費用の安さがウリ)
(2)成功報酬型をウリにしたところ
 (登録にならなければお金が殆どかからないのがウリ)
の2つがあります。
弊所は、いずれにも該当しません。
弊所は、
(3)高度かつ専門的な知識を常に蓄え、これをベースに現在・将来の事業の姿からメリットある最適なアドバイスを行う
これをウリにしています。

(1)や(2)のようなウリは、何も知らない人にはウケがいいでしょうし、このようなサービスを欲する方もいらっしゃるかと思いますので、私個人としては全否定されるべきものではないと思っています(弁理士の中にはこれはイカンとおっしゃる方も多いのですが…)。
でも、弊所では、商標を単なるマークとは考えておらず、事業所の信用獲得のための最重要なツール(ブランド戦略の一環)と考えていますので、(1)や(2)のような方向性はあり得ません。

(1)のウリでは、やっつけ仕事であっても文句はいえないでしょう。打ち合わせに時間をとることはできないはずですから、「このマークを権利化してちょーだい」「はい、出願しました。はい、登録になりました。」この程度の流れでしかないでしょう。ですから、場合によっては、おかしな権利(本来取るべき権利ではないもの)となってしまうリスクはあるでしょう。

(2)のウリでは、どうしても無理やり登録にもっていく方向に動いてしまうでしょうから、「名称」単独で権利化しないと将来問題が発生しそうな場合であっても、そんなことより登録を優先して「名称+マーク」などのような処理が行われる可能性があります。

特に、識別力の問題があるような場合や既登録商標との類否が問題となりそうな場合には、現在及び将来の事業展開を踏まえて検討をしていかなければならないはずです。でも、そのような方策は(1)や(2)のサービスにおいて期待することはできないでしょう。

この(1)(2)と(3)との違いは、商標を、単なる「マーク」とみるか、事業所の「信用」とみるか、の本質的な違いです。
当事務所は後者を選択し、常に最新の情報を蓄積し、常に実務能力の向上を図り、打ち合わせ重視で地道に地元企業の応援をしていきたいと思います。

(追記)
最近、(1)や(2)の事務所を利用された後に弊所を利用されるケースが増加しています。
お客様に理由を伺うと、やはりというべきか…、出願後には全く相談に乗ってもらえない(そもそも会ってもらえないとか、面談を嫌がられるとか、親身になって考えてもらえないとか、…)、相談を受けようとしても遠方なので無理、というお話のようです。
そりゃそうだ、というのが率直な印象です。
「安さ」がウリなので、さっさと処理しないと利益が出ないわけですから。そもそも「安さ」勝負のところに「相談」なんて概念などあるわけないです。それに遠方の事務所に依頼するというのは基本的にそれだけで十分なリスクです。

そればかりか、弊所でもなんとかならないかなと思うような事態も発生しています。

★苦情窓口
(1)(2)を利用された方からの苦情受付窓口かいな、と思うような話が舞い込み、(1)(2)の事務所の尻拭いを何度かやらされたことがあります。
本当は「そんな所に依頼するからしょうがない」といいたいのですが…。
ただ、このような経緯で弊所にこられたお客様は、弊所の対応に大変満足していただいておりますので、相談に乗ってもらいたいと考えるお客様からすれば弊所は十分なサービスを提供できているのではないかと考えています。

★単なる費用比較
「お宅は高いね。インターネットでみるともっと安いところがあるよ。」と言われることも結構あります。これは最近多いですね。
この対策?として、弊所では、1回目に言われたら「サービスの質が全く違う」旨説明し、2回目に言われたら「もう結構ですから安い所をどうぞご自由に探して下さい」とお断りする方針にしています。
弊所のウリは(3)ですので、質の重みの分からない方に対しては満足して頂けないでしょうし、安さをウリにしている事務所が弊所と同じ仕事をできるわけがない(両方を経験すれば明らかに違うと誰でも実感できる)との自負もありますので…
それと、弊所のサービスに満足して頂き通常通りの費用をお支払いいただけるお客様との公平性の問題もあります。値切ると徳をするのではおかしいというのが私の基本的考え方です。
なお、弊所では、関連性の高いものを複数件まとめてご依頼頂いたので労力が少なかった、というような事情がある場合には、自発的にディスカウントさせて頂いております。これは当然のことではないかと考えています。

これらも、長期的にみれば、弊所を必要とするお客様が弊所に喜んでご依頼頂ける環境作りに寄与しますので、差別化という意味では悪くはないですね。
弊所からしても、弊所が行っている丁寧な対応に共感していただけるお客様ばかりであることがうれしいですからね!!

意匠登録

【意匠登録サイト−あいぎ特許事務所】
http://design.aigipat.com/
※意匠制度の基本について解説しています。


【意匠法第3条第2項の「公然知られ」の解釈】

公然知られた形態から創作容易である意匠は、意匠法第3条第2項の規定により意匠登録を受けることができません。

この規定は平成10年に改正され、「周知の形態」→「公知の形態」と、引用形態の基準が緩和されています。

ところで、「公知」とは、不特定者に公然知られ得るというレベルではなく、現に公然知られている状態をいいます。

ところが、特許庁の審査・審判実務では、「公然知られ得る状態」を「公知」として使っているのが実情です。

なんか腑に落ちませんね。

平成10年改正の過程で「公然知られ得る状態」のものは明確に排除されたはずなのに…。
だったら、平成10年改正のときに「3条1項1号&2号」に該当するものを含む、とすればよかったじゃん、と思ってしまいます。

弊所では、公報にしか掲載されていない意匠(しかも、ドイツの公報)を引用され、審判でも負けてしまった事例がありました。
とても納得できず、審決取消訴訟をおこしました(知財高裁 H18(行ケ)10367)が、負けてしまいました。
知財高裁も「公然知られ得る」で十分らしいです。

メインの争点は、
「公知」って「知られ得る」でいいの?(平成10年法改正の趣旨はいずこへ?)
公報という刊行物の性格からして」って何?(そんなに公報ってすごいの?)
「年数経過」ってなんか意味あるの?(意匠の流行性との関係は?確率統計的にどうなの?)
というような話だったんですけど、判決文を読んでもさっぱり分かりませんでした。

判決文(&審決書)によれば、
・公報というものはすごいんですよ。法目的からすればすごいことは分かるでしょ。法目的は達成されていると読むんですよ。
・しかも公報発行から年数も経っているから絶対だれかが見たに違いない。分かるでしょ?
・何万件何十万件発行されようが、公報なんだから、見たに違いない。公報という刊行物の性格をご存知ないの?
・確率論なんて関係ない。公報は発行されて年月が経てば誰が何をいおうと公知なんですって。
というようなことを言っているのは分かるんですけど、意匠法第3条第2項の公知とは結局のところ「公然知られ得る」でいいってことを言われているだけのような…

まぁ、実際問題、「公知」を立証することは困難なので、「特殊事情がない限り頒布刊行物記載のものは公知とみてあげていいんじゃないの?」的な発想はわからなくはないんですけどね。
でも、それならやっぱりH10改正の際にそこまでケアしておかないと、法律に従って対応している出願人・代理人は混乱してしまいますよね。
特許庁も裁判所も、3条2項の「公知」とは「公然知られ得る」と拡大解釈(そう解していい根拠を全く示さずに)しているのは間違いないです。
意匠法とその解釈って、いつもどっか変なんですが、相変わらずってところでしょうか…

また機会があればこの争点で闘ってみたいですけど、お客様にメリットのない仕事はできませんからね。
唯一の救いは、意匠法研究の権威である牛木先生が「特許ニュース」(2007年6月29日号)でこの事件を採り上げて下さり、私達の主張に賛同してくださるコメントを書いていただけていたことです。
牛木先生のWebサイトはこちら↓ 大変勉強になるサイトですよ&ここでも特許ニュースで掲載された事項がインデックス「B1-27」で掲載されていますので是非読んでみて下さい。
http://www.u-pat.com/index.htm


【意匠法は使える制度なのか?】

弁理士・企業知財部の方と話をしても「意匠制度は使えない」と言い張る方が多いのです。
なんでかな?と思い、知り合いの弁理士の何人かに聞くと、「権利範囲が狭い」とそれだけの理由。しかも、活用の道を探ろうともしていない模様。

でも、私(=所長)は、今でも十分に使えるし、さらに使い易い制度にかわりつつある、と考えています。
私は、意匠制度を特許制度と完全に切り離してしまうことがまず間違いであると考えています。知的財産制度全般を見通し、どの制度を利用するのが最適かを常に意識すべきです。
特許では諦めざるを得ないような場合であっても意匠では使えるという場合も多々あるのです。
勿論、特許と比べれば使える範囲は限られるかもしれません。

ただ、真っ向から否定するのは単に「選択範囲を狭くし、保護の可能性を低くしているに過ぎない」と思うわけです。

特に、
 
『製品として』特定の機能を発揮しようとすれば、コスト面その他の事情を踏まえると『ある形』に収束してしまう、
ということが予測できれば、これはもう意匠制度を使うしかないでしょう。

注意すべきは、発明のような「概念」に走りすぎず、「具体的に製品化する」場合にどうするのかを想定すべき、ということです。特許の世界にどっぷり漬かってしまうと、概念的になりすぎたり効果を求めすぎたりしてしまうのです。ここの切り替えを上手くやる必要があるのです。

特許では進歩性確保が困難でも、形状が具現化された意匠では登録を勝ち取りしかも使える権利となり得るのです。
このような場合、特許しか頭にないと、「権利化は無理だね」で終わりになってしまいます。

と、色々書きましたが、まだまだ意匠制度の活用レベルは低い、というのが実情です(これは早いうちに気付いた人にとっては有利に働きますので、チャンスともいえますね)。特に愛知県の企業様は特許制度には積極的ですが意匠制度を上手く活用していないと思います。

意匠制度が『上手く』使われない理由について考えると、行き着く答えは、『無知識』と『無意識』ではないかといえます。

特許制度と意匠制度とは創作保護制度としてセットで考えるべき!

ちなみに、当事務所では、意匠登録出願の年間出願件数が平均50件を超えています。
これでもおそらく愛知県の特許事務所では、代理件数1位か2位に入っています。
愛知県の意匠への関心はその程度なんですね。
意匠制度を上手く使えないことはもったいないので、愛知県内の企業様に意匠制度のよさを少しずつでもわかってもらえるといいなと思っています。
地域密着・地域貢献の精神!!
この活動は、今後も引き続き行っていく所存です!

自社技術において意匠制度がどういった場面で活用できるのか?
分からない場合には是非お気軽にお問合せ下さい!!
 

あいぎ特許事務所

【あいぎ特許の変遷・実績・概要…】

メンバー数(所長・弁理士を含む実務者数、括弧内は総スタッフ数)
設立当初: 1( 2)
2002年末: 3( 6)
2003年末: 5( 8)
2004年末: 7(11)
2005年末:10(14) …2005/09業務拡張により事務所移転
2006年末:12(17)
2007年末:14(20)
2008年末:???…2008年からはこれまでよりスローペースに!
             (中身を大切に!という初心に立ち返ることにしました)

★人数目標
設立10年で30名とすることが目標

…と設立時には思っておりましたが、実際あまり急速な展開ではよろしくない事態が。具体的には、新人のレベルアップが伴わない&将来の年齢構成が崩れてしまいそう、ということで、2008年からはもう少しスローペースで人的規模拡張をしていこう!と所内アナウンスしました(2008.1追記)。

30名規模になったら、それ以降は積極的に増加させない(30人台で推移)。
この程度の中規模(名古屋では大規模ですが…)が理想的な組織とするのに最適であると信じて!
ちなみに、愛知県では、当事務所は人数面においても既に12番手です(2007年夏時点)。2008年には県内ベストテンに入る人数とするのが小目標

また、弁理士数の増加にも力を入れています。
2007年11月現在で弁理士数は4名ですが、弁理士試験合格者がおりますので、登録手続きをすると5名になります。
…5名になりました(2008.1追記)。
最終的には、二桁(10名)の弁理士が在籍する事務所にするのが、目標

★採用方針
若い人材の採用を常に意識して採用活動を行っています。
これは、
年齢層の偏りがでないようにしてバランスのよい組織作りをしていきたいこと、
新人と経験者との年齢逆転現象があると仕事がやりにくいということ、
未経験新人の場合には実力が伴わず給与も自ずと相対的に低くなるので年齢の高い方には辛いだろうと思われること、
によるものです。
例外としては、魅力的なスキル、これだけですね。

★組織イメージ
比較的新しい特許事務所では、フラット経営や横並びパートナー制が、流行のようです。
しかし、あいぎ特許事務所では、このような発想とは一線を画すつもりです。
フラット経営や横並びパートナー制では、
「意思決定があやふやとなってしまう」⇒中途半端になる
「意見が分かれた場合に最終決定することができない」⇒結局なにもやらないという選択になる
「失敗に対する責任の所在が不明確になる」⇒担当者の責任だ、というような責任逃れが発生し得る
「経営者サイドの身勝手な分裂が発生する」⇒お客様に迷惑をかけるばかりか、スタッフの安心感も損なわる
…などのという点が危惧されるためです。
それらよりも好ましくないと考えている組織としては、寄り合い事務所があります。
これは、単に弁理士が集まってばらばらに経営する、でも表向きは複数弁理士よりなる特許事務所という、こんなところです。
このような寄り合い所帯的な特許事務所は、殆ど短期間のうちに破綻しています。そりゃそうだ、という感じですね。どうみても、繋がりがあまりにも希薄ですから、継続性に乏しすぎますね。
それに、そもそも寄り合い所帯的なやり方では、品質を維持することは困難(というより、最初から品質はバラバラでよいというのが前提にあるのでしょう)です。
とにかく、フラット・横並び・寄り合いの3パターンは、
「経営者の責任回避になりやすい」「経営者同士の喧嘩が周りみんなを不幸にする」
という点が一番の弱点であると考えています。
そのため、実力者が幹部となって経営力をつけていき、ベストなタイミングでバトンタッチすることができる若干のピラミッド構造を有した組織が理想であると考えています。
なお、弁理士1名の少人数事務所というものもありますし、ここに属していた時期もあります。このような小規模事務所は大変居心地がよく、風通しもよく、日々楽しく業務に励むことができました。でも、やはり弁理士1名というのは万一のことを考えるとあまりにも不安定です(スタッフからみた立場で)。また、少人数事務所では量的ニーズに応えることができないために一年を通してみると繁忙期と閑散期とがあり、厳しい面があります。そのため、やはり小規模事務所は新規参入事務所としては選択肢に入り得ませんでした(少人数事務所は充実度は高いので「こじんまりとしているのもいいな」と思うときもたまにありますが…)。

■主要顧客
株式会社デンソー
トヨタ自動車株式会社
株式会社三洋物産
シーケーディ株式会社
株式会社グッドマン
※敬称略
※弊所のような若い事務所にもかかわらず信頼を寄せていただき、感謝!

★設立10年で年間特許出願100件以上のご依頼を頂ける取引企業様を4〜5社にすることが目標
設立5年で3社となったので、あと5年で大手1〜2社を新規取引開始することが目標です。
年100件以上のお客様は5社までと考えていますので(これは30〜40人程度の事務所規模を前提としているためです)、残り1〜2社との新規取引が開始されたら、あとは取引先企業様の支援に注力することのみを考えて行動していきます。

★中小企業・ベンチャー企業のお手伝いも増加傾向へ
徐々に、中小企業・ベンチャー企業様からのお問合せも多くなっています。
最初のうちは既存のお客様のニーズに応えることで精一杯でしたが、徐々に地域のがんばる企業様のお手伝いもできる体制になりつつあります。
グローバル化にばかり目を向けず、ローカルな地域密着型にも目を向けていきたいと考えています。
中小企業・ベンチャー企業の業務は、知財全般にわたるため、弁理士業務として色々な経験ができますので、大手企業様からのお仕事と並行してやっていきたい分野です。
それに、地域企業が成長していく過程をお手伝いできれば幸せだよねという思いがありますので、是非やっていきたいです。


■取扱分野
・エンジン制御(ディーゼル、ガソリン、ハイブリッド)を中心とした自動車制御
・建物躯体、建物設備その他の住宅技術全般
・パチンコ機、パチスロ等のアミューズメント
・エアシリンダや圧力制御弁などの流体圧機器
・カテーテルなどの医療用器具
※これらの分野は、他の企業様から新たにお請けすることはできません。

★その他の弊所取扱い可能分野
(コンフリクトのない分野であり、かつ対応可能な分野)
・事務機器、通信機器、メカトロ、生産技術、半導体、日用品、重機、電気電子部品、電気電子回路、情報処理、車両構造、車両部品(エンジン制御除く)、化学、バイオなど
※弊所では、「機械」「制御」「電気」「電子」を得意としています。また、「化学」「バイオ」にも対応することができる体制ができました。これらの技術がベースとなる分野ではスムーズに技術を理解することができます。

件数実績
特許出願
2002年: 55件  …期間は6〜12月の7ヶ月
2003年:170件
2004年:212件
2005年:309件
2006年:417件
2007年:479件
2008年:???
 …2008年の所内で設定した目標は550件ですが、どうなるでしょうね??
  中間処理手続が増加してきているので、簡単ではないですが…

★特許出願件数目標
設立10年で年間1000件を取り扱うのが目標…但し、まずは30人体制というのが基本にあるため、件数目標は無理に達成するものではないかな、と思っています。
1000件程度の処理能力を組織として達成したら、その後は量を追求せず、質の更なる向上と、効率アップを目指す。効率アップにより確保した時間を権利化業務以外のところに振り分けるつもりです。

…規模拡張速度を遅くし、品質レベルの維持向上に振り分ける方向へ若干軌道したため、年間1000件はもっと先になりそうです。数ばかりを追うのは危険ですので、まぁこれもよしとしています(2008.1追記)

★意匠商標件数目標
意匠・商標をあわせて、設立10年で年間300件を取扱う!というのが当初の目標ですが、設立5年で年間100件ペースのため、少々高い目標かなと??

最低でも年間200件ペースにもっていきたいと考えています。

勿論、まだまだ諦めず、最初に立てた目標に沿ってがんばるのみ!!
商標登録出願は年々着実に増加しています。

★外国関連目標
外国出願(PCT/パリ/WTO)は年々増加中です。
現状は欧米・アジアの主要国の特許実務に追従できるレベルを維持しているという程度でしょう。
将来的な件数目標は特に持っていませんが、国内実務を第一として外国実務の幅も広げる活動を推進していきます。
外国依存は将来の事務所安定性を考慮した場合、あまり好ましくないと考えていますが(外国関連手続きは将来的に簡素化されていく傾向のため、事務所を不安定にするおそれあり)、国内処理量の増加に伴って、外国出願の量も一定比率を保つように増加させようとしています。
今後は、まず1名、外国専門弁理士に参加してもらい、外国戦略に打って出たいと考えています。

あと、USの現地代理人として、大事務所ではなく中規模でいい仕事をするアトーニーを探している最中(候補事務所が決まり、裏付け調査中(笑))。大事務所ばかり使ってきましたが、不満が…。大きいものに巻かれてはみたものの、やはり大事務所の当たり外れの大きさには参ってしまいますね(2008.1追記)。
⇒なんとかUSの現地代理人を見つけました。こういうとき、横のつながりは助かります。実は昔一緒にスキーに行ったことのあるUSパテントアトーニーですが…


★訴訟件数目標はなし
審決等取消訴訟は、合計11件(2002年〜2006年合計) …年平均でみてしまえば2件ですが、結構偏りがあります
その他、侵害訴訟に関しては準備書面作成時のアドバイザーとして関与した経験もあります。

なお、訴訟の件数目標は持つべきではないです。本来、その前に上手く解決した方が得策であることが多いでしょうから。
なお、訴訟関係は、大変だけど面白いです。この経験を多くの所内弁理士に体験してもらえるといいと思っています。
ちなみに、これだけの量の訴訟を行っている若手特許事務所は類を見ないと思います。老舗の特許事務所と比較してもかなり多めであると思います。
また、現状でも弁護士とともに侵害訴訟などの係争関係にも対応できる体制ではありますが、弊所とともに真の協力関係をもって成長していけるような若手弁護士を見つけるのが目標です。
勿論、侵害訴訟に関しては、訴訟費用を考えると、交渉により未然に解決できることが好ましいですから、特に中小企業の知財活用という面からは事前交渉の場面で支援していきたいと願っています。


 

知的財産全般(著作権・不競法含む)


■民間業者の「知的所有権登録」に基づく警告について

個人の方が「知的所有権登録」という民間発行の登録書をもとに警告を内容証明郵便により業者宛に発送されるケースがあります。

当事務所でも、特許権侵害等に基づく「内容証明」に対するご相談を受けることがあります。

そこで、以下にマメ知識&対処方法(&少々苦言…)について以下にまとめました。

(1)「知的所有権登録」とは如何なる権利でしょうか?

 法的効力のないものであり、何らの権利でもありません。なお、「知的所有権」という権利は存在しません。

(2)「知的所有権登録書」という立派な証明書がついていますが、本当にこれには法的効力はありませんか?

 「知的所有権登録書」は民間が発行する賞状or管理番号表というイメージですね。
 賞状or管理番号表により何らかの特典(他人に文句をいえる)があるなんてこともありません。

(3)「著作権登録」とは?

 著作権は、本来、何らの登録も要しない無方式主義を採用していますので、著作権を発生させる場合において登録自体意味がありません。
 なお、文化庁において権利の承継や創作年月日の推定のために登録を受けることはありますが、これも著作権発生を証明するものではありません。

(4)「著作物」とは?「著作権」とは?

 著作権の保護対象となる「著作物」とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」(著作権法第2条第1項第1号)とされています。
 したがって、著作権は「表現そのもの」を保護するものであり、そこに表されている方法、理論、考案などのアイディアに相当するものは著作権では保護できません。
 また、「文芸や学術等」に属するものが対象ですから、工業製品等も著作物から除外されます。
 なお、アイデアは特許や実用新案でしか保護されません。
 また「著作権」は相対的な権利であり、「表現が異なればアイデアが同一であっても著作権侵害とはならない」「表現がたまたま同じであっても独自に創作したものであれば著作権侵害とはならない」…というものであります。つまり、Aさんが表現Xを発表し、Bさんが表現X´を発表したとします。XとX´とが全く同じ又は殆ど同じであっても、BさんがAさんの表現Xを模倣したわけではなく独自に考えたものであれば、BさんはAさんの著作権を侵害したことにはなりません。

(5)「知的所有権登録」に基づく警告を受けた場合の検討

 本当は、検討なんてしなくても大丈夫なものが殆どなんですが、一応安心のために…

  警告相手の主張は妥当かを検討してみましょう。

 上記(1)(2)のとおり、知的所有権登録は法的根拠がないので、「知的所有権登録」という名称に惑わされてはいけません。
 警告書で示されている「表現」をあなたが見聞きしたりして知っていて「その表現(アイデアとか製法とか考え方などではなく、そこに書いてある表現そのものですよ。念のため)」を「模倣」した、というのでなければ、相手方の主張は不当であるということになります。
 通常、「身に覚え」がないはずですから、これに該当します。
 つまり、警告を受けても、例えば「相手方の表現そのものを知らなかった」場合には、その時点で問題なしとなります。上記(3)のとおり、相手方の表現そのもの(←くどいようですが、アイデアではなく表現そのものですよ!)を知らないのに「模倣」しようもないわけですから。
 そのアイデアは自分の知的所有権だと主張されているようでしたら、もうその時点で無視です(アイデアは知的所有権というテキトーに創作した権利名称では保護されませんし、著作権でも保護されませんから)。

(6)「知的所有権登録」に基づく警告や内容証明が法的根拠のない主張をしていることはわかりました。その後はどう対処すればいいでしょうか?

 多くの場合、個人が金銭を得ようと権利侵害を主張してくるわけです。
 それにしても、法的根拠のない主張に対して応答を迫られるのは、業者としては本当に迷惑な話です。
 したがって、多くの場合、「無視する(放置する)」というのが一般的ではないでしょうか。
 次いで、警告してきた個人が「知的所有権登録」という権利が存在しているのだと本当に信じているようで(既に説明したように存在していない権利ですね)、何度も言ってくるようでしたら、「知的所有権登録には法的根拠がない」「著作権はたとえ偶然似ていても模倣していないなら侵害とはならない」「アイデアは著作権、ましてや知的所有権というもので保護されるものではない」と説明してあげましょう。
 なお、訴えを提起されたら、やむを得ず出廷せざるを得なくなりますね。そうなりそうな場合には、無視せず、後段のように「法的根拠がない」などの回答をしてあげるのが無難かもしれませんね。

(7)「知的所有権登録」に基づく警告をした本人が気付いたら?特許出願に切り替えればOK?

 「知的所有権登録」がアイデアを保護することのできるようなものではないことはわかりました。
 それでは、ご本人がそのことを知り、登録したつもりになっているアイデアを特許出願として特許法による保護を求めれば解決すると思われますか?
 残念ながら、守秘義務のない不特定者である業者さんへ「警告」し、「知的所有権登録」の内容を開示したことにより、特許による保護も受けられなくなります。
 なぜか?
 「特許」「実用新案」には登録要件として「新規性(新しいこと)」が必要となります。ところが、警告によりその新規性を失ってしまうのです。
 なお「知的所有権登録」は、内容が非公開らしいです。そうだとすれば、内容を公開していないのですから模倣しようもないですね(そこにしか書かれていない表現を模倣することが不可能なので、そこにしか書かれていない内容をもとに権利侵害といわれても訳がわからないということです)。
 上記のように、警告したときには新規性を失うので、意地悪な言い方をすれば、「みなさんどうぞここに書いてあるアイデアをご自由に使って下さい」と言っているのと同じです。

 参考URLは以下のとおりです。
 http://www.jpaa.or.jp/care/songaisosyou-20021011/index.htm
 http://www.jpaa.or.jp/care/care2.html

(8)苦言?対応?

 「知的所有権登録」に基づいて個人が業者に警告を発する事例は、未だになくなりません。

 当のご本人は「知的所有権登録」という特別な権利を取得している気持ちになっているのかもしれません。
 非常に安い(そりゃそうです。番号をつけた厚紙1枚を発行するだけですからね。)わけですので、個人の方が飛びつき易いんですが、これに関与する方々が誤解のないように説明していれば絶対に防ぐことができるはずなんです。運営されている本部の方ではその点の誤解のないようには説明されている状況のようですが、末端にはいきわたっていないという状況なんでしょうね。

 警告を受けた業者が知的財産部門をもっているところであれば、「無視する」「丁重にアイデアを保護するような権利は存在していないことを説明してあげる」などの対応も可能なわけですが、そうでない中小零細企業の方々は「もしかして他人の権利侵害というとんでもないことをしでかしてしまったのか?」と焦ってしまうわけです。

 したがって、特許や著作権などよく分からないという業者さんは、ご自身でなんとかしようとしてはいけません
 身近に相談に乗ってくれる弁護士・弁理士がいらっしゃるのがいいのですが、いらっしゃらない場合には、弁護士会や弁理士会の窓口を利用されるのがよろしいかと思います。

弁理士試験

■弁理士試験に短期合格する秘訣は?
http://aigipat.com/faq/andSoOn.html#a_42

(かなり、いい加減なまとめ方ですが…)

勉強の方法論は別として、一番の秘訣は『言い訳をしない』これに尽きるかと…

勉強の方法論として、私が採ったやり方の一部を紹介します。
1)青本のような重たい書籍は法域別などのようにバッサリ分冊する
 これにより、持ち運び便利になり、電車の中でも簡単に勉強できます
2)書籍やレジュメなどは「きたなく」する
 きれいに使う必要はありません。どんどんペンで書き込み、削除し、使い倒しましょう。まさか来年も使おうなんて思っていませんよね?不合格を前提とした勉強なんて駄目ですよ。
 要するに、頭の中が整理されればいいのですから、書籍やレジュメを整理して満足してはいけません。
3)要らないものは購入しない、要らなくなったものは廃棄する
 ベテラン受験生をみていると、驚くほどたくさんの書籍・レジュメを持っています。でも、そんなに覚えられるはずもないです。物を持っているだけで満足していてはいけません。頭の中に入れられる分だけでいいのです。
 それに、既に分かっているものは捨ててしまいましょう(少なくとも常用リストからは除外しましょう)。
 持ち過ぎることはアクセス容易性を阻害し、勉強の効率が損なわれます。
4)知っているところは削除、分かったところは削除、古いところは削除、どんどん削除
 どんどん削除しましょう。鉛筆で×を分かり易くうっていけばいいでしょう。分かっているところをまた読むなんて非効率です。法改正などで古くなってしまったところは削除しましょう。勉強の邪魔になる情報を持ちながら勉強をするのは非効率です。
5)特に短答対策では付箋を活用
 最終手段は付箋勉強法です。ある程度勉強が進むと、不安なところ、分かっていないところが明確になってきます。そしたら、その部分にどんどん付箋を貼りましょう。
 付箋の数は1000個あってもいいでしょう。とにかく付箋を貼っていきます(例えば、試験直前の1ヶ月前程度からスタート)。
 後は、付箋箇所以外は絶対に見ないようにし、付箋箇所を繰り返し学習します。「よし分かった」となれば付箋を外す。この繰り返しで試験直前までに付箋の数を大幅に減らす。
 最後に残った付箋箇所は、前日に暗記し、試験当日だけ覚えておけばOK(ここまで残るものは論理的に考えても答えのでない変なものが多いし、再審などの些末なものが多いので、試験翌日には忘れてしまってOKというスタンス)。
 このやり方はとても効率的で、所内の受験生もこの方法を使っています。今のところ2名がこの方法を使い、2名とも1回目の受験で短答に合格していますよ!
(過去問は問題慣れ程度に考え、過去何年分もやってはいけない。予備校の短答講座・短答答練はマニアックになる可能性が高いので一切やる必要なし。と指導していますが、一応結果は出ています)

■弁理士試験補助制度

あいぎ特許事務所では、特許技術者(弁理士補助者)が弁理士になれるように「弁理士試験補助制度」を採用しています。
以下に概要を…

(1)補助期間は3年に限定しています。
 現状の弁理士試験では、方向を誤ることなく真剣かつ効率的に勉強していけば3年以内に合格することができるものと考えています(理想は2年以内)。
 また、そのような意気込みで勉強しなければ、不幸になると考えています。人生の大切な一時期を受験に費やすわけですから。
 知り合いのいる特許事務所では、期間を定めず受験補助をしているところもあるようです。でも、そこの実態を聞くと、受験を全ての口実にし、仕事も家族サービスも中途半端になってしまっている人が多いようです。
 人間、逃げ道があれば、そこへ逃げ込もうとする性質を多かれ少なかれ誰しも持っています。逃げてしまっているのに逃げていないフリをしてしまうのは本当に不幸なことです。
 だからこそ、期間を定めることが重要であると考えています(これは仕事も同じですね)。

(2)補助内容は、
論文・口述の試験前1wの特別有給休暇
受験用書籍購入費の全額事務所負担
論文答案練習費の事務所一部負担
受験交通費・受験宿泊費の全額事務所負担
などです。
 その他、事務所設備の受験用の使用も当然のこととして認めています。
 例えば、集まって受験勉強会を開催する場合の会議室の提供や、コピー機使い放題など。

国際特許等 外国関連

【世界特許?】
 2006/9/26付けで、米国がとうとう折れたような記事が新聞等各社で報じられていましたね(先発明主義から先願主義へ)。これで世界特許実現への第一歩となるのでしょうか?
 実は、米国は、10年以上前にも日本と先願主義への移行を約束していた筈なんですが、国会で×となった経緯があったと記憶しています(その後、一部で先願主義的取扱いができたんですが…)。今回も米国国内で反発があるんでしょうね。今後の経緯を見守りたいと思います。
 いずれにしても、一国で特許になれば翻訳だけで他国でも特許に……という条約は、時間はかかれど(10年以内かも、20年後かも、100年後かも…)いつかは実現するのではないかと思います。

 2007/7/18付けで米下院司法委員会が、2007/7/19付けで米下院司法委員会が、それぞれ特許法改正法案を承認した、との記事が報じられました。
 両委員会の改正法案の内容は若干異なるそうですが、先願主義への移行など、国際調和に向けた改正部分は共通しているようです。
 さぁ、今後、どうなるんでしょう…

 ※ただ、そうそう簡単には世界特許は実現できないでしょうね。まずは審査部門の共有レベルを徐々に上げることからスタートですね。

2008.1追記
2008/1/30付の日経ネットのニュースで、EPで特許制度統一が報じられました。
さすがEPは動きが早い。言語の壁が低いのとEPOのこれまでの実績とがあるからこそでしょうね。
こうなってくると、EU内の弁理士達は大変ですね。仕事が更に減りますもんね。
EPO設立時が第1波とすれば、今度が第2波ですかね。


【先使用権】
 「日本の特許公報が隣国に活用されている」→「技術流出」→「国益を損なう」→「出願件数を抑制しましょう」
というストーリーで、近年、特許庁が出願抑制策をとっているようです。
 ある部分はなるほどと思うところもありますが(強制公開制度は国内の技術力アップのためにバシバシ使ってちょーだい、でも特許になったら折角考えて公開してくれた人にご褒美として独占的に使わせてあげたいので暫く待ってね、という制度なのに、他国であれば待つことなくその場で使えてしまうんですもんね)、なんかこの時期にこのような話が出てくると勘繰ってしまうのは何故でしょう??
 審査が追いつかないから、なんとか出願抑制させる方法はないかな、的な会議でもあったのでしょうかね。

 で、なぜか「先使用権」にスポットライトが…
 これならば、秘密裏に事を進め、技術を公開していなくても、保護される『可能性』があるってことです。
 独占権よりも先使用権か???(ノウハウとの関係で検討すべき事項ではありますが…)

 それに、そもそも先使用権なんて考えている方が、よほど事業者にとっては不利益ではないでしょうか?
 本当に先使用が認められるか、現場で取引メモや伝票類など色々と検討した経験が何度かありますけど、結構大変な作業ですし、そもそも先使用権があると確信をもてる状況はそう多くありません。何よりも、引メモや伝票類などを片っ端から必死になってかき集めておられた知財担当者の方のご苦労を考えると…
先使用権の立証は、細かい証拠の積み重ねによるものが殆どであり、その労力は半端なものではありません。労多くして実り少なしです。
 マイナーチェンジはどこまで許されるの?という問題もありますよね。
 先使用権があることと何してもいいこととは違います。
 実際、他人の出願時点で実施又は準備していたものと同一性があればいいとか、同一性ってよくわかりませんよ、って話だと思いますよ(この同一性の問題がかなりネックになる)。
 先使用権は、一部の例外を除き、「失敗(出願又は公表すべきだったのにしなかったため、他人に特許をとられてしまった)」したときの救いの一手くらいに考えておかないと。。。

 ちなみに、当事務所では、「先使用権」を考えなければならないような事態が発生した場合、知財戦略を見直すべき(発明者が勝手に進歩性を判断してはならない ∵発明者が考える進歩性と特許庁・裁判所が考える進歩性とは乖離している)というスタンスでおります。 

その他いろいろ

以下、各項目に該当しない話を、何の脈絡もなく…

■訴訟について

私自身、審決取消訴訟には10件以上、代理人として直接関与しました。
また、侵害訴訟には直接補佐人としては関与していませんが、侵害訴訟の原告の特許技術面からのアドバイザーとして関与した経験があります。
これらの経験で感じたことは以下のとおりです。

1)正直言って、訴訟は、審判と比べてかなりの時間ロス
 弊所は名古屋ですから、知財高裁や東京地裁(どっちも同じビル内ですけど)に足を運ぼうとすれば、片道2時間かかります。遅れてはいけないので、正味で往復4時間半は費やす計算です。
 ところが、準備手続の多くは1〜5分程度、長くても30分以内に終わってしまいます。
 なんでしょうかね、この無駄な時間は…。
 ベテラン弁護士・ベテラン弁理士に聞くと、これでもよくなった方だとのこと。
 準備手続で何をやるかというと、集まって提出書類の確認(内容ではないですよ、単に準備書面提出しましたよね。このとおりでいいですよね。的な話)をして、次の集まる時間割を決めるって感じです。
 何も1日つぶしてこんなことやらなくてもいいのに、と思っているのは私だけではないでしょう。
 でも、たまに突然、技術的な質問をされたり、細部の質問が飛んでくることがあるわけです。
 そんなこんなで、準備手続前には代理人としてはかなりの準備をするわけですが、この準備なんておかまいなしに電話一本で済むようなことが90%という感じなんで、私どもとしては「影で」時間をかけて予習した結果が「現場で」殆ど生かされないという点にかなりの非効率さを感じているわけです。
 手帳1冊持っていけば済んだ話なのに、日当やら交通費やら検討料やらを請求するのは気が引ける。。。
 他方、特許庁の口頭審理は本当に効率がよいし、密度が濃い。事前準備をしっかりしたことに対して余りあるほど審判官はよく事前検討してくれている。そのため、請求人側も被請求人側もその日を照準に合わせてしっかり準備する価値がある。
 裁判実務は司法の世界なので私にはなぜあのような非効率な流れで長時間かけるのかよくわかりませんが、せめて当日は何をやる予定であり、当事者・代理人は何を準備しておくべきかを予めお知らせ頂けるとうれしいかと…(せめて、今回は次回期日の調整とそれまでの準備書面提出期限の設定だけですというようなお知らせがあれば…)

2)…次のテーマはまたそのうち…

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