食べていいの?立体商標

 動物の形を模した食べ物って、ちょっと食べるのを躊躇しませんか?かわいいわんちゃんの臀部か頚部か頭部か、どこから食べるべきか…と悩んでしまうのは私だけでしょうか。

 ところで、つい先日、ひよ子の形を模した饅頭の立体商標の登録が無効となった事件がありました。マスコミでも随分報道されたので、ご存知の方も多いと思います。

 この登録商標は、商品の形状自体が立体商標として認められたものとして非常に珍しく、当初から話題となっていました。それまで、商品の形状とか容器の形状等を立体商標として出願しても、殆ど登録が認められていなかったからです(例えば、サントリーの角瓶の形状とか、ヤクルトの容器の形状とか)。

 実際、ひよ子ちゃんも、審査では「商品に採用し得る一形状を表したものにずぎないから、商標としての識別力がなく登録できません」といった理由で拒絶されました。でも、それに対する審判を請求して「この商標はこれまでに大々的に使用していて広く知られているので、識別力は十分ですと主張したことが受け入れられて、登録が認められたのです。

 ところが今回の裁判では「確かに包装用紙等に記載された文字の『ひよ子』は広く知られているけど、形状自体は全国的に周知とはいえず、識別力を獲得したとはいえません」という理由で、登録が無効となりました(なお、無効になったのは、ひよ子の商標権者が他の製菓会社を商標権侵害で訴えたところ、その対抗として無効審判を請求された、という経緯からです)。

 
商品の形状とか容器の形状自体が立体商標と認められるには相当ハードルが高い、ということが再認識される事件となりました。よほど変わった独創的な形状でないと認められにくい、ということでしょうか。

 なお、形状に文字や図形が付いていれば、もちろん登録は可能です。でもその場合、商標として認められるのは、識別力が認められた文字とか図形ということになりますが…。
 例えば、ひよ子ちゃんの背中に「ひよ子」とか書かれていたら、かわいさ半減ですかね?


 本日はこの辺で。
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