「本生」は商標じゃないって(理由その1)

 さて、原告アサヒビール(株)が「本生」の商標登録をするように裁判で争った理由です。

 「理由その1」:商品の品質(内容)をそのまま表すものでない。
  ・「本生」という言葉は辞書や辞典等に載っていないし、慣用的にも使用されていない。
  ・「本生」は造語である。新聞記事で「本生わさび」等の掲示例があるとしても、間接的な表現で宣伝広告したもので、商品の品質を表示する語として普通に使用されているとはいえない。
  ・過去に「全生」とか「純生」等の商標登録例があることに照らしてみても、「本生」は出所表示機能を有する。
  ・「本生」の字体からして外観上の特徴があり、出所表示機能を有する。(→外観上の特徴は
こちら

 これに対する裁判所の判断
  
・確かに「本生」は、辞書や辞典等で普通に使用される言葉としては載っていない。でも、新聞記事やインターネットHPでは使用例が少なくない。
  ・「本生」という言葉は、ビールや日本酒の他、各種食品分野でも比較的広範に用いられている。で、ビールや日本酒の分野では「加熱殺菌していない本格的なもの」といったような意味を持つ語として認識され使用されているようだ。
  ・外観上の特徴といったって、特殊文字として注目されたり強い印象を与えたりするものでもない。こんな感じのデザインはインターネットHPや過去の商標登録例でもたくさんあり、特徴的とはいえない。
  ・以上より、「本生」は、発泡酒の需要者にとって、単に商品の品質を表したものと認識され、識別機能を果たし得ない。

 ということで、原告の主張する「理由その1」は認められませんでした。

 「理由その2」は次回にて。

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