「ウィルスバスター」の商標権、もともとそうだったの?

 「ウィルスバスター」といえば、トレンドマイクロ社の有名なウィルス対策用ソフトですね。
 2008年バージョンの不満といえば、迷惑メールを自動削除してくれなくなったこと…。
 これについてはネット上でも不満を述べておられる方が散見されます。自動削除機能、復活してくれ~

 さて、トレンドマイクロ社よりも前に「ウィルスバスター」の商標権を持っていた会社がいたのですね(指定役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」)。今では消滅したようですが…
 この会社、「ソフト(商品)」についても「ウィルスバスター」で出願したようですが、『商品の品質をそのまま表す言葉と認められる』として拒絶理由が通知されたようです。
 だから、指定役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の商標権だけしか持ってなかったのですね。

 一方、トレンドマイクロ社も、現在所有している登録商標「ウィルスバスター」(指定商品「電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体」)の商標出願をした当時は、『コンピュータウイルスを撃退するためのソフトウェアだろうと理解させるにすぎず、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める』として拒絶理由が通知されたようです。
 その後、反論した結果、登録になったようですね。

 これらの事実からわかることは、もともと「ウィルスバスター」という言葉は、コンピュータ関係の商品や役務に使っても、商標としての識別力が弱いと判断されていた、ということです。

 …まあ、そうともいえますか…?
 でも、反論して頑張ったら登録になったわけだし…。

 もちろん、今では「ウィルスバスター」は著名となっているので、商標としての識別力はアリアリですね。
 このネーミング、商品が何を狙ったものなのかぱっとわかる&覚えやすいという意味で、反論して成功した事例だと思います。

 (ちなみに、これは結構有名な判例からネタを取っていますが、この判例の争点はもっと違うところにあります。興味のある方は「東京地裁H11.4.28判決」をご覧下さい。…といっても裁判所の「判例検索システム」では出てこないんです…すみません)

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