アメリカのクマさん

<平成19年(行ケ)第10341号審決取消請求事件>(判決文はこちら

 商標権を取得すると、ライセンス契約(実施権許諾契約)を結んで他人に登録商標を使わせてあげることができます。
 ただし、ライセンスを許諾したら、相手(ライセンシー)がきちんと使うように監督義務があります。
 
 ここで、“きちんと使わない”というのは、例えば、登録商標にビミョーにアレンジを加えて、商品の品質等をだまくらかした感じで使うとか、他人の商標と混同させるような感じに変形して使うとか。

 もしライセンシーが商標を“きちんと使わない”ことが認められると、なんと!商標権者の登録商標が取消されてしまうのでした。そんな例を以前にもご紹介しました(例えばこちらやこちらやこちら)。

 今回ご紹介する事件も、ライセンシーが使っていた商標が、他人(原告)の使用商標と混同させるようなものだということで、商標権者(被告)の登録商標を取消す請求がなされました。

 事件の概要は、以下のとおりです。

 まず、商標権者(被告)が持っていた登録商標は次の2つ。
 (1)「USABEAR
    アズエーベー」
 (2)
 

 そして、ライセンシーが使用していた商標は次のもの。
 商標権者(被告)の登録商標(1)(2)をうまく組み合せアレンジしてるような感じ?  
 (3)
 

 
 
一方、今回の事件で「ライセンシーが使用している商標は、うちの使用商標と混同を生じるので、商標権者の登録商標は取消し!」と訴えた原告の使用商標は次のもの。H8年頃から日本で使われていたとのことです。

 (4)
 
 
 まず、商標権者(被告)が持っていた登録商標(1)ですが、この事件とは別に、既に取消されていました。
 登録商標(1)は二段併記ですが、ライセンシーが上段の「USABEAR」しか使っておらず、原告の使用商標と混同を生じさせるような使い方をしていたと判断されたようです。
 
 今回の事件は、登録商標(2)が取消せるかどうかが問題となりました。

 …ここまで書いたら力尽きました…ここから先は、次回のお楽しみということで。
 
 ちなみに、Bear商標(くまさん商標)については他にも話題となった事件もありましたので、次回はそちらも絡めてご紹介します~
 
 
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