単品を寄せ集めてコースに

 昨日の続きです。
 
 もう一度、審判請求人が取り消しを求めた指定役務を見てみます。請求に係る役務は、第35類のうち、
 「広告,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,広告用具の貸与」
 でした。

 そして、商標権者が使用していた態様は、こんなものでした(昨日の記事へ)。
 
 この使用態様から、裁判所が『商標を使用していたね』と認定した役務は、「商品の販売に関する情報の提供」です。
 つまり、『
音楽CDは株式会社スーパースィープが製作,販売するものであり,ゲームソフト「ロックマンエグゼトランスミッション」「ストリートファイターEX plus α」についても株式会社カプコンが販売するものであるから,これらに関する情報の提供は他人のために行う役務ということができ,「商品の販売に関する情報の提供」に該当するものと認められる。』ということでした。

 さて。
 商標法50条2項では「…3年以内に日本国内において…のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについて…使用をしていること…」と定めております。
 ですので、例えば請求に係る役務がA,B,Cでも、そのうちAだけの使用を証明できれば、取り消しを免れるのでありますね。
  
 このことを、小野昌延先生は、
 『取消審判を請求する単位としての指定商品(指定役務)は、出願人が定めた指定商品の範囲で、審判を請求する者が自由に定めることとするが、その定めた指定商品は一単位であり、したがってその審判の請求も一個であるとの構成をとる
 と言っておられます(「注解商標法」)。

 つまり、メニューの中から好きな単品を選べるけど、選んだ結果は一つのまとまりになってコースになるってことですね(?いまいちな比喩?) 
 
 それで、今回の事件では「商品の販売に関する情報の提供」の使用が認められたので、登録取消審決が取消されることとなったのでした。

 う~ん、今日はいまいちな比喩でしたが、懲りずに次回も見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
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