きっと「アイ」

 皆さん、ほんとにお休みなんですね…。寂しいです。
 おまけに、昨夜のドラゴンズの試合、また痛すぎました。
 すっかり黄昏モードです。

 ひっそりと前回の続きを。

 前回は、本願商標「I-LUX」が引用商標「Eye Lux」と類似と判断され、本願商標は4条1項11号に該当するという審決に対し、出願人(原告)が提起した審決取消訴訟のハナシでございました。審決は、結果的に、裁判でも取消されなかったのでした。

 そして、前回のクイズは、
 「原告(出願人)は、この裁判の中で、本願商標の認定の誤りとしてどんな理由を挙げたのでしょう?」
 でした。

 答えとして、原告の主張を引用いたします。

 『(1) 本件審決は,本願商標が「アイラックス」,「アイルクス」又は「アイルックス」の称呼を生ずることを前提として,本願商標は引用商標が外観において相違し,観念において比較することができないとしても,称呼において相紛らわしいものであるから,両商標は互いに類似すると判断したが,誤りである。
 (2) 本願商標の左端の斜め帯状部分は,「Lux」の欧文字よりも2ないし3倍も長く,かつ,太く見えるものであるから,本願商標の指定商品に係る需要者は,同帯状部分をアルファベットの「I」と認識することはできない。また,その横の「-」についても,これを常にハイフンであるということはできず,「マイナス」の表記であることもあるし,何ら意味を持たない付加部分である場合もあるから,需要者は本願商標の「-」をハイフンであると認識することもできない。
 (3) 以上によると,本願商標が「I-Lux」であることを前提として,本願商標から「アイラックス」等の称呼が生ずるとした本件審決の認定は誤りであり,これを前提とする本願商標と引用商標の類否についての判断も誤りであるから,本件審決は取り消されるべきである。

 ご想像どおり、「I」はアルファベットの「I」とは見えん、「-」もハイフンと見えん等、だから「アイファックス」等の称呼は生じん…との主張でした。

 が、しかし…

 実は、原告は、審査・審判段階で、
 『本願商標は,「I-Lux」の文字を図案化して横書きで表したもので,…その文字列のとおり「アイラックス」,「アイルックス」又は「アイルクス」と称呼される一種の造語である。
 『本願商標「I-Lux」の称呼は「アイラックス」である。
 『本願商標は,文字「I-Lux」と黄色い楕円が一体化された商標であり,その文字列のとおり「アイラックス」,「アイルックス」又は「アイルクス」と称呼される一種の造語である。
 と主張していたのでした…(判決文5~6頁)。

 こういった事実も勘案されて、裁判所のあのような判断(前回の記事をご参照ください)となったのでした。

 うう、皆さんが休みだと独り言みたいで寂しいので、本日はこの辺で…。
 また見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
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