窒息よりも墜落でお願いします

<平成21年(行ケ)第10141号審決取消請求事件>(判決文はこちら
 
 バタバタした日が続いてちっとも落ちきませんが、「だが屋」には優先権主張をかけてしまう私。だって、東京や大阪に負けとれんに、「名古屋はやっぱり乗り悪い~」とか言われると悔しいがー。というわけで、本日「だが屋」にご参加される皆さま、楽しみにしております。&今回ご参加できない皆さま、またお会いできることを楽しみにしています!

 さて、本日は久しぶりにマトモな(?)商標のおハナシです。

 唐突ですが、皆さん、海中で窒息するのと、山の岩壁から墜落するのと、どちらがお好きですか?
 あ、間違えました、どちらがマシと思いますか?

 私は断然、墜落派です。
 だって、窒息って、想像するだけで苦しそう…(&ミニ墜落なら普段やってます、岩登りで。)

 で、それが何? 
 …本日取り上げようとしてる登録商標が「DEEP SEA」なので、つい…。
  
 この登録商標(登録第4146855号)は、不使用取消審判が請求されて、取消審決が出されたものであります。
 それで、商標権者がその審決の取消しを求めて提起したのが、本日の審取請求事件でございます。

 取消審判の請求人(つまり裁判の被告)は、ロレックスの会社ですが、ロレックスにも「DEEPSEA」というブランドがあるのですか?(ロレックスに縁がないのでいまいち自信なし)。

 商標権者(つまり裁判の原告)の販売に係る腕時計(指定商品に含まれています)は、ELGIN INTERNATIONALというブランドのものらしいのですが、文字盤にはこんな風に表示されてたみたいです(2段目の「AOUTOMATIC DEEPSEA」だけ赤で表示されていたらしいです)。 

WATER RESISTANT
  AUTOMATIC DEEPSEA
  660ft=200M
    DATE

 審決では、商標権者の販売に係る腕時計(指定商品に含まれています)の文字盤に表示された「DEEP SEA」が、自他商品識別標識として使用されているものとは認められないから、50条1項にいう「使用」とは認めることができない、という理由で、取消されたのでありました。
 『当該上下4段書きした各文字中2段目の「AUTOMATIC DEEPSEA」の後半の「DEEPSEA」の文字が、その下段の水深を表した「660ft=200M」と相俟って、水深200メートルの深海においても使用できる機能及び主な仕様表示として認識されるものであり、実際の商取引に資されるものとみるのが自然である。
 
 水深200メートルって…ジャックマイヨールも顔負けです。
 一体どんなシチュエーションでそんな深海に潜るの?
 などというシロートの素朴でアホな疑問をよそに、裁判で争点となったのは、当然ながら、主として「本件商標は自他商品の識別標識として使用されているか否か」でございました。

 さて、裁判所はどのように判断したのでしょう?
 
 ちなみに、原告は、「AOUTOMATIC DEEPSEA」だけ赤で目立つように表示されていたとか、防水機能・耐水機能を示す表示は普通「WATER RESISTANCE」「WATER PROOF」等だろー等などと主張しておりました。
 ヒントになりますか?

 続きは次回のココロなのだ~
 また見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
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この記事を読んでひろた興味を持たれた方は…

【執筆記事】
  「知財産管理」誌 VOL.58 NO.5
  (「腸能力」審決取消請求事件(平成19年(行ケ)第10042号 審決取消請求事件)

【関係事件】
 代理人になった事件です。負けたのでご紹介するのをためらっておりましたが、思い切って…。
 平成18年(行ケ)第10367号審決取消請求事件
 なお、牛木理一先生のHPで紹介いただいているので(「特許ニュース」2007年6月29日号の記事です)、そちらも併せてご覧ください~(こちらのB-27の項です)。

【ZIP FM Z-TIME BIZ】
 ここのフォトギャラリーになぜかわたくしが。
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