「AB」も「A&B」も登録された

<平成22年(行ケ)第10006号審決取消請求事件>(判決文はこちら
<平成22年(行ケ)第10099号審決取消請求事件>(判決文は
こちら

 第10006号事件は無効審判審決の取消請求事件で、第10099号事件は53条取消審判審決の取消請求事件でございます。原告さんも被告さんも同じで、本件商標も同じですので、併せて取り上げさしてもらいます。

■それで、まずは第10006号事件(無効審判審決取消請求事件)の方を中心に。
 
○最初に、関連する登録商標を出願日順でご紹介。
 
(1)原告さんの登録商標です(指定商品「化粧品」)。本件での引用商標の一つです。他M社さんから譲渡されたもの。
 出願日H7.5.18、登録日H14.11.15(下記他L社さんが申立てた付与前異議や拒査不服審判で登録が遅れた模様)。

 
(2)被告さんの登録商標です(指定商品「化粧品」)。無効審判請求の対象となった本件商標
です。他L社さんから譲渡されたもの。
 出願日H8.5.14、登録日H9.10.24(なお、上記他M社さんが別の無効審判を請求したけど無効にならなかった模様。また、冒頭で紹介したとおり、53条取消審判審決の取消請求訴訟が提起されています)。

(3)原告さんの登録商標です(指定商品「化粧品」)。本件での引用商標の一つです。これも他M社さんから譲渡されたもの。
 出願日H8.12.24、登録日H10.6.19(なお、3条1項3号等該当を理由に無効審判を請求されたけど無効にならなかった模様)。
 

 なお、原告さんは、上記(1)(3)と同じ構成の商標を、S62年2月頃から本件化粧品について使用していて現在まで継続して使用している、と主張しています(判決文4頁)。

○今回の無効審判は原告さんが請求人でした。
 (2)の本件商標に対して、原告さんの登録商標(1)(3)やその他の使用商標を引用して、
4条1項15号、19号該当を理由に請求しましましたが、請求が認められず登録無効にならなかったので、そおn審決の取消しを求めて訴訟を提起したのでした。

○さて、素朴な感想ですが。
 本件商標(2)は「Virgin」と「Pink」の間に「&」が入ってる構成ですけど(1)と非類似と判断されたんだー。
 で、(3)は(2)と非類似と判断されたんだー。
 ((2)も(3)も拒絶理由通知なしの一発登録)

 「&」の有無対決で思い出されるのは、「ラブandベリー事件」だなぁ(H17(ワ)第18156号。もっとも侵害訴訟でしたが)。
 
 「ラブandベリー事件」では、
 原告さんが「LOVEBERRY」という登録商標を有していたところ、
 被告さんが「LoveandBerry」とか「LOVE&BERRY」とか「LOVE&/BERRY」などなど、色んな表示で使ってらした事件でした(間に「★」やら「♥」
が入っていたのもありました)。
 

 「ラブandベリー事件」は侵害訴訟の事件ですし、欧文字の共通性や書体等の類似性も違いますし、上記文字と一緒に表示していた「おしゃれ魔女」の文字やらキャラクターが周知だったという取引実情もあったし、今回の事件と同列に考えることはできないことはわかっております。

 でも、でもね、原告さんの「LOVEBERRY」登録商標と類似と判断されたものの中には、
 「LOVE&BERRY」
 「LOVE★BERRY」
 「LOVE♥BERRY」
 というものがあったでございましたね。
 あくまで参考ですけどね、わかってますよ、わかってますけど…。

 まあ、今回の無効審判審決取消訴訟では、除斥期間(商47条1項)の問題もあり、4条1項11号該当性の有無(原告さんの(1)の登録商標と本件商標(2)の類否)が問題になったりすることはなかったんですけどね…。
 ちょっと気になっただけです。
 (→でも4条1項19号の関係で判決文の最後にちょっと触れられてたりするので、次回ちょっぴり触れます)

○では、本題の4条1項15号、19号該当性の有無についてです。
 と思いきや、本日は本題に入る前にここでおしまい。(マジで?)

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