商標新着審決【50条等取消系】【その他】【3条1項各号(&4条1項16号)・2項系】

 はぁ~昨夜も飲んだ飲んだ、今夜も飲みますよ!
 さて、金曜日、商標の新着審決をご紹介する日です。張り切っていってみよー!


■■■商標新着審決【50条等取消系】


●取消2008-301272
本件商標
指定商品:第30類「パン」等
「ノーブル」(縦書き)

使用商標
パンについて使用
「ノーブルパン」(横書き)

本件商標(登録第256113号8)は不使用とされず登録は取消されませんでした。
*登録商標と使用商標の同一性: 『使用商標は、…本件商標とは縦書きに対して横書きである点及び「ノーブル」の文字に対して商品の普通名称である「パン」の文字が付加されている点が相違するが、これらの変更使用によっては本件商標の商品の出所表示機能の同一性に影響を及ぼすものではなく、いずれも本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。


■■■【その他】


●不服2009-7146
本願商標
指定商品:第9類「デジタルカメラ並びにその部品及び附属品,音声又は映像の記録用機械器具並びにその部品及び附属品,デジタルオーディオプレーヤー並びにその部品及び附属品,デジタルオーディオレコーダー並びにその部品及び附属品」等
「GAUDI」

本願商標(商願2008-5630)は4条1項7号に該当すると判断されました。
*商標の構成: 『故「Antonio Gaudi(アントニオ ガウディ)」は、スペインの建築家として我が国において一般に知られており、同故人は、「ガウディ」の略称をもって、一般に紹介されていることが認められる。しかして、本願商標は、上記のとおり、「GAUDI」の欧文字を書してなり、該文字は、「ガウディ」の称呼を生ずるところ、かかる発音から、上記略称を想起するほかに、特定の意味を有する親しまれた語が見いだせないことからすれば、「GAUDI」の欧文字に接する取引者、需要者は、同故人の略称を表したものと理解、把握するとみるのが相当である。
*請求人の関係: 『請求人と同故人との関係についてみるに、両者が何らかの関係を有する者であると認め得る証左はなく、また、当該略称の出願や登録に関して、同故人の遺族等から何らかの承諾等を得た者であるともいえないものであるから、請求人は、同故人とは何ら関係を有することのない者といわざるを得ない。』
*公序良俗違反の有無: 『本願商標は、指定商品の取引者、需要者に故「Antonio Gaudi(アントニオ ガウディ)」の略称を表す文字よりなるものと容易に認識させるものであるから、遺族等の承諾を得ることなく本願商標を指定商品について登録することは、著名な死者の名声に便乗し、指定商品についての使用の独占をもたらすことになり、故人の名声・名誉を傷つけるおそれがあるばかりでなく、公正な取引秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものとして、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるといわざるを得ないものである。


●無効2009-890061
本件商標
指定役務:第36類「クレジットカード利用者に代わってする支払い代金の清算,資金の貸付け及び手形の割引」等


請求人(Citibank N.A.)使用標章
金融業務等及びこれらに関連する役務に使用
「CITI」、「Citi」、「Citi」

本件商標(登録第4776711号)は4条1項8号に該当すると判断されました。
*商標の構成: 『本件商標は…その構成態様から「CITIX」の文字部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすものと判断するのが相当である。
*引用標章との関係: 『「CITI」、「Citi」が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、請求人及びCitibankの著名な略称として、本件商標の指定役務の需要者を含めた我が国の国民の間で広く認識されていたものであることは、上記1(3)の認定のとおりである。』『、「CITI」、「Citi」の語が、「都市、都会」の意味をする平易な英語「city」とは異なる特異な創造語であること、本件商標の「CITIX」の文字部分は、看者の目を引く語頭から4文字が「CITI」の文字であって特定の観念を有しない造語であることを合わせみれば、取引者、需要者は、本件商標の構成中「CITIX」の文字中「CITI」の文字部分に強く注意を引かれ、かつ、印象づけられ、これより請求人及びCitibankを想起又は連想するものと判断するのが相当である。』
*4条1項8号該当性: 『本件商標は、請求人及びCitibankの著名な略称「CITI」を含む商標というべきであり、請求人等の承諾を得たものと認めることができないものである。

なお、本件商標は、請求人使用標章との関係で4条1項15号にも該当すると判断され、一方、引用商標「CITIFX」(登録第4556257号)との関係では4条1項11号には該当しないと判断されました。


■■■【3条1項各号(&4条1項16号)・2項系】

●不服2008-23601
本願商標
指定商品:第16類「紙類,文房具類,印刷物,書画」
「出生証書」

本願商標(商願2008-1234)は拒絶すべきものと判断されました。
*商標の構成: 『該構成中「証書」の文字は、「事実を証明する文書。公正証書・私署証書、公文書・私文書などの別がある。証文。証状。(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)」を意味する語である。
*一般使用の事実: 『前記第3の証拠調べ通知の2.、3.のとおり、ある事実を表す語に「証書」の語を結合させ、「○○を証明する文書」の如き意味合いで「○○証書」と使用されており、かつ、「出生証書」の語が、「出生の事実を証明する文書」を表すものとして普通に使用されている実情が見られる。』(←インターネット・新聞等の証拠調べがなされています)


●不服2008-19283
本願商標
指定商品:第29類「乳飲料」
「ミルーク」

本願商標(商願2007-109776)は拒絶すべきものと判断されました。
*商標の構成: 「ミルク」の表示については次のような規制があるようです→『「ミルク」の語を表示する場合は、消費者・需要者による混同を防止し、飲用乳業界の公正な競争を確保するためにその表示方法について規制がある
 この規制を前提として、次のように認定されました→『「ミルク」の語よりは「牛乳」あるいは「ミルク」であることの意味を認識させ、また、「ミルク」の語を表示する場合には、その商品の内容、成分、品質等について規定されているところであり、その使用に際しては厳格に判断して行わなければならないものである。
 そうとすれば、そのように使用が規制されている「ミルク」の語に長音を挿入したにすぎない本願商標に接した場合、取引者、需要者をして商品「乳飲料に規定されるミルク」の意味を容易に認識させるものと認められる。


●不服2009-15664
本願商標
指定役務:第36類の役務
「PEMBROKE\ペンブローク」

本願商標(商願2007-114523)は登録すべきものと判断されました。
*商標の構成: 『イギリス、ウェールズ南西部、ディフェード州南西部に存する都市名であることは窺い知れるものの、該都市名が我が国において一般に広く知られているとはいい難いばかりか、該文字は、「カナダ南部、オンタリオ州南東部の町。オタワ川上流のアリュメッテ湖南岸に位置。」(コンサイス外国地名事典第3版 三省堂)、あるいは「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(犬種)」の略称といった複数の意味を有していることも窺えるものである。
*一般使用の事実: 『当審において職権をもって調査するも、「PEMBROKE」及び「ペンブローク」の文字が、本願の指定役務に関連する業界において、役務の提供地(取引地)等を表示するものとして取引上普通に用いられている事実も見いだすことはできない。


●異議2010-900014
本件商標
指定商品:第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類」
「PURE FRESH」

本件商標(登録第5273194号)は登録維持すべきものと判断されました。
*商標の構成: 『構成中前半の「PURE」の語は「不純物のない、純粋な、他の物を混ぜ合わせない」等を、同後半の「PURE」(←ママ)の語は「できたばかりの、新鮮な、ざん新な」等の意味を有する英語であるとしても(ともにプログレッシブ英和中辞典 1994年2月10日 第2版第21刷 株式会社小学館発行)、「PURE」と「FRESH」を結合して一連に「PURE FRESH」と表した語が、請求人が主張するような意味合いを直ちに認識させるとはいい難いものである。
*一般使用の事実: 『申立人の提出に係る甲第1号証によっても、異議申立に係る指定商品との関係で、「PURE FRESH」の文字が、申立人が主張する如きの意味合いをもって、その商品の品質等を表示するものとして普通に使用されている事実を見いだすことができず、また、他に申立人の主張を認めるに足る証拠の提出もない。


●異議2009-900447
本件商標
指定商品:第3類「化粧品」
「AUGEN」

本件商標(登録第5261895号号)は登録維持すべきものと判断されました。
*商標の構成: 『該文字は、「目」を意味するドイツ語の「Ange」の複数形「Augen」(「新アポロン独和辞典」 2009年4月1日 株式会社同学社発行)と同一のつづり字からなるものと認めることができる。そして、登録異議申立人の提出に係る甲第1号証によれば、ドイツで製造された化粧品が日本語のウェブサイトで紹介、販売されていること、そこで販売されているドイツ製の化粧品には、ドイツ語による説明文に日本語の訳文が付記され、例えば、「AUGENMASKE」の文字について、「アイマスク」との訳が付されていることなどを認めることができる。
*一般使用の事実: 『ドイツ製の化粧品に付された「AUGENMASKE」なる文字について、「アイマスク」との訳が付されているとしても、これは、そもそもドイツ語が我が国の化粧品の分野の需要者に広く親しまれている語とはいえない事情があるからであって、「AUGEN」の語に接する化粧品の分野に係る需要者が、これから「目」の意味を理解し、ひいては「目の周辺に使用する商品」といった、特定の商品の品質、用途を表示するものとして認識するとは認めることができない。
 ほかに、「AUGEN」の語が、「目の周辺に使用する商品」の品質、用途等を表示するためのものとして、本件商標の登録査定時に、我が国の化粧品の分野において、取引上普通に使用されていたと認めるに足る証拠はない。


 本日はこの辺で。ここまで読んでもらえたらぷちっと押してね…じゃないと書いた甲斐ないから…
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  また、判例・新着審決・最近の話題は、“ホットなうちに”スピード重視でご紹介しておりますので、読み間違い・勘間違い・理解間違いがあるかもしれません。疑問を感じられたらご一報いただけるとありがたく存じます<(   )>

コメント

  1. Unknown
    今週は全てが妥当な感じですね。
    ガウディはダリ事件の再来ですね。
    ガウディがダメなのに竜馬が登録されてるのはやっぱりおかしい。
    語尾の「ックス」とか、英単語2つの結合商標とか、実務でよく扱いますが、この方向で固まってくれれば、こちらもやりやすいです。

  2. Unknown
    シェンムーさん、コメントありがとうございます。

    歴史上の人物についての4-1-7の基準が明確化されたのはH21でしたっけ?以前より拒絶されることが多くなるのでしょうね。

    ちなみに、ここで取り上げる審決は自分の独断と偏見でピックアップしているので、スタンダードなものかどうか保証しかねますことをご了承ください(笑)

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