図形の検索システムを斬る!(商標、意匠、著作権)No.1-Plat-Pat 図形等商標検索

ここんとこ東京出張ばかりしておりまして。新幹線の中でPC見るのはちょっとつらいけど(切羽詰まっているときのみ)、ブログならスマホで書けるので、更新のきっかけにはちょうど良い時間です。
さて。前回の記事(「商標調査は「ちょろい」のか?」)は思わぬ大きな反響がありまして。皆さんどんな気持ちで眺めていたのか興味深いです。ひとそれぞれ、色んな感じ方があったとは思いますが…
で、今日も、調査のハナシ。
いま、知財業界でアツい?
図形 調査
を取り上げようかな、と。
図形は商標に限らず、意匠も著作物?も関係あるので、全部ひっくるめて、一気にご紹介。
無料で利用し得る検索システムあれこれ(コード検索系、ターム検索系、画像検索系)について、
「ここがGood!」
「ここが残念!」「ここが落とし穴!」
な観点で触れていきたいと思います。
サンプルとして、未だネット上で学習されていない ひろた 画伯 オリジナル創作の アーティスティックなこの図形を使用いたします。
(※アートすぎて、何を表しているかわからない方のために、答えを一番下にご用意いたしましたが、まずは、答えなしで考えてみてください~)
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では、最初は、商標としての検索から。
■図形商標検索
(当然ですが、商標としての検索の場合、商品・役務の選択が正しくできていることが前提です。商品・役務の選択にも専門知識が要りますが、今日は割愛。)
(1)Plat-Pat 図形等商標検索
言わずと知れた
プラパの図形商標検索システム
が、無料検索システムとして、最もポピュラーですね。
今のところ、国内商標を日本語で検索できる無料の最強ツールです。
このシステムでは、ウィーン分類によるコードのみが、検索の手掛かりです。
特許のようにターム検索でバックアップできるとかってもんじゃないです。
もう一度、いいます。
ウィーン分類によるコードのみ が、検索の手がかりです。
だのに。
このコードが曲者。
まず、調査対象となる図形につき、該当するコードが何になるか、「独断と偏見で」決め打ちせねばなりません。
ひろた画伯の 深遠なるアートには、いったい何のコードが該当すんの?
長方形の枠の中に、バーバママが倒れたような形のものと、楕円の二重丸と、湾曲六角錐的な先っちょが尖った形のものと。
長方形のコードは26.4.2、楕円の二重丸は26.1.4ってのは、比較的わかり易いです(が、これらのコードはあまりにポピュラーなので、大量ヒットは間違いなし)。
バーバママが倒れたような形のものと、湾曲六角錐的な先っちょが尖った形のものは、頭を捻らんといかんですね。
コードを決められたとして、ここからも問題が。
ウィーン分類は、大分類→中分類→小分類 という階層構造を取っているので、
理論上、小分類のコードのAND条件がたくさんあればあるほど絞り込めますね。
…のはずですね。
んが。
そうは問屋が卸さないのが痛いところ。
そもそも前提条件となるコードの付与が。
DBに蓄積されている図形商標のコードが、一定の基準で きれーに統一されて付されていると思ったら大間違い!
似た系統に思える図形商標群でも、各商標に全然違うコードが付いとるのを発見することは しょっちゅうです(というか、同一権利者の同じ図形商標でも、いくつか登録されてると、それぞれなぜこんなに違う?みたいなケースもしばしば見かける)。
ここの「3」に、そういった問題が指摘されています→より高度な図形商標検索システムに向けて
 『商標解析は、個々の解析者の連想、記憶、経験則に依拠して行うことが多いため、環境、慣習等種々の条件により、図形要素の捉え方が大きく変わる場合もあり得る。そして、このような認識のずれに伴って、図形分類の付与にばらつきが生じる可能性があり…
ひろた画伯作の図形のように、複数の構成要素に分解できるときは、分解できた数に応じたコードが付くことが予想されますが、
複数コードが付いてる似たような図形商標同士でも、付いてるコードが全部違ったりすると、AND条件ではどちらの商標もヒットさせるということができないっす(実際、そういう事例に当たったこともあります)。
つまり、どちらも商標についても、少しでも「かする」と思われるコードを、漏れなく全部拾ってOR検索しなかん、ということです。
ひろたは「バーバママが倒れたような形」と思っても、人によってはプラナリアと思うかもしれんし、マツタケと思う人もいるかもしれんし。想像力を最大限に駆使して、あらゆる可能性を拾って、該当しそうなコードを並べてかなかんということです。
また、付与されるコードの数の問題もあります。
例えば、明らかに、最低5つはコード付くだろうとわかる図形商標なのに、なぜか、2つしか付いてなかったり…(2つくらいだと、ANDで絞ったところで、大量ヒットに変わりなし…泣) といったような例も、たまに見かけます。「たまに」であっても、一件でも漏れが生じるおそれがある以上、見逃すわけにいかんですよね。
なんで、こんなふうになっちゃうの…?
特許のFタームなんかですと、Gちゃんたちがハナ○そ○じりながら気楽に付しているから微妙なんだよねー という話を聞いたりしますが、
ウィーン分類のコードも、そんな感じで付しているんじゃなかろかと疑念を抱かせるほど…
まったく油断ならんです。
以上をまとめますと、
少しでも「かする」と思われるコードは全部拾った方が安全。しかも、できるだけANDでなくOR検索。
…… う ……
プラパの図形商標検索って、大変…(汗)
(※有料DBも、プラパベースのデータに加工をしてない限り、根本的には同じ問題を
抱えたままになっとるわけです。)

これではかなわん! というならば、「要部」の構成要素のみに絞り込むのも手ですが、どこが「要部」かってのは法的評価マターなので、リスキーっちゃリスキーです。
ただ、調査の目的やバックグランドも様々でしょうから、場合によってはそういう手を取るのが、時間・コスト的に割に合うこともあるかもしれません。
しかし、「要部」がどこか評価し得るだけの専門知識が必要なことは言うまでもありません。
まあ、しかしね。そうは言ってもね。できれば安全サイドでいきたいところです。
コード付与作業に、もう少し統一的な基準を導入してもらえればね。
…といった現状の不都合をどうにかせねばとういうことで、画像検索システムの構築が模索されとるわけですね…。
より高度な図形商標検索システムに向けて
でもね、奥さん!
既に、図形商標を画像検索できる無料システムがあんのよ!
そりはね…
続きは次回のココロなのだ~
(※ひろた 画伯作の作品の答え: 目の前にあったお弁当屋さん作の からあげ・ゆでたまご・おくら をモチーフにしてみました。)
次回も見ていただけるならぽちっと押してくださいな(。-_-。)/
  ↓↓↓

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