特許/意匠/商標の権利を取得しても「損」をしない だけの売上高とは?

確定申告がんばってますかー? お山の氷もすっかり融けて、アイスクライミングシーズンも終わりです…
申告シーズンですので、今日はお金の話しを。

 

特許や意匠や商標といった知財の権利は、どういった目的で取得することが多いでしょうか。

特に中小企業さんの場合は、模倣品/競合品排除を目的とした積極的な意味合いというよりも、他社の権利を侵害してしまうことを回避したいとか、他社の権利取得を防止したいといった防衛を目的とした消極的な意味合いが多いと思います。


その特許/意匠/商標が使われる製品やサービスが”稼ぎ頭”でなくても、せめて「差止め」をくらったり「ライセンス料」を支払ったりして、利益が吹っ飛ぶことがないように… といった防衛目的です。

すると、特許/意匠/商標の権利の取得にかかる費用が、その製品から得られる利益を上回ってしまっては、元も子もないですね。

では、いったい、特許/意匠/商標が使われる製品/サービスにどれくらいの売上高があれば、権利取得の意味があるのでしょうか。

…というのは、まあ、結構簡単に計算できるので、やってみました(小学生でもできそうな計算。でも、ひろたは 計算が苦手なので、もしか間違ってたら教えてね~)。

 

■売上高営業利益率

色々細かいこと考えずに、営業利益(本業で稼いだ儲け)を基に、ざっくりとした試算をしてみたいです。
売上高に対する営業利益の率を見てみると、例えば下記の業種では、こんなデータが出ているようです(2017年のデータ H29 財務省 統計資料 )。

 ・食料品 3.5%

 ・電気機械 5.8%

 ・情報通信機械  5.0%

 ・卸売業・小売業 1.7%

   ・サービス業 6.7%

 

■権利取得にかかる費用

権利取得には、特許庁に支払う印紙代+弁理士手数料 が必要ですが、出願~権利取得までのトータル費用を考えます。

なお、弁理士手数料は、弊所の額です~ 悪しからず….(相対的に高額でもなく、価格破壊をするわけでもない、平均的な適正な価格…と思っています(^_^;))

 ・特許1件(権利は最初の3年間分までの費用)  約70~80万円

 ・意匠1権(権利は最初の3年間分までの費用) 約20~23万円

 ・商標1権(1区分、権利は10年間分の費用) 約16万円
  ※区分の数が増えると加算となります。

 

■最低売上高

では、権利取得しても最低マイナスにはならない売上高(=利益「0」の売上高)を試算してみます。
むちゃんこ大雑把な数字ですが、権利取得する特許/意匠/商標が使われる製品/サービスのライフサイクル(年間じゃないですよ、ライフサイクルです)の間で、これより売上高が少ないと、”権利取得しただけ損” ということになる、というざっくりなイメージを掴んでいただければ。

○特許(1件、権利は最初の3年間分までの費用)

 ・食料品  約2,000~2,285万円

 ・電気機械  約1,210~1,380万円

 ・情報通信機械  約1,400~1,600万円

 ・卸売業・小売業 約4,120~4,705万円

   ・サービス業  約1,045~1,195万円

 

○意匠(1件、権利は最初の3年間分までの費用)

 ・食料品 約570~660万円

 ・電気機械 約345~400万円

 ・情報通信機械  約400~460万円

 ・卸売業・小売業 約1,175~1,350万円

 ・サービス業 約300~345万円

 

○商標(1件1区分、権利は10年間の費用)

 ・食料品 約460万円

 ・電気機械 約275万円

 ・情報通信機械  約320万円

 ・卸売業・小売業 約940万円

 ・サービス業 約240万円

 

 

…さて、どうでしたでしょうか?

意外に安い?意外に高い?

 

上記の数字は、あくまで「損」をしない分岐点。

これを大きく上回る売上高が見込めるなら、権利取得しておかないと、なかなか恐怖です。
↑↑↑
この恐怖を実感できる数字の話しは、また今度。

 

コメント

  1. 推定に用いられていたデータ(財務省データ)が古くなっていたので、データを更新したものを纏めました。

    現在は、この記事の時と比較して、だいぶ景気が良くなっているようです。

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