脱プラスチックをデザインで実現!「バタフライカップ」の知的財産権は国際的?

「カタチ・意味・仕組み・価値のデザイン」 シリーズ
ここでいう「デザイン」は、カタチ等のデザイン(知財でいうところの「意匠」)、意味のデザイン(意味のイノベーション)、ビジネスモデル等の仕組みのデザイン、顧客提供価値のデザイン…等、いろんな「デザイン」を意味します。
このシリーズでは、こういった「デザイン」がどのような知財で守られているか?を  ごく興味本位で検索し、その知財がいかに活用されているか?を あくまで独断で考察してみたいと思います。
最近コンビニでストローレスのカップの蓋が出てきました。こういったストローレスのカップがトレンドになるのかなと思っていろいろ見ていたら「Butterfly Cup」という名前のカップを見つけました。この製品では、プラスチック製の蓋もストローも不要、本体は紙(or生分解性プラスチック)使用、ということで”脱プラスチック”を売りにしています。
https://butterflycup.com/
“脱プラスチック”をお洒落なデザインで実現している点が、新しい価値提供してるなーと思いました。
 
コンビニにもプラスチックバッグを有料にしたこのご時世(それにほんとの意義があるかどうかの議論はおいといて)、このカップを採用することが飲食店等のブランディングにも一役買いそうですね。
 
「バタフライカップ」の知的財産権

というわけで、この「バタフライカップ」の知的財産権を調べてみることにします。知財的には形状がキモになりそうですよね。
もともとはアイルランド発祥の商品ということで、日本ではどのような権利があるのかな?
 

商標

商標は、国際登録1487876で登録されています。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-1487876-20190408/DAD6445E3C7A508575D30C1C7E15EF140ABB9AC3D75589CBF30A71C446B853C8/49/ja

ちなみに、「国際登録」というのは、マドリッド協議議定書に基づく商標の国際登録のことです。1つの出願手続で保護を求めたい加盟国(現時点で122カ国)を複数指定することができ、各国での審査等の結果に基づいて保護の可否が決まります。

「国際登録」には、本国で基礎となる出願/登録が必要で、「Butterfly Cup」の場合は、アイルランドでの出願が基礎となっているみたいです。
また、「Butterfly Cup」の国際登録では、現時点で、日本の他に、中国・インド・韓国・メキシコ・フィリピンが指定されています。
さらに、米国・EUでも登録され、カナダ・インドネシア等にも出願されているようです(国際登録ではない)。
国際的に販路を広げている/広げようとしている様子が伺われますね。
 

特許

この商品の飲み口の形状は、特許になっています。

特許6151772
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-6151772/9A041AA2129F88149945BF8EF329C96BE6D30813D98A99892B7B216CC6C9A341/15/ja

特許は「PCT」という出願制度を使ってます。この制度も、めちゃんこ大雑把に言えば、1つの出願手続で保護を求めたい加盟国(現時点で153カ国)を複数指定することができ、各国での審査等の結果に基づいて保護の可否が決まります。
この件は、2012年に最初に出願されたけど、日本の他に、カナダ・欧州・メキシコ・米国・オーストラリア・ロシア・フィリピンで保護を求めているみたい。5年後の2017年が最初の登録の商標と微妙に国が違っているのが興味深いですね。

なお、特許として保護を求める部分は【請求の範囲】なんですけど、いやーこの特許、【請求項1】からして長いなー(笑)。
知財業界の人間からすると、この長さならもう特許なっちゃうよね(縦方向に鉛筆1本分の長さがあれば特許になるとかならないとか?)、そして、権利行使むずいよね…という評価になっちゃいますが…。
 
こういうのを「飾り特許」と人知れず呼んでいます。

でも、モノは使いよう。

なんといっても、とりあえず権利取得してるし、PCTを使ってる時点で国際的な感じを醸し出せるので、日用品分野ではそういう触れ込みで宣伝できないこともない?営業ツールの1つとして使っちゃえ、みたいな?

実際、Butterfly Cupのwebsiteには、こんな文章が。
ButterflyCup has worldwide patents granted for it’s revolutionary new hot and cold drinks cups.
ButterflyCup is licensed to selected manufacturers globally.
   バタフライカップは、ホット&コールドドリンクの革新的な新しいカップについて、国際的に特許が認められています。
 バタフライカップは、世界中の選ばれたメーカーにライセンスされています。

ちなみに「国際特許」(1つで国際的に権利が通用する、みたいな)という制度はありませんよ…(※EU特許等は話がややこやしくなるので別として)
なので、営業ツールとして使うときは、表現に注意! ではありますが、上手く活用すれば強味になるかも。

なお、この商品にはもう一つ特許出願があって、こちらはまだ審査待ちになってます。
特表2019-517433
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2019-517433/E88790F648A15C25543AB59A5EA49F96B523E2B3B1E521C7B7FEF406AD5E3DCE/11/ja


意匠

知財的には形状がキモだと思うけど、意匠登録はないようです。
特許で十分と思ったのかなぁ…でもあの長い請求項の特許権なら、意匠登録もあった方が隙を埋めれるような気がしないでもないなぁ… もごもご。

 

 

以上、「バタフライカップ」の知財についてご紹介しました。ヒントになるようなネタはありましたでしょうか。

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