優勝したら問題になる商標?

 北海道のハムにやられました。とても残念です。名古屋の街には何となく腑抜けな感じが漂っているように思えます。

 ところで野球といえば、3年前、大阪の虎のチームが優勝したとき大問題になった登録商標がありましたね。そう阪神優勝』です。

 結果的にこの登録商標は無効とされました。その理由をごく簡単に述べると、次のようになります。
 『阪神優勝』『阪神』は一般消費者に『阪神タイガース』の略称と認識されているし、図形部分(横縞の旗のような部分)も球団の横縞をイメージしたものと印象付けられ『阪神タイガース』との連想性を高める要素となっている。したがって、“商品の出所を混同させるおそれがある商標は登録できない”という商標法の規定に反して登録されたものである。

 そもそも球団と関わりない人が『阪神優勝』という商標を登録するのは、そりゃいかんだろ、と誰もが感じますよね。だから本来的には出願の段階で拒絶すべきだった(登録すべきでなかった)のでしょう。

 ところで、もしこの商標が無効にならなかったと仮定した場合、球団は『阪神優勝』という言葉を使えなくなるのでしょうか?
 まず、この商標が指定している商品は、第25類「被服、ガーター、履物、仮装用衣服、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」と第28類「遊戯用器具、おもちゃ、人形、運動用具」なので、これ以外の商品なら使っても問題はありません(例えば、おかしや食器等)。
 また、そもそも商標というのは“商標として”使用している場合にしか権利行使できません。つまり、商標を自社の商品ということを表すために使っている(自他商品を識別するために使っている)相手にしか権利行使できないのであって、単に“阪神が優勝したということを記念して”その言葉を普通に使っているだけでは差止め等を行うことはできないと思われます。
だから、球団が『阪神優勝』をTシャツ等に表しただけでは、侵害に問われなかったかもしれません。

 でも…。あれほど問題となったのも、ひとえに阪神が優勝したからですよね。名古屋の球団、来年も頑張って!(できれば日本一に…)

 次回も見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
 ↓↓↓
 
***************************
この記事をご覧になって、商標などに興味を持たれた方は…

■他のメニューもご賞味ください。
<商標亭お し な が き >
   
 
商標の間
   本日の前菜(商標仕立て
    商標に関するちょとした話題をご提供。知っていても得にはならないけど損もない!?
   気まぐれ商標判例一口膳
          独断でおもしろそうと思った判例を気まぐれにご紹介しています。
 
  意匠・不競法の間
   気まぐれ意匠判例一口膳
   気まぐれ不競法判例一口膳
    これまた気まぐれな感じです。

※注意!弁理士さんや知財部門のご担当など、クロートの方へ!
  わかりやすくするために、正確でない表現を使ったり、はしょったり、大雑把にしてたり、…等々してますが、目くじら立てずに見逃して下さい<(   )>
  また、判例は、“ホットなうちに”スピード重視でご紹介しておりますので、読み間違い・勘間違い・理解間違いがあるかもしれません。疑問を感じられたらご一報いただけるとありがたく存じます<(   )>

■本店商標登録出願サイトにも是非お立ち寄り下さい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました