実用新案とは?特許との違い

「実用新案(権)」とは

実用新案 「実用新案(権)」とは、登録された考案を、独占的に実施(製造・販売など)をすることが許される法的権利です。期間は、実用新案登録出願をした日から10年です。アイデアに付与される独占権という点、新規性・進歩性などの要件を備えることが必要という点では特許と同じです。  
 実用新案は、簡易な手続で早期に保護を与えることを目的とした制度です。例えばライフサイクルの短い製品について早期権利保護を図る観点から、書類など形式的な面をクリアすれば権利化されます。このため、出願してから4ヶ月程で権利が成立します。
 実用新案(実用新案権)は、特許(特許権)と以下のような大きな違いがあります。どちらで出願すべきかの判断は、その違いを十分考慮した上で行う必要があります。

実用新案と特許との違い

 実用新案は、1.保護の対象2.権利存続期間3.実体審査(権利が有効か否かの審査)の有無4.費用5.権利行使 という点で特許と大きく違います。
  1. 保護の対象の違い
     実用新案の対象となるアイデア(考案)は物の形状・構造・組み合わせであることが必要です。このため、方法(物の製造方法など)のアイデアや、物の中でも物質のアイデアや、プログラムは実用新案の保護対象となりません。他方、特許ではこれらのアイデアも保護対象となります。
     なお、実用新案も特許と同じでアイデアが保護対象となります。実用新案ではこれを考案と呼びます(特許では発明と呼ばれます)。ただし、これも特許と同じで、単なる思い付きでは考案となりません。他の人が実施できる程度に具体化されていることが必要です。
  2. 権利存続期間の違い
     実用新案は出願日から10年です(特許は20年)。なお、平成16年の法改正前は、出願日から6年という短い期間でした。
  3. 実体審査(権利有効性の審査)の有無の違い
     実用新案では実体審査はありません。このため、出願書類などの形式的な面をクリアすれば権利化されます(実用新案権の成立)。
     ただ、権利(実用新案権)が成立しているとはいえ、権利が有効か否か(新規性・進歩性などの要件を備えているか否か)の審査がなされていないため、実際に権利を行使する場合には、その行使が大きく制限されます。
     これに対し、特許は実体審査がなされた上で権利化されます。このため、権利行使する際に実用新案のような大きな制限はありません。
  4. 費用の違い
     実用新案に関して特許庁への納付が必要な費用は、以下の通りです(平成17年4月現在)。
    出願時   14,000円    
    登録料  1〜3年 一括 10,000円程度
     4〜6年 毎年  7,500円程度
    7〜10年 毎年 23,000円程度
    出願時に書類と共に、出願手数料と3年分の登録料を納付する必要があります。
    正確な料金は特許庁HPの手続き料金自動計算システムで確認できます。
    上から2つ目の「手続方法を知りたい」の10番目にある「手続きに必要な料金」をクリックして現れるページの
      「手続き料金自動計算システム」から辿れます。
    特許の場合に必要な費用はこちらへ
  5. 権利行使の違い
     実用新案では、実用新案技術評価書を提示して警告した後でなければ、実用新案権を行使することができません。実用新案技術評価書とは、実用新案権の有効性について特許庁が判断を示したものです。この評価書は5万円程度の手数料とともに特許庁に請求します。

     実用新案の独占権が認められるには、特許権と同様、新規性(新しいものであること)・進歩性(従来あるものから容易に考え出せないこと)などの要件を備えていることが必要です。とはいえ、実用新案権の場合はそのような要件が審査されないで権利化されますので、中には権利として無効なものも当然含まれてきます。そこで、権利として有効か否かの判断を特許庁から得た上で権利行使しなさいよ、ということになっているのです。
     この評価書で有効と認められた権利であればよいのですが、無効の可能性があるとされてしまうと権利行使は事実上できません(逆に相手の受けた損害につき賠償責任を負う可能性が生じてしまいます)。
 以上のように、実用新案権は権利行使の上で大きな制約があり、知財部門のない事業者が活用するにはリスクが大き過ぎる、というのが現状です。 したがいまして、あいぎ特許事務所では、特段の事情がない限り、実用新案登録をお勧めしておりません。
 
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