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韓国企業に学ぶ意匠戦略

2013.04.22

(財)経済産業調査会発行『特許ニュース』で「韓国知的財産をめぐる最新の状況」(2013年4月19日)という記事が掲載されており、韓国企業の特許戦略のうち、意匠について興味深いレポートがありました。 その内容の一部の要旨をご紹介いたします。

1.グローバルな市場における意匠の役割

グローバルな市場では、特にコモデディー化した製品等、技術や機能が同じである場合は、デザインの善し悪しが売り上げを左右し、特許権に比べて意匠権の方が権利行使を比較的行い易い等といった傾向があります。このような理由から、韓国の代表的な企業であるサムスン電子やLG電子も、近年特に意匠を重視する傾向にあるそうです。

ちなみに、近年の状況を見ると、韓国では意匠の出願件数が日本の1.6倍以上ありますが(日本:年間約3万件、韓国:年間約5万件)、人口比や経済規模を考えるとほぼ倍と理解していいとのことです。
また、サムスン電子の米国における意匠登録件数は、ピークの2008年で700件以上、リーマンショック後でも約400件を維持しているとのことです。

2.中国等の新興国について

韓国企業は、中国に対する特許出願を減らす傾向にあるそうです。中国等の新興国では、特許よりも意匠等のような分かりやすい権利の方が、紛争(権利行使を含む)において有効だと考えているからだそうです。

3.コメント

世界市場を席巻している韓国企業の戦略だけに、学ぶ点が多いと思います。
今後の新興国の産業発展や、世界的ヒット商品におけるデザインの重要性を考えると、日本の企業も意匠をもっと積極的・戦略的に活用すべき時期に来ているように思います。


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