使えない登録商標?…流行りのことばに要注意(その2)

 「石澤研究所の尿素とヒアルロン酸の化粧水」(指定商品:尿素とヒアルロン酸を配合してなる化粧水)が商標権を行使できる部分、すなわち商標としての識別力が認められる部分は、どこでしょうか?

 商標法には、「指定商品の品質、原材料等を普通に用いられる方法で表示する商標には、商標権の効力が及ばない」という規定があります。
 被告の表示は「尿素+ヒアルロン酸 化粧水」でした。したがって、この規定に該当し、原告の商標権を侵害しない、とされました。

 では、「石澤研究所の尿素とヒアルロン酸の化粧水」のうち、商標権の効力が及ぶ部分は?
 まず「尿素」「ヒアルロン酸」「化粧水」は、「と」とか「の」で結合しているとしても、商品の品質(内容)を表すもので、商標としての識別力がないと考えられます。
 
 残りの「石澤研究所の」という部分ですが、これは原告が他に「石澤研究所の」だけで商標登録しているので、識別力が認めらると判断できます。
 
 ということは、「石澤研究所の」が商標権効力を有する部分で、被告がこの言葉を使っていなければ権利行使できない、ということになります。

 「ヒアルロン酸」…まだ流行ってますよね。
 流行の言葉を使って商売するのは理に適っていますが、それを商標登録しようとする場合は要注意です。その言葉をもってして、相手に権利を主張できるとは限りません。

 本日はこの辺で。
 次回も見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
 ↓↓↓
 
***************************
この記事をご覧になって、商標などに興味を持たれた方は…

他のメニューもご賞味ください。
<商標亭おし な が き >
  
 
 
商標の間
 
  本日の前菜(商標仕立て
    商標に関するちょとした話題をご提供。知っていても得にはならないけど損もない!?
   気まぐれ商標判例一口膳
          
独断でおもしろそうと思った判例を気まぐれにご紹介しています。
 
 
意匠・不競法の間
  気まぐれ意匠判例一口膳
   気まぐれ不競法判例一口膳
    これまた気まぐれな感じです。

注意!弁理士さんや知財部門のご担当など、クロートの方へ!
  わかりやすくするために、正確でない表現を使ったり、はしょったり、大雑把にしてたり、…等々してますが、目くじら立てずに見逃して下さい<(   )>
  また、判例は、“ホットなうちに”スピード重視でご紹介しておりますので、読み間違い・勘間違い・理解間違いがあるかもしれません。疑問を感じられたらご一報いただけるとありがたく存じます<(   )>

本店商標登録出願サイトにも是非お立ち寄り下さい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました