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さて、昨日の続きです。
書籍に掲載された写真の模倣行為は不正競争防止法に規定する「商品形態模倣行為」に該当するか否か。
まず、「商品形態模倣行為」というからには、模倣対象物が「商品」に該当する必要があります。
原告は当然、写真が「商品」に該当すると主張しました。
これに対し裁判所は、『本件写真の複製物は、書籍の内容として掲載されているものであるから、本件において「商品」に当たるものは書籍であると認められる。』として、原告の主張を採用しませんでした。
写真自体が「商品」でないということは、被告の行為が「商品形態模倣行為」に該当するわけがありません。
ということで、不正競争防止法に基づく原告の請求はそもそも認められませんでした。
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ただ、裁判所は、「商品形態模倣行為」に関する他の争点についても一応仮定的な判断を示しました。
具体的には、次の2点です。
(1)「通常有する形態」
“仮に写真が「商品」に該当するとして”
原告の写真も、被告の模倣写真も、「大師御影」と「お砂踏本尊」を忠実に再現することを目指したものなので、両者は結局似ざるを得ません。つまり、原告の写真に表現された線・色は、同種の商品が「通常有する形態」であり、被告の模倣写真はその「通常有する形態」において似ているにすぎないので、「商品形態模倣行為」には該当しない。
(2)「実質的同一」
“仮に原告の写真が「大師御影」と「お砂踏本尊」の原作者の「心」と「魂」を読者の「心」と「魂」に伝えるものであり、そこに表現された線・色が同種の商品の「通常有する形態」に当らないとして”
被告の模倣写真は色の濃淡・仏像の着衣の線などにおいて再現が粗雑なので、「大師御影」と「お砂踏本尊」の原作者の「心」と「魂」を読者の「心」と「魂」に伝えるものではなく、「模倣(実質的同一)」の点を満たさない。
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ちなみに、被告は、自分が所有する「大師御影」と「お砂踏本尊」を原告が写真撮影するときに無償で許諾してやったのに…という点で、今回の裁判の請求は「権利濫用」だと抗弁してました。
原告と被告の関係、こじれちゃいましたね…
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