こいでした

 昨日は勤務中に危険箇をついクリックして「このブログ、今後一切見るの禁止!」なんて怒られませんでしたか?(ドキドキ)。でも今日も懲りずに「Fuu Tube」のハナシです。

 さて、昨日の51条の審判(取消2009-300042)において引用されたグーグルさんの商標は、以下の登録商標(登録第4999383号)でございました。指定役務は、第38類、第41類、第42類に属するものです。
 

 そして、問題とされた「Fuu Tube」の使用商標は、どうやら上記引用商標(登録第4999383号)の構成と似せてあったようです。
 『「Fuu」を黒い太い文字(ゴシック体)で表し、その右に四隅に丸みを持たせた赤色の横長四辺形の内部に白抜きした太い文字(ゴシック体)で「Tube」を表した構成』
 この構成は、被請求人さんの登録商標(登録第5080663号)と“類似する”商標にあたる態様で使用したものと認められています。 

 ただ、この「Fuu Tube」の使用商標を使用していた期間は、ごく短かったようです(平成19年12月頃~平成20年1月頃)。
 これについて、被請求人さんが
 『請求人からの平成20年1月30日付『通知書』による通告に驚いてその過失を認め、即刻その使用を中止して…
 と述べているところがご愛嬌。

 さて。
 
 1.被請求人さんの「Fuu Tube」の使用商標の使用行為は、グーグルさんの「You Tube」役務と混同を生じるでしょうか?
 
 この点について、審判官は、
  ・引用商標「You Tube」の周知性の高さ、
  ・引用商標と使用商標との類似性の高さ(特に外観)、
  ・使用されている役務の関連性の程度、需要者の共通性(一般の閲覧者(需要者)にとって、配信される動画が、広告に関わるものか、投稿によるものか等を精緻に認識し区別することはなく、ともにインターネットを介在して提供されるもので、これに接する閲覧者(需要者)が共通であるといえる)
 等を総合してみると、
 被請求人さんの使用商標を使用する行為は、他人の業務に係る役務と混同を生ずるものをした行為に該当するといわざるを得ない、としたのでした。

 2.では、被請求人さんの商標の使用行為は「故意」だったのしょうか?
 
 ちなみに「故意」とは、
 『
当該商標の使用にあたり、その使用の結果他人の業務に係る役務と混同を生じさせることを認識していたことをもって足り、必ずしも他人の登録商標や周知商標に近似させたいとの意図をもって使用したことまで必要とするものではないと解される(最高栽昭和56年2月24日第3小法廷判決参照)。
 のでした。

 ここでちょっと笑える(?)のが、被請求人さんが、使用商標の下側に小さく
 「YouTube ja naiyo(ユーチューブじゃないよ)」
 と表示していたらしいこと。
 
 それで、
 『ユーチューブの著名性にフリーライドして、需要者が被請求人のホームページに誘導される可能性があること認識し得たことを否定できず、被請求人は、使用商標が看者をして需要者間に周知な「You Tube」と何らかの関係付けをして間違われる余地があることを認識していたとみるのが自然である。
 とされ、使用商標の使用は「故意に」なされたと判断されたのでありました…。

 3.ちなみに、被請求人さんの使用商標の使用期間はごく短かったと言いましたが、これについては
 『商標法第51条第1項による商標登録の取消しは、登録商標に関する不当な使用についての制裁的制度であるから、当該条項に該当する行為があったと認められる以上、その使用期間の長短によって左右されることはないというべきであり、当該主張は採用し得ない。

 とされています。

 …といったわけで、審判の請求は認められ、被請求人さんの本件商標(登録第5080663号)を取消すべき旨の審決がなされたのでした。

 で…

 当然ですが、現在では、Fuu Tubeさんのサイトで上記使用商標のような態様の商標は使われていないはず。
 
 一応トップページはチェックしましたが、次のページに入って行く勇気がなく…。
 
 この手のサイト、進んで行くと何か恐ろしいことが起こるのですか?
 あ、いや、早速確かめてもらわなくていいですよ(汗)。

 本日はこの辺で。
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