中国では物品をどう扱うのじゃ?

 意匠の物品がらみの事件が続きましたが、意匠と言えば中国さんのご事情が気になるところです。
 そこで、中国での意匠の物品がらみの事件をいくつかピックアップします。
 ただし、知っているものを2つだけ。しかもちょい古め。すみません(汗)。
 他の事件をご存知の方がいらっしゃいましたら、いつでも絶賛募集中(笑)。

 まずは、緑茶の「包装箱」と「ラベル」で争われた無効審判事件をご紹介します(決定第5228号)。

 登録されていた意匠はこちら(意匠特許02310910.6号)。「包装箱(緑茶飲料)」の意匠でございます。
 
 
 一方、新規性の引用意匠とされたのがこちら。「ラベル」の意匠でございます。
 
 
 ううむ、文字の配置やら図柄が似とりますな…。

 結論としては、意匠特許は無効になりました。
 その無効決定の概要は以下のとおり。
 『意匠の分類は意匠が類似であるか否かの参考にする。もし一つの意匠が対比文献との分類が異なるが、その指定の用途が対比文献と類似である場合、両者は類似製品の意匠である。
 もし意匠の外輪郭の形状が当該種類の製品の慣用形状であり、図面と色彩が対比文献の対応要素と同じ或いは類似である場合、製品の慣用の形状が一般消費者に深い視覚効果を与えるのは容易ではないため、当該意匠は対比文献の意匠と類似である。
<参考文献:平成18年8月22日開催AIPPI中国意匠セミナー「中国における審査基準の改正と意匠制度」 テキスト>

 製品の類似については「指定の用途」がポイントっぽいですね。

 ちなみに、ご存知のように、2009年の第三次改正で、包装用紙やらラベルやら、標識としての役割を果たす平面的な図案の意匠登録は認められなくなったのでした。商標対策的改正でございました。

 そりでは、次回は、多機能製品がらみの判決をご紹介します。
 続きは次回のココロなのだ~
 次回も見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
 ↓↓↓
 

**************************
この記事を読んでひろた興味を持たれた方は…

【執筆記事】
  
「知財産管理」誌 VOL.58 NO.5
  (「腸能力」審決取消請求事件(平成19年(行ケ)第10042号 審決取消請求事件)
     内容は
こちらからどうぞ

【関係事件】
 代理人になった事件です。負けたのでご紹介するのをためらっておりましたが、思い切って…。
 
平成18年(行ケ)第10367号審決取消請求事件
 なお、牛木理一先生のHPで紹介いただいているので(「特許ニュース」2007年6月29日号の記事です)、そちらも併せてご覧ください~(こちらのB-27の項です)。

【ZIP FM Z-TIME BIZ】

 
ここのフォトギャラリーになぜかわたくしが。

※注意!弁理士さんや知財部門のご担当など、クロートの方へ!
  このブログでは、わかりやすくするために、正確でない表現を使ったり、はしょったり、大雑把にしてたり、…等々してますが、目くじら立てずに見逃して下さい<(   )>
  また、判例は、“ホットなうちに”スピード重視でご紹介しておりますので、読み間違い・勘間違い・理解間違いがあるかもしれません。疑問を感じられたらご一報いただけるとありがたく存じます<(   )>

コメント

タイトルとURLをコピーしました