(ゆら~…)皆さん、ご機嫌よう…。

前回のエントリから1か月近くも経ってしまいましたが、ひろたは何とか生きてます。

この間、ひろたは、

マレーシアで女子会したり
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(お仕事です、一応、一応ね…)

その出張前後のてんやわんやを処理したり

(ノTwT)ノ ┫:・’.::・┻┻:・’.::・

乏しい脳みそを絞り出して依頼原稿を書き書きたり

φ(`д´)

…と、

あれやこれやと時間を取られてました。

などと言ってる間に、あっちゅーまに、4月が近づいてきてるじゃないですかー

\(* ̄□\) ̄□\) ̄□\))))

…いや、ちょっと興奮しすぎました。

4月といえば、JPOの official fee の改定があったりするわけですが。

平成27年特許法等改正に伴う料金改定(平成28年4月1日施行)のお知らせ

…それも大切なことですけど…

ひろた としては、こちらを一押し!

画像を含む意匠に関する意匠審査基準の改訂について

既に色んなところで触れられとりますね(例えば、IPFbizさんの2016.1.29の記事など)。

PC用ソフトウェア、スマホ用アプリの UI・アイコン等が意匠登録される可能性が出てきて、ソフト・アプリ屋さんにとってかなり影響が大きいと思われるので、今日はこの話題を取り上げます。

(なお、以下で「JPO資料」としているのは、こちらです https://www.jpo.go.jp/seido/s_ishou/pdf/isho_text_h27/21.pdf

■現状保護対象と認められている画像

まずは、現状、保護対象と認められている画像をまとめてみたいと思います。

現状認められているのは、以下のものでございますね。

(1)物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像

(2)物品の機能を発揮できる状態にするための操作の用に供される画像

こういった画像のうち、機器に「あらかじめ記録された」ものしか、現状では保護対象となっていません。いわゆる組み込み画像です。
建前上、インストールするアプリによる画像は、保護対象でないです。

ただ、スマホ等のアプリ関係ですと、実際の登録例では、(たぶん、ほんとはインストールするアプリのようなものも)無理くり「あらかじめ記録された」ふうにして、登録されております。

その手法は…
・物品名を「携帯電話機」とか「携帯情報端末」(いわゆるPDA)とかにする。
・物品のメイン機能の画像にする(例えば「携帯電話機」なら通話機能に関わる画像)
・物品のメイン機能といえなさそうであれば、「意匠に係る物品の説明」に○○機能を有することを記載して、その機能に関わる画像にする。

例えば…

「携帯電話機」で”通話機能”の例
意匠登録第1541171号
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【意匠に係る物品の説明】本物品は、タッチパネル式の画面表示部を備えた携帯電話機である。正面図は、通電時の画面表示部を表したものである。正面図等に表された画像は、本物品にあらかじめ記録された画像であって、通話機能(受話/スピーカー受話/着信拒否の各操作等)を発揮できる状態にするための操作に用いられる画像である。当該画像は、本物品を使用して通話以外の操作(たとえば、動画の視聴)を行っている際に着信があったことを示すものであり、「使用状態を示す参考図」に表すように、画像中の「受話」「スピーカー受話」「切断(着信拒否)」の各ボタンの内、所望のボタンをタップすることで各種の操作が可能である。吹き出し状の図形はチュートリアルであり、不意の着信時にも落ち着いてボタンを選択することが可能である。

「携帯電話機」で”撮影機能”の例
意匠登録第1492045号
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【意匠に係る物品の説明】本物品は、通信機能、通話機能、撮影機能、音楽再生機能等を備えている携帯電話機である。スクリーンロックがなされている状態において、画面中央上部に配される円形状アイコンを選択することにより、スクリーンロックを解除し、静止画、動画撮影機能を起動することができる。

「携帯情報端末」で”アクティビティ計測・記録・表示機能”(ほぇー)の例
意匠登録第1543046号
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【意匠に係る物品の説明】正面図の表示部に表された画像は、携帯情報端末の、ユーザーが行ったフィジカルトレーニング、例えば、ランニング、ウォーキング、その他のアクティビティを計測し、そのアクティビティを行った場所ごとの活動量を記録、表示する機能を発揮するために用いられるものである。
最後のはナイキさんの登録です。
わたくしもランニングするときに、スマホにナイキさんのアプリ入れとるんですが、そんなようなやつじゃないかな。

というように、「たぶん、これ、アプリじゃね?」って思われるものも、「あらかじめ記録された」ふうにされております。

■今回の改訂で保護対象と認められるようになる画像

さて。

今回の審査基準の改訂では、いままで保護対象と認められていなかったもののうち、時間を問わず物品に「記録され」た画像も保護対象とされました。
物品との一体性要件を緩和して、これまでの「あらかじめ」要件を外したわけですね。

それで、
・「事後的に」記録された 機能のアップデート画像
・「事後的に」インストールされたソフトによる電子計算機の付加機能の画像
もOKとなりました。

前者の”機能のアップデート画像”は、機器自体は今までと変わりないので、無理くりやってた今までの実務でもそれほど影響ないのかな~?と思います。

後者の”インストールされたソフトによる電子計算機の付加機能の画像”は、汎用計算機用のソフト・アプリでもOKと認められたということで、かなり影響が大きいそうです!
(なお、JPO資料では、「電子計算機」を「パソコン、タブレットコンピュータ、スマートフォン等」としていますので、そういうものにインストールされるソフト・アプリによる画像が対象)。

パソコン、タブレットコンピュータ、スマートフォン等にインストールされるソフト・アプリによる画像は、物品を
「○○機能付き電子計算機」
にすれば、あら不思議!
具体的な機能を有する物品に変身して、いかにも「物品との一体性」があるような雰囲気になって保護対象になるのです~

(↓審査基準より)

■今回の改訂でも認められない画像

改訂前と改訂後の審査基準を見比べてみると、改訂前の審査基準で認められていなかった画像のうち、
・機能アップデート画像
・インストールされたソフトによる画像
だけが改訂後の審査基準でOKとなっており、その他は改訂前の審査基準と変わっていません。

まとめてみると、以下のようになるかな?

(1)その物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像 又は (2)その物品の機能を発揮できる状態にするための操作の用に供される画像であって、   当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示されるもの (3)物品の機能とは関係のない画像
物品にあらかじめ記録された画像  

 

×  装飾表現のみを目的とした画像
×  コンテンツを表した画像

物品があらかじめ有する機能のアップデート画像
ソフト・アプリのインストールに基づく電子計算機の付加機能の画像
× 外部からの信号による画像
× 物品に接続された記録媒体に記録された画像
× 物品に挿入された記録媒体に記録された画像

↑↑↑
今回の改訂で、②③が新たに、物品との一体性要件○になったイメージ。

④、⑤、⑥は、相変わらず、物品との一体性要件を満たしてない…てことのようです。

④は、たとえば、
パソコン、タブレットコンピュータ、スマートフォン等が能動的な処理機(「○○機能付き電子計算機」)で、その処理を、ネットを介して、サーバーに置いてあるソフトにアクセスしながら行い、サーバーにある画像ファイルを用いて、ネットを介して、パソコン、タブレットコンピュータ、スマートフォン等で処理結果を表示させる(たとえば、ランニング用計測アプリって、地図データをネットから取得するので、ほんとはこれっぽいんじゃないかなー。違う?)
とか、
パソコン、タブレットコンピュータ、スマートフォン等が受動的な汎用表示機で、サーバー(「○○機能付き電子計算機」)の処理結果を、サーバーにある画像ファイルを用いて、ネットを介して、汎用表示機に表示させる(この場合の汎用表示機は「当該物品と一体として用いられる物品」に該当しない)(たとえば、為替レート計算サイトとかがこれっぽいかなー。違う?)…といったイメージかな?

要は、サーバーに画像ファイルがあって、それがネットで配信されて、PCやスマホ等で表示されるイメージ。
(このあたり、少し曖昧です。先ほどのIPFbizさんの2016.1.29の記事 のQ&Aでも、「多分」という言い回しがされてますね…。)

⑤は、たとえば、外付けハードディスクに記録された画像を、汎用表示機で表示させるイメージで、
⑥は、たとえば、CD-ROMやメモリに記録された画像を、汎用表示機で表示させるイメージ。

右欄の「コンテンツを表した画像」は、テレビ番組、ゲームのコンテンツ画像、ネット上のコンテンツ画像等が該当するようです。
(なお、ゲームについては、ゲーム機としての機能に関わる表示であれば、コンテンツには相当せず、保護対象になる可能性があります。)

■クリアランス調査

上記③のが保護対象となったことで、クリアランス調査で、新たにどういった点に気をけなければならなくなったか、を中心に考えたいと思います。

●「付加機能を有する電気計算機」に関する物品の類否

まずは、「付加機能を有する電気計算機は、どういった物品と同一類似なの?」の観点で考えたいと思います。

JPO資料によると、「付加機能を有する電気計算機」に関する類否は、以下のとおり。

・付加機能を有する電気計算機同士の場合、それらの付加機能が相互に類似する場合に「類似」

・付加機能を有する電気計算機と他の物品の場合、その付加機能を有する電子計算機単体で当該他の物品と類似の用途・機能を実現できる場合に「類似」
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※なんで右のが「類似しない」かというと、マシニングセンタと同一類似の用途・機能を実現するためには、他のハードウェア(切削加工のための機構)が必要で、電子計算機単体ではそのような機能が実現できないから。
でもこれって、権利者側としてはどっちも抑えたいから、どっちも登録しといた方がいいってことになりますかね?

●侵害行為

次に、仮に物品が同一類似だとして、どういった行為が侵害行為とされるの?が気になるところ。

JPO資料によると、以下の行為は、意匠に係る物品の「製造」に該当する、とされています。
・物品の製造工程において、登録意匠(&その類似意匠含みます。以下同じ~)に係る画像を物品に記録する行為(上記表の①に相当)
・その物品の機能に係るソフトのアップデートにより、登録意匠に係る画像を当該機器に記録する行為(上記表の②に相当)
・ソフトをインストールすることにより、登録意匠に係る画像を物品に記録する行為(上記表の③に相当)

そして、「その物品の機能を果たすために必要な表示を行う画像」(例えば、携帯電話機の通話機能の画像みたいなやつ)については、
・上記「製造」行為の前段階ともいえる”登録意匠に係る画像を生成するソフトの開発・譲渡”は、「間接侵害」に該当する
(ただし、常にその画像を生成すること(「のみ」要件)、その画像が登録意匠と同一類似物品の構成に用いられること)
・登録意匠に係る画像を生成するソフトの他物品への組み込みは、「利用」に該当する
とされています。物品非類似でも「利用」に該当する可能性があるから要注意。

●まとめ

今まで意匠を気にしてなかった業界(ソフト・アプリ屋さん)も、これからは意匠のクリアランス調査が必要になるケースが出てくる可能性があります。

そして、表示部を有する物品(ハード)の開発でも、ソフト・アプリの開発でも、その際行うクリアランス調査は、上記表の①②③に相当する画像全部を調査対象とするのが最も安全ですね…。

また、今回の改訂でソフト・アプリの画像も保護対象となったことで、そういった業界からも上記表の②に該当する出願が出るかもしれず、調査件数が増える可能性がありますね…。

となると、えらいこっちゃですね…

なお、今回の改訂でも保護対象とはならなかった上記表の④ですが、
JPO資料では、ネットを介して配信される系画像については、意匠に係る物品の「製造」には該当しない(侵害行為でない)、としているようです。

このあたりは大いに疑問を感じますが、その点は、先ほどのIPFbizさんの2016.1.29の記事 のQ&Aでも触れられています。

わたしも同じような意見で、
ネットを介して配信される系の画像であっても、同じように、クリアランス調査をしておいた方が安全じゃないかな、という気はしています。
またいつ審査基準やJPOの解釈が変わるかわからんし、JPOの解釈が裁判所で通用するとは限らんし。

Iotとか考えると、極端なことをいえばどんな機器でも画像表示可能になるかもしれんので、さて、物品との一体性要件は、今後、どこまで緩和されていくんでしょう?
とか考えると、現状で 保護対象のもの/そうでないもの 侵害行為/そうでない行為 にきっちり対応して調査する/しないを 区分けするより、若干レンジを広めにとって考えた方がいいかな?

しかし、大変です…

なお、JPO説明会の情報のみに基づいて書いてるので、「ここ違うんじゃない?」ということもあるかもしれません。そんなところを見つけたらご指摘ください~

今日はこれでおしまい!

次回も見ていただけるならぽちっと押してくださいな(。-_-。)/
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