経産省が『「デザイン経営」宣言』を出してから1年以上が経ちました。
https://www.meti.go.jp/press/2018/05/20180523002/20180523002-1.pdf

この資料では、
「デザイン経営」=『デザインを企業価値向上のための重要な経営資源として活用する経営』と定義し、
「デザイン経営」と呼ぶための必要条件=
『① 経営チームにデザイン責任者がいること
② 事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること』としています(p.6)。

上記資料の最後の政策提言の中では「高度デザイン人材の育成」が掲げられ、
『企業においては、ビジネス系・テクノロジー系人材がデザイン思考を、デザイン系人材がビジネス・テクノロジーの基礎を身につけるための研修などを実施する』
としています(p.12)。

そのためか、知財周りでもにわかに、「デザイン経営」や デザインシンキング(デザイン思考)関係の動きが目立つようになりました。

個人的にも、デザインシンキングのプロジェクトに参画したり、デザインシンキングやデザイン経営のワークショップに参加したりと、関わり合うことが多くなってきています。

デザインシンキング自体は新しい考え方ではないので、大企業ではとっくに取り入れているところも多いとは思いますが、中小企業さんの間ではまだまだ浸透しているとはいいがたいと思います。

 

デザインシンキングについて

中部経済産業局  「デザイン思考」活用講座解説書 https://www.chubu.meti.go.jp/c52design/160331/kaisetsusho.pdf

そもそも経産省が『「デザイン経営」宣言』を出したのは、ブランド価値を高めたりイノベーションを促進することによって、日本の産業競争力を高める意図ですよね。

デザインシンキングは、米国のデザイン事務所IDEOとスタンフォード大学d.schoolが提唱した、デザイナーの思考をビジネスに使えるように汎用化したアプローチで、それまでの”テクノロジー・プッシュ型のイノベーション” “ロジカルシンキング”とは異なるイノベーション創出思考法として紹介されることが多かったのではないでしょうか。

しかし、さてはて、「デザインシンキングがドラスティックなイノベーションに寄与するのか?」という点については、いまとなっては多くの人が疑問を投げかけています。
 

①まず、デザインシンキングは、「なぜ」から始まるのではなく、「どうやって」に主眼を置く手法です。デザインシンキングでは、「問題」が既に設定されていてそれを解決することを得意としています。このため、”改良型・漸進型イノベーション” には向いている、とされています。

そうなんですよねー。ワークショップに参加したときも、既に「問題」は与えられていました。
種々雑多な分野から来た参加者が寄り集まっていたし、時間も限られていたから仕方がないかな?とも思いましたが、なんだか決められた枠の中で作業しているような気がしないでもなかった。

これについては、かなり辛辣に書いている記事を見つけました。
https://comemo.nikkei.com/n/n493397b3f479?gs=0978792b86e2

 
②また、デザインシンキングでは、ユーザーのニーズを分析して製品開発に取り込みます。このため、”マーケット・プル型のイノベーション”、”より多く売るためのイノベーション”と評されています。

これってマーケティングの手法と何が違うんだろう??と思っっていたら、同じようなことを書いてらっしゃいました。
https://comemo.nikkei.com/n/n59b85e475a4e

ちなみに、”ユーザーに接近しすぎると、その考え方や慣習にとらわれて、急進的なイノベーションが起こりづらい”との研究結果もあるとかないとか…

 

がーん。身も蓋もないw

 

とはいえ、大企業はともかくとして、中小企業さんでは、問題の解決方法を考えることも、マーケティング手法を取り入れることも、なかなか進まないことが多いのではないでしょうか。

デザインシンキングでは「とりあえずやってみよー」という大雑把な感じで進むことが許され、「簡単・早い・お金かからないことが多い」の三拍子が揃っているので、中小企業さん向きかもしれません。

なので、中小企業さんがデザインシンキングを取り入れるだけでも、大化けすることはあるかも?と考えています。

ちなみに、特許庁もデザインシンキングを取り入れたプロジェクトを実践したようですが、お役所のように、なかなかユーザー目線になれないような組織には、確かに効果的ですねw
https://www.meti.go.jp/press/2019/04/20190404002/20190404002.html

 

さて、廣田の参画しているデザインシンキングのプロジェクトは、中小企業さんがデザインシンキングを取り入れやすいツールを作ることを目的にしています。

その成果物が皆さんのお目にかかれるときがくるまで、お楽しみに!

 

次回は、欧州発の、デザインシンキングを一歩進めた考え方をご紹介します!
こちらは、一層中小企業さん向けの考え方だと思いますので、知っておくのに損はないです!
お楽しみに~