山によく行っていた頃の話を一つ。
山の仲間にB級グルメ王がいて、山に行った帰りに立ち寄るお店は彼のお勧め店が多かったです。茅野・白水・信濃大町・南信・平湯・松本など、主だった山の麓の町にはそれぞれ立ち寄るべきお店が決まっていました。
ところで、南信地方の名物、「ローメン」をご存知ですか?伊那市が発祥の地みたいです。南信では、ソースカツどんのお店に立ち寄ることが多かったのですが、「ローメン」の看板が気になってはいました。
あるとき、はずみで「ローメン」のお店に立寄りを決行。どうやら「ローメン」はスープ風と焼きそば風に大別されるらしいのですが、確かわたくしは焼きそば風を頼んだと思います。味の方は…賛否両論ありそうな気がします。
「ローメン」は伊那市のある中華料理店の店主さんが考案したそうですが、当初、商標登録はなされなかったのですね。おそらく今では“普通名称化”しているとして、「ローメン」だけでは登録できなさそうですね…
でも、「ローメンマン」という商標が伊那市の会社によって登録されているみたいです(登録第5016021号)。
さて、一見「ローメン」と似ているネーミングで、中身も全く異なる「ターローメン」という商標が登録されています(登録第4450599号)。
この「ターローメン」、「太肉麺」と書くそうですが、熊本から東京へ進出して結構人気なんですね。
でも、「ターローメン」を商標出願したら、特許庁の審査+審判では「商標としての識別力がない」として拒絶されてしまったのです。指定役務は「中華料理の提供」だったのですが、「ターローメン」の語が『主に豚肉の厚切り肉を盛りつけたラーメン」であることを示すものとして一般に使用されているというのが相当である』という理由で。
原告(出願人)はこれを不服として裁判で訴えたら、裁判所は『識別力があるから登録可!』と判断しました。
理由は、
・「太肉麺」の語は、原告が発案した造語であり、原告が提供するラーメンの標識として、約20年間という長期間
にわたって使用されてきたこと、
・他のラーメン店で「太肉麺」、「ターローメン」の標章は殆ど使用されていないこと、
・「ターローメン」の語が辞書・辞典類に特定の料理を示唆するものとの記載がないこと、
などです。※
「ローメン」と「ターローメン」。「ター」が付くか付かないか。この違いはいろんな意味で大きいのですね…。
この記事に興味を持たれたらぷちぷち押して頂けると更新の励みになります
----------------------------
この記事をご覧になって、商標に興味を持たれた方は…
本店「商標登録出願サイト」にも是非お立ち寄り下さい。
★商標の基礎的・一般的な知識などをご紹介しています。
★その他にも、商標のお役立ち情報をご紹介しています。一例をご紹介いたします。
・新規事業・フランチャイズ化をお考えの方は「ネーミングと社名の商標登録出願」へ。
・ネット上でネーミングなどを使用するときは「ますます高まる商標登録の重要性!」へ。
・商標に関して実際にどんなトラブルがあるかは「商標にまつわるトラブル事例集」へ。
・「商標登録FAQ」では商標に関してよくあるご質問をQ&A形式でご紹介しています。
--------------------------
※判決文はこちらからどうぞ。
コメント