裁判所はどっちに味方した?

<平成20年(ワ)第2149号 商標権に基づく差止請求権不存在確認等請求事件>(判決文はこちら

 しつこいですがコラーゲンのお話を。
 わざわざサプリを経口摂取する必要がなさそうなことは昨日触れましたが、化粧品に配合されている場合は、いわゆるコラーゲンに期待されている効果があるわけではなく、単に保湿効果があるからとのこと。だったら、わざわざコラーゲンでなくていいじゃん!と突っ込みを入れて、コラーゲンの話しを終わります。
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 さて、本日取り上げる判例は、商標的観点からおもしろいというわけでないと思います(すみません)。
 訴訟に至った経緯と裁判所の判断がおもしろいと思ったので、取り上げてみたくなりました。

 この事件の原告であるA社は、インクカートリッジのリサイクル事業を行っていて、リサイクルボックス等に「人と地球に貢献します」という表示をし、またリサイクルを呼びかける新聞一面広告にも同じ表示をしていました(こんな感じ?)。

 一方、被告であるB社は、次の登録商標を持っていました。
 (ア)「人と地球 HITO TO CHIKYU」(指定商品:印刷物(書籍を除く)、
 (イ)「人と地球 HITO TO CHIKYU」(指定商品:雑誌,書籍,絵はがき,カレンダー)

 B社は、A社の表示に「人と地球」という文字が含まれているのを見て、A社に商標権侵害である旨の警告をFAXにて送りました。

 商標をかじったことのある方なら、A社の使用がB社の商標権侵害になりそうでないことがわかりますよね(その理由は次回)。
 なので、A社は、B社の商標権侵害はしていない旨の回答をしました。

 しかし、その後もB社から何回かFAXが届いたので、A社はその都度回答をしなければなりませんでした。

 B社としては、商標権侵害かどうかの法的なことはよくわからないので裁判所に判断してもらうべきだという主張でしたが、結局、双方の間では決着がつかなかったので、『B社は商標権に基づく差止請求権を有していない』ことの確認を求める裁判をA社が起こしたわけです。
 また、A社は、
裁判提起を余儀なくされたのでB社の行為は不法行為であるとして、損害賠償をも請求しました。

 …と書くと、A社がなんとなく気の毒な感じがしますね。

 では、A社の訴えに対し、裁判所はどう判断したのでしょう?
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