CDのELLEGARDENのロゴ、比較

 一日置いて、前回の続きです。
 
 前回取り上げた事件は、商標法51条の不正使用取消審判の審決取消請求事件でした。

 この事件で「不正使用なんですか?」が問題となったロゴ(標章)はこちら。CDに表示されていたものです。
 

 そして、対象となった登録商標はこちら。
 指定商品・役務:第9類「録音済みのコンパクトディスク」など、第41類「音楽の演奏」
  
 
 前回は、『上のロゴが商標的使用に当たるか否か?』の争点①を取り上げました。
 といっても、裁判所はこの争点①については触れていなさそうなのでした。
 
 ところで、以前、同じロゴについて、不正競争防止法の適用が問題となった事件がありましたよね(平成19年(ネ)第10057号商標権侵害差止等請求控訴事件、平成19年(ネ)第10069号附帯控訴事件。詳しくはこちらこちら)。
 なので、今回の事件の争点①の参考として(参考になるかな?)、この不競法事件で、『上のロゴが商品等表示の使用に当たるか否か』について述べているところをピックアップしてみましょう。原審の判決をそのまま引用しています。

 『~,本件CDは,カタカナで大きく「エルレガーデン」と表示された帯を左側に重ねて販売されていること,本件CD のパッケージ裏面には,「Dynamord Label 」,「DISCUSCO.,LTD 」などと,通常の音楽用コンパクトディスクにおけるものと同程度の表示の大きさで,製造・販売元としての商品等表示が示されていること,被告標章(10)は,「ELLEGARDEN 」を「ELLE 」と「GARDEN 」の二段に重ね,「ELLE 」を大きく,「GARDEN 」をその3分の1程度の大きさで表示し,しかも「ELLE 」につき本件ELLE 商標に極めて類似したデザインの字体を採用したため,容易に原告を想起させるものであること,パッケージ表面の右下部の被告標章(10)は,風景の一部として描かれているが,上記のとおり被告標章(10)は容易に原告を想起させるデザインであるため,音楽CD の需要者によって,風景の一部ではなく,商標として使用されていると理解されること,同左上部の被告標章(10)も,容易に原告を想起させるデザインであるため,帯に大きく書かれた「エルレガーデン」とは異なり,音楽CDの需要者によって,商標として使用されていると理解されることが認められ,このような被告標章(10)の使用態様によると,被告標章(10)は,使用態様(10)において,商品等表示として使用されていると認められる。
 ※被告標章(10)は上のロゴで、原告はELLE側の会社(今回の事件の被告)、被告はELLEGARDEN側の関連会社(今回の事件の原告)です。

 といったように、この不競法事件では、上のロゴは「商標として使用されていると理解される」と判断されていたのでした。

 …ここまで書いたら、今回の事件の争点②に行き着けんかった…
 
 ということで、続きは次回。次回も上記不競法事件との絡みでご紹介する予定です。
 次回も見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
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