ガールズ、ランキング、ミュージック、ショッピング、ボーイズ

<平成20年(行ケ)第10361号、平成20年(行ケ)第10362号、平成21年(行ケ)第10013号、平成21年(行ケ)第10014号、平成20年(行ケ)第10363号 審決取消請求事件(商標)>(判決文はそれぞれこちらこちらこちらこちらとこちら
 
 昨日言及した「○○ウォーカー」の無効審判審決の取消請求事件の判決文が一気に5つアップされました。5つもあるし、それぞれ長いので、最大公約数的な部分を掻い摘んでざっくりと。
 (ちなみに、昨日は報道のみに基づく推測をしてましたが、ことごとく関係なかったみたい…)

 ○概要
 1.無効審判
 角川側が請求した無効審判で無効の対象となったのは「girls walker/ガールズウォーカー」等の「○○ウォーカー」の構成の5つの登録商標で、第16類「印刷物」や第9類「電子出版物」についてでした。「○○」の部分は、「ガールズ」、「ランキング」、「ミュージック」、「ショッピング」、「ボーイズ」です(商標権者は全て(株)部ランディングです)。そして無効理由は4条1項15号でありました。

 この審判の審決では、5つの登録商標は無効とされませんでした。
 角川側の「東京ウォーカー/TokyoWalker」等の使用商標が『需要者間に、全体をもってして一体不可分の構成の商標として認識し、把握されるものとみるのが自然である』し、かつ、『雑誌名として一体不可分に認識される形で「東京ウォーカー/TokyoWalker」が周知著名となっていたものと認められる』等の理由から、混同を生ずるおそれがあるものとは認められない、とされたからです。

 2.本件における原告(角川側)の主張
 角川側は、 
 「都市名又は地域名+ウォーカー/Walker」の構成の商標のみならず、他の情報の対象を示す名詞等(「ゲーム/Game」、「メンズ/Men’s」等)+「ウォーカー/Walker」の構成の商標についても、商品「印刷物」等について十分な使用実績があり、無効対象の登録商標の出願日・査定時前には、取引者・需要者間で、周知著名性を獲得していた、
 被告側は「○○ウォーカー」の構成の商標を第16類、第35類、第41類指定で1日で80件出願しており、この事実からも被告の商標選択は、原告商標の周知著名性にフリーライドすること等を意図したものであることがわかる。したがって、本件商標が指定商品・指定役務に使用された場合は、原告の「○○ウォーカー/Walker」の構成の商標と混同が生じることになることは必定である、
 などなどの主張をしました。

 ○裁判所の判断
 さて。
 裁判所が出した結論自体は大々的に報道されてますので、おもろないですよね。
 なので、報道ではいまいちわからんかった「その結論に至った理屈」を中心に述べてみたいと思います。
 
 …ですが、また次回。次回も見てくださる方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
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