よくある相談でがっくり

<平成20年(ワ)第15970号損害賠償請求事件>(判決文はこちら

 新規のお客さん(甲社)「乙社がうちの商品そっくり真似してやっとるんですわ。この商品、よー売れとるんだけど、あっという間に乙社が真似て、中国で安く作らせて輸入し始めたんですわ。センセ、どーにかしてちょぉ。」(鼻息荒し。)
 弁理士(A)「え~、何か権利を取られてますか?特許権とか意匠権とか。」(やや不安げ)
 甲社「そこだがね。なーんも権利がないもんで、今から取れんかなと思って。作るときに結構工夫したでね、私は取れると思っとる。」(やる気満々)
 A「え~…もう販売されてるんですよね。販売を開始されてからどれくらい経ってますか?」(やな予感)
 甲社「まだ1年半ぐらいだに。そう経っとれせん。」(きっぱり)
 A「…あ~…(やっぱり…)」(泣)

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 特許事務所でよく見られる光景ですね(名古屋弁の部分を除いて)
 残念ながらこの状態ではどうしようもないので、諦めて不競法に頼ることになりますが、まあ2条1項1号も2号「ムリ!」なことが多いので、最後の砦3号で頑張ってみましょう。

 が、しかし、お客さんの話をよくよく伺うと、「始めの鼻息荒かったときの話と違うやん!」となり、3号の適用さえも怪し気になってくることが多々ありますよね…。
 
 今回の事件は、そんな不安を思い起こさせる、少々身につまされるような事件でございます。

 …でも、今日はイントロのみ。
 事件のご紹介はまた次回に。次回も見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
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