ぎうにう、お好きですか?

<平成20年(行ケ)第10474号審決取消請求事件>(判決文はこちら

 今日は久しぶりにまともな(?)商標のハナシをいたします。
 
 ちなみに…
 特許専門の弁理士先生の中には「仕事をまともにやっとったら勉強する暇ないに(笑)」と仰る方もいらっしゃいますが(それもある意味真理かもしれませんね…)、商標・意匠の場合は逆に「勉強してないと仕事がまともにできんに(笑)」となりますね。
 商標・意匠の場合、出願書類の作成自体はそれほど難しくないのですが、そこには目に見えないノウハウがたくさんつまっとりますよね…。
 ということで、判決や審決に常にキャッチアップしていることは絶対不可欠なのであり、バタバタしてるから勉強できん~なんて言い訳は通用しないのであります(←かなり自戒をこめています(汗))。
  
 あっ、前置き長すぎました、すみません(汗again)。
 
 それでは本題です。
 本日は拒査審決取消訴訟を取り上げます。

 拒絶審決が出された出願商標はこちら。指定商品は「牛乳」でございます。
   
 この出願商標、ご想像のとおり、3条1項3号で拒絶されたのでした。

 原告(出願人)が主張した取消理由は、「3条1項3号該当性の判断の誤り(取消理由1)」、「3条2項該当性の判断の誤り(取消理由2)」でした。

 さて、取消理由1ですが、結論からいうと、裁判所は、本願商標が3条1項3号に該当するとした審決に誤りはない、と判断しました。

 で、3条1項3号については…
 この間の商標の研修で、「独占適応性がない商標」と「自他商品識別力のない商標」のハナシが出で深くうなづきまくったのですが、これを念頭に置いて裁判所の判示を見てみます。

 『本願商標は,「東京牛乳」の漢字を縦書きにしてなるところ,そのうち「東京」は日本の首都である「東京」の地名であり,「牛乳」は指定商品である牛乳を指すものであり,全体として東京において生産又は販売される牛乳と認識されるものと認められる(当事者間に争いがない。)。また,その書体も特殊なものと認めることはできない(弁論の全趣旨)。
 そうすると,
本願商標は,その指定商品に使用すれば,これに接する取引者又は需要者をして,「東京において生産又は販売されている牛乳」を認識させるものとして,指定商品の生産地,販売地を表示するにとどまり,自他商品の識別機能を有するものとは認められない。したがって,本願商標は,商標法3条1項3号の「その商品の産地,販売地・・・を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するというべき』(判決文6頁)
 
 独占適応性云々について明確な言及はない?
 けど、独占適応性がないという前提で話しておられるのでしょうか…
 (ちなみに、原告(出願人)の主張や(判決文2頁)、被告の反論(判決文4頁)では明確に触れられていました。)

 では、なんで独占適応性のハナシにこだわるかというと…
 それは次回にて。

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