<平成21年(行ケ)第10313号審決取消請求事件>(判決文はこちら)
本件商標(登録第4855986号)は、無効審判を請求されて、その審決で4条1項15号に違反して登録されたと判断されました。商標権者さんが原告となってその審決を取消すべく訴訟を提起したのが、今回の審決取消請求事件です。
本件商標は平成16年に出願され、平成17年に査定が出て、同年に登録されました。
指定商品は、第12類の自動車並びにその部品及び附属品を始めとする商品や、第37類の自動車の修理又は整備を始めとする修理等の役務や、第25類の被服等です。
一方、本件の被告さんは自動車レース「ル・マン」の関連会社「西部オートモビルクラブ(Automobile Club de l’Ouest)」で、日本でも「ル・マン」関連の商標を多数登録しています(公式HPはこちら)。
そして、引用商標は、「ルマン24時間自動車レース」の略称としての「ル・マン」「LE MANS」です。
ちなみに、私は自動車レースに全く詳しくありませんが、「ル・マン」の名前は知ってます。
なので、やはり本件商標を見ると、「ル・マンの主催者とか関係者の登録商標?」と思ったりしてしまいます(指定商品もそれっぽかったりするし…)。
で、自分が「ル・マン」をいつから知っとるのかと思い返すと、学生の頃からだったような…(この辺りは曖昧)。
ということは、少なくとも○十年前から「ル・マン」は自動車レースの略称として著名だった?
それで、今回の審決取消訴訟でも、
『引用商標が被告の自動車レースに係る業務役務を表示するものとして周知著名となっていたこと,本件商標の要部と引用商標とは,外観,称呼,観念において共通する部分が多く,本件商標と引用商標とは類似性の程度が高いこと,本件商標の指定商品及び指定役務と被告が開催する自動車レースに係る役務及び商品とは関連性があり,その需要者において共通するものであることなどが認められ,これらの事情を総合考慮すると,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,本件商標をその指定商品又は指定役務に使用した場合,これに接する需要者が,周知著名な商標である引用商標を連想・想起して,これらの商品又は役務が被告との間に緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある者の業務に係る商品又は役務であると誤信するおそれがあるものと認められる。』
とされました(判決文18頁)。
…本日はこの辺で。
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