昨日は東京税関を視察してまいりました。本日はそのご報告を簡単に。
■最初に、南砂町の東京外郵出張所で、国際郵便物の通関手続や検査状況を視察させていただきました。
毎日多量の郵便物が搬送されてきますが、その中から“怪しげな”郵便物を選び出すことができるのは職員の方の経験と知識のおかげだということです。外装だけで判断できるとはすごいです。
また、選びだされた郵便物の外装をムキムキして、黙々と1つずつ確認されている職員の方の姿も印象的でした。
そんな郵便物の中から知財権侵害(商標権侵害が多い)の疑いがあるものが発見されると、輸入者に対し、争う意思がある場合は10執行日以内にその旨を書面で提出すべき旨が通知されます。
個人輸入の場合、正規ブランド品だと思って購入したのに発送元が中国で驚いた!ということもあるらしいですが、侵害品だとわかっていて購入される場合も多いとのこと。
特に侵害品だと認識している場合は争う意思が示されないことが多く、そのまま侵害品該当と認定されて没収されてしまいます。ちなみに、個人輸入なので…×▲※$?…といったケースもあるそうです(税関さんとしても弁理士としてもあまり大声でいいたくないと思うので伏せておきます)。
実際に侵害品を見せていただきましたが、ブランド物に疎い私には違いがよくわからない…。
偽ヴィトンの特徴を教えていただきましたが、言われてみれば、なるほど違います。
輸入差止申立てがあれば識別ポイントを中心に見られるのでわかりやすいのだと思いますが、職権で見分けるのは職人技だと思いました。
■感心することしきり、次に向かったのは、お台場にある東京税関(本関)です。
東京税関に行き着くまでに、「フジテレビ」の前を通ったので思わず携帯で写真撮ろうかと思いましたが、シャッター音が鳴ると恥ずかしいのでやめときました。
そして、なんと、東京税関は、「湾岸署」の2軒向こうのビルだったのでした(湾岸署も写真撮りたかったけどやめときました)。
本関の方では、会議室にて、通関手続と知財関係の手続の概要のご説明、弁理士会からの質問事項に対するご回答などいただきました(弁理士資格のある任期付職員の方2名も列席されました)。
輸入申立制度についてはこちらをご覧ください(税関HPへ)。
申立の受付は各地方税関でも行っているが、受理/不受理等を判断する実体審査は東京でしかやっていないそうです。
なお、税関の方が強調していたのは、申立て要件のうち「侵害の事実等の疎明」は“疎明”というよりほぼ“証明”と捉えて欲しい(訴状を想定したものを用意して欲しい)とのことでした。
そして、実際に書類を作成する前に、まずは事前相談を活用して欲しい(「手間と時間の節約になります」)とも強調されていました。
(※誤字がありましたので、赤字で訂正いたしました。)
認定手続についてはこちらをご覧ください(税関HPへ)。
東京外郵で職員の方がやってらっしゃった処理はこの一環です。
さて、会議室を出ると、廊下の窓から東京湾を行き交う船が見えました。
税関の方がおっしゃるには、リーマンショックの頃はコンテナ船にコンテナが積まれていない状態が続いたとのこと。昨日見たコンテナ船にはコンテナが5~6段積まれていたので、不況から脱出のきざし?が感じられる…とのことでした。
その後は、「情報ひろば」を見学させていただき、視察は終了です。
そして、ゆりかもめから見た夜の東京湾は工場萌えと香港をミックスしたような感じなのでした…
本日はこの辺で。
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コメント
Unknown
先生、侵害の事実等の訴明は、疎明です。
Unknown
誤字でした…
ご指摘ありがとうございます!