足浸けやっとく?

締め切り間近です!
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詳しくは
こちら 

昨日の続きです。
 
 本件での争点は、
 (1)商品等表示性、(2)周知性、(6)当審における予備的主張、
 でございました。
 
〇まず、争点(1)(2)についての裁判所の判断です。
 
 裁判所は、「寒天オリゴ糖」という名称が使用されてきた経緯の事実を認定した上で、
 『以上の事実によれば,「寒天オリゴ糖」という表示は,寒天から生成されるオリゴ糖(アガロオリゴ糖及びネオアガロオリゴ糖)を指す物質名称であり,かつ,遅くとも平成11年7月ころには,寒天由来のオリゴ糖を示す名称として,需要 間に認識され通用していたと認めるのが相当である。
 したがって,「寒天オリゴ糖」という表示は普通名称であって,原則として,自他識別機能ないし出所表示機能を有するものではないから,それを商品に使用しても,商品等表示性を有するものではないというべきである。

 としました(判決文7~8頁)。
 
 この点について、控訴人さんが主張したのは、ご自身が
 『「寒天オリゴ糖」という商品名を健康食品それ自体の名称として使用した初めてかつ唯一の営業主体であって,平成12年5月の販売開始以来,新聞や雑誌,時刻表に広告を掲載し,インターネットや地下鉄,看板などでも広範に広告を展開するなどの大々的な広告活動を行ってきたことからすれば,仮に「寒天オリゴ糖」が原材料を表す普通名称であったとしても,例外的に,控訴人商品の「寒天オリゴ糖」という表示について自他識別機能ないし出所表示機能を取得するに至っている
 ということでした。(判決文8頁)

 ここで、昨日の実地調査を。
 「寒天オリゴ糖」をGoogle検索された方は、「タカラバイオ 寒天オリゴ糖」という検索候補に出会ったのでは。
 「タカラバイオ」さんとは、被控訴人さんなのでした。
 
 そんなことも念頭に置いていただきながら、次の裁判所の判断を見ていただくと。
 『全証拠を精査しても,控訴人が,「寒天オリゴ糖」という商品名を健康食品それ自体の名称として使用した初めてかつ唯一の営業主体であったことを認めるに足りる証拠はない。かえって,上記認定のとおり,「寒天オリゴ糖」という名称は,被控訴人の前身である宝酒造の研究成果の発表及びそれに続く商品の開発の過程で,新聞記事などにより需要者に認識されるようになったものと認められるから,需要者には「寒天オリゴ糖」を商品化したのは宝酒造であるとの認識が広がっていたものと認められるのであり,証拠(甲3)によれば,控訴人が健康食品としての寒天に注目したきっかけも,上記宝酒造の研究成果を聞知したことによるものであると認められるから,控訴人を,「寒天オリゴ糖」という商品名を健康食品それ自体の名称として使用した初めてかつ唯一の営業主体と認めることはできないというべきである。』(判決文8頁)

 裁判所は、その他の控訴人さんの主張も採用せず、「寒天オリゴ糖」という文字表示が控訴人の周知商品等表示であることを理由とする不競法2条1項1号に基づく控訴人さんの請求は理由がない、としました。

〇次に、(6)当審における予備的主張についての裁判所の判断です。
 
 控訴人さんは、当審において、控訴人さんの商品の包装全体が商品等表示であり、被控訴人さん(原審の被告さん)が類似の包装を被控訴人さんの商品に使用して、控訴人さんの商品と混同を生じさせる行為を行ったことが不正競争行為であるとの主張を追加してました。
  
  もう一度見てみると、控訴人さんの商品の包装はこちら。
 

 一方、被控訴人さんの商品の包装はこちら。
 

 裁判所は、
 『外観において,図柄及び色彩が全く異なっていることが一見して明らかであるばかりか,前記1で認定したとおり,「寒天オリゴ糖」という文字表示は,商品の原材料を表した普通名称であって,それ自体単独で自他商品識別機能ないし出所表示機能を有するものとは認められないことをも考慮すれば,控訴人商品の包装の表示と被控訴人商品の包装の表示が類似するとは認められない。
 としました。

 結論としては、控訴人さんの請求は棄却されたのでした。

*****
 
 さて…。

 控訴人さんのHPを見てみたら、ちょっと気になる表示を発見(控訴人さんのHPはこちら)。
 
 水虫殺菌用の商品についての説明中の表示に目を奪われました。
 「足浸け」という語が気になります(「かゆみバイバイ君」という商品名ではなく)
 
 「足浸け」なんてサラっと名詞化されてますが、この種商品の需要者さんの間ではふつーに名詞として使うものなのでしょうか。「最近、足浸けやってる?」「足浸け、いいよねー」なんて会話が交わされたりして。

 そうでないならば、これこそ商標的にナイスでないですか?
 インパクトがありながら、かつ、聞いた瞬間にイメージが思い浮かぶでないですか?識別力、なんとか勝負したい感じです。

 あっ…
 またいらん所に目が行ってしました。

 本日はこの辺で。
 次回も見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
 ↓↓↓
 

※くどいようですが、控訴人さんの商品の包装の「フコイダン」なる文字については、こんな事件もございました(
こちら)。

駒沢公園行政書士日記:寒天オリゴ糖事件もご参考に!
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この記事をご覧になって、商標などに興味を持たれた方は…


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