商標新着審決【3条1項各号(&4条1項16号)・2項系】

 ■■■商標新着審決【3条1項各号(&4条1項16号)・2項系】

●不服2008-650182
本願商標
指定商品:第9類「Computers and computer hardware」等

本願商標(国際登録第909985号に係る国際商標登録出願)は登録すべきものと判断されました。
*商標の構成: 『本願商標は前述のとおりデザイン化された態様からなるものであり、本願商標に係る指定商品の品質、形状及び指定役務の質等を直接的に表示したものとはいえないものである。
*請求人・一般使用の事実について: 『請求人…は、インターフェース規格の…USB技術の開発、並びにUSB規格対応の周辺機器の開発及び需要者への普及を支援、促進を目的として1995年に米国で設立された非営利の法人組織である。…そして、本願商標の構成中の三つ又図形部分は、請求人…のロゴ・マーク(2009-10年版 最新パソコン・IT用語辞典より)として知られているところであり、請求人の主張及び請求人の提出に係る各証拠、並びに、当審における職権調査によれば、これが請求人と何ら関係のない者によって、商品の品質又は役務の質を表示するものとして、普通に採択、使用されている事実は確認することはできないものである。

●不服2009-5746
本願商標
指定役務:第36類「預貯金からの株式等の買付代金の自動振込・振替」」等
「資金スイープ」(標準文字)

本願商標(商願2007-127132)は登録すべきものではないと判断されました。
*商標の構成・一般使用の事実: 『同後半の「スイープ」の片仮名文字は、集英社発行の「imidas2007」には、…7番目の意味として「証券 スイープアカウント.資金総合口座.」との記載が、そして、三省堂発行の「コンサイスカタカナ語辞典(第3版)」には、…「?口座 [sweep account]」の見出し語が設けられ、「銀行の預金と証券会社の債権運用を組み合わせた資金口座.銀行の普通預金が一定額以上になると超過分を中期国債ファンドに回し,一定額以下になると自動的に中期国債ファンドを解約して預金に充当する.」との記載があるとおり、「スイープ」の語が、前記意味合いを有する外来語として一般的にも知られているというべきである。
なお、「スイープ」の語が、本願指定役務中「預貯金からの株式等の買付代金の自動振込・振替」等のサービスを行う業界において、前記意味合いを有する語として普通に使用されている実情…

*請求人の主張について: 『請求人は、「『資金スイープ』と言う言葉が特定の意味を直感させるものとして市場において普通に使用されていないことに鑑みれば、識別力を有する商標として登録されてしかるべきである」旨及び「市場で普通に使用されている事実のない言葉の組み合わせからなる結合商標は、一見識別力を欠くように思える『ウィークマーク』であったとしても、識別力を有する商標として登録されるべきものである」旨をそれぞれ主張している。
しかしながら、本願商標が識別力を有するか否かについては、その指定役務に係る需要者又は取引者が、本願商標に接した場合に、これをどのように認識し理解するかが重要なのであるから、需要者又は取引者が、役務の質、すなわち、役務の内容を表示したものと一般に認識することをもって足りるというべきである。

●不服2009-1914
本願商標
指定商品:第14類「内視鏡の形状からなる貴金属製若しくはその合金製の記念カップ」等及び第16類「内視鏡及び内視鏡を備えた手術用機械器具に関するカタログ及び印刷物」

本願商標(商願2007- 89936)は登録すべきものと判断されました。
なお、補正前の指定商品第10類「医療用機械器具,特に手術用機械器具」等は、拒絶査定で商品の形状表示となる・商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるとされ、削除されています。

●不服2009-154884
本願商標
指定役務:第35類「企業の内部統制の構築・運用に関する診断及び助言」等
「内部統制監視センター」

本願商標(商願2007-113901)は登録すべきものと判断されました。
*商標の構成: 『該文字は、原審説示の如き意味合いを暗示させることがあるとしても、これが直ちに特定の意味合いをもって親しまれ、あるいは、特定の役務の質を具体的に表示するものとして、一般に理解されているとは認め難いところである。
*一般使用の事実: 『当審において職権をもって調査するも、「内部統制監視センター」の文字が、本願の指定役務を取り扱う業界において、役務の質等を表示するものとして、普通に使用されている事実を見いだすことはできなかった。

●不服2009-11226
本願商標
指定商品:第1類「アルミン酸カルシウム,その他のアルミン酸塩,その他の金属酸塩,その他の無機塩類,その他の化学品」
「ECOFLUX」(標準文字)

本願商標(商願2007-127705)は登録すべきものではないと判断されました。
*商標の構成・一般使用の事実: 『…本願の指定商品を取り扱う業界においては、「フラックス」又は「flux」の語が「はんだ付け用のフラックス(融剤)」及び「溶接用のフラックス(融剤)」等の「フラックス(融剤)」を表すために普通に用いられているものといえる。
近時の環境に関する関心の高まりの中、多くの公的機関や企業においては、環境に配慮した取組や商品であることを表すものとして、例えば次のように「ECO○○○」又は「エコ○○」と称し、「ECO」又は「エコ」の文字を語頭に用いている事実がある。
本願商標は、例え「ECOFLUX」と標準文字で一連に表してなるとしても、「フラックス(融剤)」をはじめとする本願の指定商品の取引者・需要者は、当該文字を「ECO」と「FLUX」の二語を結合してなるものと容易に理解するとみるのが自然である。

●不服2009-5287
本願商標
指定商品:第1類「化学品,原料プラスチック」
「MXナイロン」(標準文字)

本願商標(商願2008- 14287)は登録すべきものではないと判断されました。
*商標の構成・一般使用の事実: 『構成全体をもって特段の意味を有するものではないこと、「MX」と「ナイロン」とは欧文字と片仮名という異なる種類の文字であって視覚的に分離されて認識されるものであり、「ナイロン」は、本件指定商品中の商品「ナイロン樹脂」の普通名称といえるものであることから、本願商標は、「MX」及び「ナイロン」からなるものと容易に理解されるものである。
そして、「MX」は、欧文字「M」と「X」のわずか2文字にすぎないから、それのみでは、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章」(商標法第3条第1項第5号参照)といわざるをえないものであって、かつ、本願指定商品に係る化学品及び原料プラスチック分野においては、欧文字2字が商品の品番等を表す記号、符号として頻繁に使用されているものである(このことは、例えば、プラスチック工業連盟等の団体の加盟各社のウェブサイトなどを見ても明らかである)。

*請求人の主張について: 『…しかしながら、本願商標は、外観上、同書、同大、同間隔でまとまりよく表され、これより生ずる称呼が一連に称呼し得るとしても、前述のとおり、本願商標は、容易に「MX」と「ナイロン」の文字よりなるものと認識されるのであるから、その主張は採用できない。
請求人は、「MX」が、本願指定商品を取り扱う業界において、商品の品質、型番等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実を見いだせなかったとし、本願商標は、格別の意味を生じない一種の造語と見るべきである旨主張している。
しかしながら、上記のとおり、「MX」は、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章」といえるものであって、かつ、欧文字2字に係る前記取引の実情からすると、「MX」の文字自体が使用されていないとしても、それにより前記認定を左右するものではない。

 

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