同じ病気で手術された方々のブログの術後の経過に比較すると、自分の驚異的な(?)復元力に少々驚きつつ、すっかり調子に乗り始めたひろたです。
久しぶりに商標の新着審決をアップしてみようと思います。相変わらずの独断と偏見に満ちたセレクションですが、張り切っていってみよー!
■■■【3条1項各号(&4条1項16号)・2項系】
●不服2011-8732
本願商標(商願2010- 21255)
指定商品:第1類「肥料,植物成長調整剤類」
「土養生」(標準文字)
本願商標は登録すべきものと判断されました。
*商標の構成: 『本願商標が「土」の文字と「植物の生育を助成・保護するために、支柱・敷藁・施肥などの手当をすること。(広辞苑第六版)」の意味を有する「養生」の文字(語)とを結合したものと認識されるとしても、「土養生」の文字全体として、原審説示のような意味合いを直ちに認識させるとはいい難いものである。』
*一般使用の事実: 『職権をもって調査するも、本願の指定商品を取り扱う業界において、「土養生」の文字が商品の品質を表示するものとして取引上、普通に採択、使用されている事実は発見することができず、さらに、当該商品の取引者、需要者が該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。』
●不服2011-14275
本願商標(商願2010- 62099)
指定商品・役務:第9類「電子出版物」等、第16類「雑誌」等、第41類「電子出版物の提供」等
「ジャパンコミックス\Japan Comics」
本願商標は登録すべきものと判断されました。
*商標の構成: 『…「日本の漫画・漫画雑誌」ほどの漠然とした意味合いを想起させるとしても,その指定商品又は指定役務との関係において,これがただちに特定の内容を表示するものと認識されるとはいい難く…』
*一般使用の事実: 『…当審において職権をもって調査するも,本願の指定商品又は指定役務を取り扱う業界において,「ジャパンコミックス」と「Japan Comics」の文字が,商品の品質又は役務の質等を表示するものとして,取引上一般に使用されている事実を発見できなかった。』
●不服2011-3304
本願商標(商願2009- 84411)
指定商品・役務:第16類「印刷物」等、第41類「セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の製作」等
「田んぼアート」
本願商標は拒絶すべきものと判断されました。
*商標の構成: 『…「田んぼ」…「アート」…両文字は、一般によく知られており、親しまれている語であるから、これよりは、「たんぼの芸術」という程の意味合いを容易に認識させるものである。』
*一般使用の事実: 『…「田んぼアート」の文字は、街おこし等のイベント、食育研究の一環、稲刈り体験等のために企画されるものとして、広く使用されているものというべきであって、たんぼに数種類の稲を植え、稲の色や、背丈の違いなどで、文字や絵を描くものであって、一般の人々に、「稲によって、たんぼに描かれる文字や絵。」という程の意味合いのものとして理解されているものというのが相当である。
また、一般の人々に知られ使用されている用語は、商品や役務の内容を表示する場合も少なくなく、何人も使用を欲するものであり、特定人に商標登録を認めるのは妥当でないというべきである。
そうしてみると、「田んぼアート」の文字は、前記の意味合いのもと、全国各地において、街おこし等のイベント、食育研究の一環、稲刈り体験等のために企画され、使用されているものであって、これが商品や役務に使用された場合には、商品の品質、役務の質等を表示するものとして、取引者、需要者に理解され得るものというのが相当である。』
●不服2011-24904
本願商標(商願2010-87481)
指定商品・役務:第9類「映像・画像の立体視を可能とする機能を有する電子計算機用プログラム(電気通信回路を通じてダウンロードにより販売されるものを含む。)」等、第10類「映像・画像の立体視を可能とする機能を有する医療用機械器具」等、第42類「映像・画像の立体視を可能とする機能を有する電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」等
本願商標は登録すべきものと判断されました。
*商標の構成: 『…本願商標は、上記のとおりのモノグラムからなるものといえるものであり、原審が説示するような、未だ特殊とも認められない普通に用いられる方法で表示したにすぎないものとはいえないというのが相当である。』
*一般使用の事実: 『当審において職権をもって調査するも、かかる構成からなる本願商標が、その指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、商品の品質及び役務の質を表示するものとして、取引上、普通に採択、使用されている事実を発見できなかった。』
●不服2011-650070
本願商標(国際登録第1030800号商標に係る国際商標登録出願)
指定商品:第18類「Animal hides sold to others for further processing.」
「ROYAL BLUE LEATHER」
本願商標は登録すべきものと判断されました。
*指定商品との関係: 『本願の指定商品「Animal hides sold to others for further processing」は、完成品として一般消費者に販売される製品ではなく、加工素材としての「獣皮」であって、本来的に無着色で販売されるものであり、特定の色に着色されて販売されるものではない。
そして、その主な取引者、需要者は、獣皮に所要加工を施して皮革製品を製造する皮革製品製造専門業者である。
そうとすると、本願商標に接する取引者、需要者である皮革製品製造専門業者は、本願商標の「ROYAL BLUE」の文字部分を、商品の色彩を表したものと認識し、理解するということはできない。』
●不服2011-650178
本願商標(国際登録第1052284号に係る国際商標登録出願)
指定商品:第27類「Sporting mats,namely,martial arts mats,grappling mats,wrestling mats,gymnastic mats,cheerleading mats,and gymnastic tumbling mats;personal exercise mats.」
本願商標は登録すべきものと判断されました。
*商標の構成: 『…これに接する取引者、需要者が、その指定商品との関係において、直ちに「運動用、体操用等のマットの使用方法、形状」等を理解、認識するものとはいい難く、…』
*一般使用の事実: 『…当審において職権をもって調査するも、本願商標の如き図形が、その指定商品の品質等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実も発見することができなかった。』
●不服2010-650106
本願商標(国際登録第1011599号に係る国際商標登録出願)
指定商品:第30類「Cocoa,chocolate,cocoa and chocolate-based beverages;goods made of chocolate.」
「MACAE」(「E」の文字にはアクサンテギュが付されている)
本願商標は登録すべきものと判断されました。
*地名: 『…その都市名が、我が国において広く一般に知られているとは認め難いものであり、本願の指定商品の産地、販売地であるというような事情も認められないことからすると、本願商標からは、取引者、需要者をしてブラジルの一都市と認識される場合があったとしても、そのことをもって直ちに指定商品の産地、販売地であると認識するとまではいい難いものである。』
*一般使用の事実: 『当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品を取り扱う業界において商品の産地、販売地表示として、普通に使用されている事実も見いだすことができなかった。』
●不服2011-650129
本願商標(国際登録第737467号に係る国際商標登録出願)
指定商品:第33類「Madeira wine made in Portugal.」
「EAST INDIA MADEIRA」
本願商標は登録すべきものと判断されました。
*地名: 『…「EAST INDIA」の文字部分が、「=East Indies【東インド(インド・インドネシア・マレー諸島を含む地方の旧称)】」の意味を有し、また「MADEIRA」の文字部分が、「マデイラ(ワイン)【Madeira島産でsherryに似た芳香とこくのある強化白ワイン】」の意味を有する語(ともに、研究社 新英和大辞典 第6版)であるとしても、「EAST INDIA MADEIRA」と表した本願商標全体からは、原審説示の如く、「東インド経由で輸入されたマディラワイン」の意味合いを認識させるものとは認め難く、当該文字から、直ちに、特定の商品の品質等を直接的又は具体的に表示するものとはいい難い。』
*一般使用の事実: 『当審において調査するも、「EAST INDIA MADEIRA」の文字がその指定商品の品質を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実も見いだせなかった。』
本日は以上です!No.2に続くでよー。また見ていただけるならぷちっと押してくださいな(。-_-。)/
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ちっちゃいことでも。
全社協 被災地支援・災害ボランティア情報
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※左上の画像データは名古屋市さんのご好意により提供していただきました。
この記事を読んでひろた興味を持たれた方は…
【執筆記事】
「知財管理」誌 VOL.62 NO.3
(外部向け企業活動の名称に関する検討・考察(商標法第4条第1項第7号を中心として -「出版大学」審決取消請求訴訟事件-)
「知財管理」誌 VOL.60 NO.6
(並行輸入と商標権侵害 -並行輸入の抗弁における「同一人性の要件」及び「品質管理性の要件」-)
「知財産管理」誌 VOL.58 NO.5
(「腸能力」審決取消請求事件(平成19年(行ケ)第10042号 審決取消請求事件)
「パテント」誌 2011.2 Vol.64
(部分意匠に関する判例研究 -類否判断を中心に- 包装用容器事件)
字数制限が厳しかったので尻切れトンボ気味ですが…
【関係事件】
代理人になった事件です。負けたのでご紹介するのをためらっておりましたが、思い切って…。
平成18年(行ケ)第10367号審決取消請求事件
なお、牛木理一先生のHPで紹介いただいているので(「特許ニュース」2007年6月29日号の記事です)、そちらも併せてご覧ください~(こちらのB-27の項です)。
【紹介記事】
知らないうちに、紹介記事を書いてくださっていました(かなり前の講座ですが、たまたま発見しました)。
2010年9月 岐阜県立城北高等学校での講座
【ZIP FM Z-TIME BIZ】
2008/07/23 商標の話題で出演
※注意!弁理士さんや知財部門のご担当など、クロートの方へ!
このブログでは、わかりやすくするために、正確でない表現を使ったり、はしょったり、大雑把にしてたり、…等々してますが、目くじら立てずに見逃して下さい
また、判例・新着審決・最近の話題は、“ホットなうちに”スピード重視でご紹介しておりますので、読み間違い・勘間違い・理解間違い・論点見逃しがある かもしれません。さらに、原文が外国語のものも、読み間違い・勘間違い・理解間違い・論点見逃しがあるかもしれません。 疑問を感じられたらご一報いただ けるとありがたく存じます
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