あいぎ特許事務所が発行している「AIGI MAGAZINE」は「パテントの小部屋」「ブランドの小部屋」「知財お役立小ネタ」「外国知財小ネタ」の4本立て。そのうち「ブランドの小部屋」の記事を、1ヶ月遅れで掲載いたします。
「ブランドの小部屋」は、ブランドに関わる商標や意匠等の制度について、小ネタとして、わかりやすくお伝えしてくシリーズです。
商標出願の前には査を⾏い、調査の結果がよければ出願する、というのが一般的だと思います。
⼀旦出願してしまえば、出願順は確保できるので、とりあえずはホッとできます。
ですが、出願の後に特許庁が審査する期間が結構長いですね…(いまですと、だいたい6〜10ヶ⽉くらいです)。
審査結果が来る前に、早く商標を使いたい。
けど、もしできなかったらどうなるの?
その場のリスクや策等について、触れてみます。
審査結果で商標が”登録できない”と言われる場合 、ざっくりと、下の2つのどちらかの理由が多いです。
①⼀的によく使われていたり、単に的な語や図なので、できない。
②他者の既登録商標に似ているので、登録できない。
①②の理由は、たいていは、出願前の調査で指摘されると思います。
超乱暴に言うと、調査で①の理由だけが指摘されている場合は、審査結果が来る前に使い始めることに、それほど気をわなくてもいと思います。
”理論的には” アナタの商標ができないなら、誰が出願しても登録できないということなので、将来、誰かの商標権を侵害するリスクは⽣じないはずだからです。
(ただし、あくまで”理論上”の話で、特許庁の審査や審判や裁判では理論的な論にならないことも少なくないです汗。これについては、また別途。)
一方、審査で②の理由が指されている場は、審査結果が来る前に使いめるのは要注意です。他者の既登録商標に似ているということは、出願した商標を使うと侵害になる可能性が高いことが多いからです。
ただ、審査で②の理由が指されると、通常は、リスク回避のために、その商標を諦めて別の商標に変更等すると思います。
諦めずに出願したということは、出願せざるを得ない理由(既に広く/長く使ってしまっていて引くに引けない等)があると思います。
そして、調査段階でリスクを把握できているので、対応策にについてご相されていると思います。
すると、想定してなかった思わぬ問題が発⽣するのは、
『調査では②の理由が指摘されていなかったのに、実は②の理由に該当していた』
というケースです。
調査で使うDBには、調査時の直近に出願されたデータが入っておらず、たまたま似たような商標が出願
されていても検索できません。なので、物理的に、調査では②の理由を100%の確率で指摘できません。
そういった理由で、後に、実は②の理由に当していたことが判明することがすることがあるのです(稀ですが)。
これを考慮して、自分の商標の出願より前の出願が概ね出揃う6ヶ⽉度(※)したら、再度調査査して、②の理由に当しないことを確認すると安心でしょう。
(※「6ヶ⽉度」としているのは、外国から入ってくる出願を考慮しています。日本語の商標で外国から入ってこないだろうな…と想定されるのであれば、2ヶ⽉度でいいかもしれません。)
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