先発者優位性は特許だけでは得られない

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昨夜は、知財情報コンサルタントの野崎篤志さん代表のイーパテントさん( http://e-patent.co.jp/)のYoutube番組「イーパテントイーパテントチャンネル」に「登山の魅力とIP登山部の活動」というテーマでゲスト出演させていただきました。

#登山 の魅力と #IP登山部 の活動- #廣田美穂 氏(IP登山部会長 #あいぎ特許事務所 副所長 弁理士)

 

番組の中では、野崎さんが即席で特許分析をしてくださっているのですが(超早業に注目!)、いろいろ新しい発見が色々あって、とても面白かったです。

 

ところで、この番組の中でも触れた株式会社ヤマップさん(https://yamap.com/)の特許について、ひとこと感想を。

株式会社ヤマップさんは、特許を、「見守り機能」システムに関連する1件しか持ってません。

特許6948731
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-6948731/0C2E3338D0E7AB832E28EC989E0067EB1301F837172BA5F84FAB910EE25FD671/15/ja

「山で “すれ違った誰か” が、登山者の命を救う。進化した「みまもり機能」と特許取得のお知らせ / ヤマップ」
https://corporate.yamap.co.jp/news/2021-11-16/

 

日々色々な知財情報に触れていると、特許が1件とは、いかにも少なく感じますね。

ですが、先発者優位性は、特許を持っているからといって得られるわけではないですね。

 

ヤマップアプリの「見守り機能」は、当初、登山の世界では目新しいものだったように思います。

 

この「見守り機能」が広く活用されている背景としては、機能の高さはさることながら、それまでに既に確立されていたヤマップアプリのプラットフォームとヤマップブランド力を活かしたことと、市場投入したタイミングが功を奏したことが大きいと思います。

特に、自分の山行記録をヤマップのプラットフォームに蓄積している登山者は、他のプラットフォームに乗り換えるにはスイッチングコストが高すぎると思います。
なので、仮に、他社が、(株)ヤマップさんの特許を回避して「見守り機能」を実現したとしても、容易には乗り換えてくれないように思います。

すると、(株)ヤマップさんの特許は、現状では、実質的(中身的)には、先行者優位性を崩さないための “補助的”役割って感じかな?

 

でも(株)ヤマップさんは、「見守り機能」について「特許を取っている」ということを上手くアピールして、宣伝広告的に活用していますね。

知財は、あくまでビジネスツールなので、どういうふうに活用しようと、ビジネスにプラスになればいいですよね。
こんなふうに、中小企業では、たとえ特許が1件であっても「意味がある」ことがありますね。

 

※(株)ヤマップさんの商標については、Toreruさんの記事で取り上げられています。
https://toreru.jp/media/trademark/7034/

 

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