7年ぶりに携帯電話を変えてみました。折り畳み式でもなく、カメラも付いていないシロモノでしたが、特に不都合も感じることはありませんでした。この職業と趣味(山中でのクライミング)のせいでしょうか。
山によく出掛ける人々の間では、『山中ではD×C××oが通じる。しかもM××aの方がつながる』というのが定説ですが、真偽のほどはわかりません。
この「D×C××o」と伏字を使ったところでバレバレの「NTT/DoCoMo」という商標は、周知・著名商標として特許庁のデータベースにも記録されています(指定役務は第38類「移動体電話による通信,無線呼出し,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」)。
ところで、例えば指定商品や指定役務が全く異なる業種のものであれば、登録商標と類似の商標であっても、「非類似」と判断されて登録され得る場合があります。
それでは、「NTT/DoCoMo」のように周知・著名な商標と類似する商標を、全く異なる商品・役務を指定して出願したら、登録される可能性はあるのでしょうか?
これに関して、実際に、「DoCodeMo」という文字を、「紙製包装容器等」(第16類)を指定商品とした商標出願がありました。
この商標出願について、審査では
『~この出願前より需要者の間で広く認識されている「NTT DoCoMo」と同一又は類似する商標であるから、~著名性を利用して不正の利益を得る等の目的をもってその登録出願をしたものと推認され、不正の目的をもって使用するものと判断するのが相当である』
ので、4条1項19号に該当するとして、拒絶されました。
また、この審査結果を不服として出願人が請求した審判でも、
『~本願商標は、~引用商標とは外観上極めて類似するものと認められる。そうすると、請求人は、引用商標が(株)NTTドコモの業務に係る役務を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されている商標であることを承知の上、引用商標に化体した顧客吸引力を希釈させ、その信用、名声を毀損させ若しくはその信用に便乗し不当な利益を得る等の不正の目的のもとに、引用商標と極めて類似する本願商標を出願し、登録を受けようとしたものと推認せざるを得ない。』
として、審査結果が妥当であると結論付けました。
有名な商標と似ていると、全くのオリジナルだと立証するのは難しいですよね…。
というように、たとえ指定商品・指定役務が全く異なるもの(競業関係がなさそうなもの)であっても、有名な商標と明らかに類似すると判断できる商標は、著名性に便乗する等の不正の目的が推認され、登録されないことが多いです。
本日はこの辺で。
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