キモはもう一つあった

 あわわ、早朝書ききれなかったので、昼休みに続きを書いています。

 先週取り上げた「花粉」の話、この話にはもう一つキモがありましたが、あまり言及しなかったので、また取り上げます。(先週の記事はこちらこちらご覧下さい)

 先週の話では、裁判所が「花粉のど飴」を商標的使用と認めたのは、主として次の2つの理由からでした。
 (1)「花粉のど飴」の語が,「花粉症に効くのど飴」ないし「花粉症対策用のど飴」を意味する語として,一般的に認識され,使用されているとまでは認めることができない。
 (2)被告の使用商標は、目に付く部分に大書きされてるから、「普通に用いられる方法で表示する」といえない。

 先週は、(1)について言及しましたが、(2)について言及しなかったので、今日は(2)についての話を。

 「普通に用いられる方法」については、複数の解釈がありますが、一応逐条解説によると、『商標としての識別機能を発揮しない使用の仕方』とされています。
 つまり、特殊な書体等で使用せず、パッケージの隅に小さく書いたり、説明文的なものの中で使用したり、ネーミングとしてアピールしないような使用の仕方が「普通に用いられる方法」である、と。

 でも、実際の裁判では、採用する解釈の違いもあるし、また同じ解釈であっても参酌される取引の事情が異なることから、「○○だから必ずOK」とか「××だから必ずNG」とは断言できないのが実情です。

 ただ、目に付く部分に大書きされていて「普通に用いられる方法で表示する」と判断されるケースは比較的見受けられるように思います。
 
 他人の登録商標が商品の内容をそのまま表すように思えても、上記(1)のように判断されて「商品の内容をそのまま表すものではない」と判断される場合は大いにあり得ます(そもそも“登録”されていますので)。
 また、「普通に用いられる方法」でない態様で用いると、商標権侵害と判断されることがあります。

 本日はこの辺で。
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