一昨日の続きなので、今さら何のこっちゃかもしれません。でも、ホワイトデーが近づいてきてちょううどいい感じなので、「πDay」商標の話題の続きを。
「πDay」商標で問題となったのは、菓子の「パイ」とおかずの「ミートパイ」が商標的に似ているか否かについてでした。これら2つの商品は、類似群コードが異なっています。
特許庁では、類似群コードが異なる商品同士は一応非類似の商品だと推定して審査を進めます。
でも、無効審判では、以下のように判断されたのです。
『「前記取引の実情等を総合すれば,本件商標をその指定商品中,「菓子」の範疇に属する「パイ」について使用した場合,これに接する需要者は,本件商標と引用商標1とが商標において類似するものであるが故に,該商品が引用商標1を使用した「ミートパイ」と同一の営業者によって製造又は販売されたものであるかのように,商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるというのが相当である。
したがって,本件商標の指定商品中「菓子」の範疇に属する「パイ」と引用商標1の指定商品中の「ミートパイ」は,類似の商品といわなければならない。』
この判断は、昔の最高裁の判断基準に基づいています。
本件商標「14 March=π(Pi. Pie)Day
(3.14)」
と
引用商標1「3.14=π(パイ)の日」
が似ているが故に、
菓子の「パイ」を指定している前者が「ミートパイ」を指定している後者と同じお店で製造販売されているとお客さんが間違えちゃうおそれがある…という判断です。
それにしても、どちらの商標も、めちゃピンポイントですね。
ちなみに、引用商標1の商標権者の方は、どうやら「日本パイ協会」の方のようです。アメリカで、円周率の「π」にちなんで3月14日を「パイの日」とした行事があったことから、菓子の「パイ」の日としたようです。
と、ここまで書いて、ハタと気付いたこと。引用商標1の商標権者の方は、「ミートパイ」ではなく、菓子の「パイ」の協会のようです。
というか、そもそも引用商標1の指定商品に「菓子及びパン」が含まれている…(本件商標の指定商品も「菓子及びパン」となっている)。
ということは、審査では、双方の商標自体が非類似と判断されていたということでしょうか。また、無効審判ではなぜ「菓子及びパン」で戦わなかったのでしょうか?
何か特別な事情があったのでしょうか??
…疑問をぶつけっぱなしにして、無責任にこの話題を終わります。
(事情をご存知の方がいたら、ご教示を…)
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