昨日は虎団のMを消しましたね、ドラゴンズ!岩瀬も復活!CSまで3位以内をキープしてね…
さて、昨日の続きです。
(株)SUMCOが三菱住友シリコン株式会社時代に出願した「SUMCO」という商標の拒絶審決取消訴訟のハナシでした。
おさらいをすると、
(株)SUMCOが出願したのは、商標「SUMCO」(標準文字)、指定商品「半導体ウエハ」。
引用商標2は、商標「サームコ」、指定商品「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)」等。
引用商標3は、商標「THERMCO」、指定商品「電子応用器械器具(医療機械器具に属するものを除く。)」等。
(株)SUMCOの出願商標も、引用商標2・3も、指定商品の類似群コードは11C01。
でも、類似群コードはあくまで類似するとの「推定」ですね。
商品の類否を判断する際には「取引実情」を参酌すべきだという古い最高裁判決がったりするので(PEACOCK事件)、それを踏襲して判断すると、類似群コードとは異なる結果になることが当然あるわけです。
では、この事件では?
まず、原告(出願人)が主張した事実をごく大雑把に掻い摘んでみると…
“半導体ウエハの中には、単結晶シリコンウエハと化合物半導体ウエハがあり、半導体ウエハの原料として、最も広く用いられているのはシリコンである。
そして、シリコン半導体ウエハの市場は、世界市場も日本市場も90%超のシェアを大手6社が分け合う寡占状態で、日本市場について見てもこれらの業者は、すべて専業の半導体ウエハメーカーである。
そんなこんなの事情から、半導体ウエハの製造販売業者と、電子応用機械器具に属する各種商品の製造販売業者とは、一致しないのが常態である。”
これについて、裁判所は、こんな風に判断しました。
電子応用器械器具として「集積回路等」を特に取り上げて、
『集積回路等の生産とその原料である半導体ウエハの生産とは分業化が進み,少なくとも単結晶シリコンウエハについては,専業の半導体ウエハメーカーがこれを生産し,集積回路等を生産するデバイスメーカー等は,これを半導体ウエハメーカーから購入することが,半導体ウエハ取引における常態となっていたものと認めるのが相当である。』
といったようなことから、
『半導体ウエハと集積回路等の電子応用機械器具とについて、同一又は類似の商標が使用されたときに、半導体ウエハの需要者であるデバイスメーカー等において、それらの商品が同一営業主の製造又は販売に係る商品であると誤認混同されるおそれはないというほかはない。』
と。概ね、原告の主張が受け入れたような。
なるほど、半導体ウエハの市場が寡占状態だという事情が参酌されたわけですね。この事情、なかなかあるハナシではないと思うので、ちょっと特殊?かもしれませんが。
そして、結局、「SUMCO」という商標は登録になったわけです。
でも…
今回の「サムコ(株)vs.(株)SUMCO事件(平成18年(ワ)第10718号)」の和解条項(の3番目)によると、この商標登録も抹消しなきゃいけないのでしょうか??
もしそうなら、せっかく頑張って登録したのに…
ところで、疑問に思ったことを。
「サムコ(株)vs.(株)SUMCO事件(平成18年(ワ)第10718号)」では、サムコ(株)のどの商標権に基づいて侵害訴訟を提起したのでしょう?
ちなみに、類似群コード11C01の商品を指定して「samco」を出願したのは最近のようなのですが?これは(タイミングによっては?)(株)SUMCOの既登録商標を引用して拒絶が来る??
おや、ちょっと気になる、と思われた方、ぷちっと押していただけると嬉しいです
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