社名の商標登録がカバーする範囲

あいぎ特許事務所が発行している「AIGI MAGAZINE」は「パテントの小部屋」「ブランドの小部屋」「知財お役立小ネタ」「外国知財小ネタ」の4本立て。そのうち「ブランドの小部屋」の記事を、1ヶ月遅れで掲載いたします。

AIGI MAGAZINE 2023年7月号 「特許の図面に似ていたら?」「社名の商標登録がカバーする範囲」等 4本です!
あいぎ特許事務所が配信するメールマガジン「AIGI MAGAZINE」2023年7月号を発行しました! 『知財を「経営に効くツール」に』 をモットーに、色々な情報をお届けします! 今月号の内容 パテントの...

 

「ブランドの小部屋」は、ブランドに関わる商標や意匠等の制度について、小ネタとして、わかりやすくお伝えしてくシリーズです。

 

第8回 社名の商標登録がカバーする範囲

社名については、商号登記すべきことはもちろんですが、商標登録もしておいた方がよい場合が多いことは、以前にも触れました。
「うちは、商号登記も商標登録も両方とも行ってますよ。」と仰られると、知財に対する意識が高い企業様だなぁと、嬉しくなります。

 

■新しい商品・サービスを展開するとき

会社の「事業の目的」を後から変更・追加すると定款変更が必要となるため、最初に事業の目的を広めに決めておき、それに合わせて、登記での「事業の目的」も広めに書いてあることが多いと思います。

なので、定款で定めた「事業の目的」の範囲内であれば、新しい商品・サービスを展開するときでも、定款や登記について、特別気にすることもないと思います。

 

一方、商標登録では、定款や登記での「事業の目的」よりも、ずっと細分化された商品・サービスを指定して行う必要があります。

なので、新しく展開する商品・サービスが、今持っている商標登録で指定した商品・サービスではカバーされない、ということも起こりがちです。

 

例)
会社の「事業の目的」として「レンタル事業」とされている場合でも、商標登録では、”何を”レンタルするのかまで特定する必要があります。商標権の範囲も、原則として、特定したレンタルの範囲に限定され、特定してないレンタルの範囲は、商標登録してないことになります。

 

こういったことが盲点となって、新しい商品・サービスを展開したら、実は、自社の商標登録ではカバーされておらず、その範囲で商標登録していた他者の商標権の侵害となってしまった…
というトラブルも起こり得ます(実際、そのようなご相談もときどきあります)。

 


新しいことを始めようとしたときは、やるべきことがたくさんあって、知的財産権への配慮はついつい後回しになりがちです。
ですが、一瞬でいいので、
「うちの商標登録でちゃんとカバーできてるかな?」
と気をつけて点検していただけると、後のトラブルを回避できると思います。

とはいえ、適切な商品・サービスを同定するのは、専門知識が必要なことも少なくないです。
点検が大変そうでしたら、弊所までご相談ください。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました