TVで嘘の放送がされたようですが、「納豆を食べるとやせる」と聞いてすぐに「そんな訳がない」と思いました。なぜなら、私の人生において最も太っていた時期、毎日のように納豆を食べていたから…。悲しい実証例です。
ところで、商品の品質やサービスの質について本当のことを表していないような商標(俗っぽく言うと嘘つき商標)は、商標法上どのように扱われるのでしょうか?
このことについて、
1.嘘つき商標を出願したら登録されるか?、
2.登録商標自体は嘘つきでないけど本当のことを表していないような使い方をしたらどうなるか?、
という2つの問題に分けて考えたいと思います。
まずは…
1.嘘つき商標を出願したら登録されるか?
商品の品質やサービスの質について本当のことを表していないような商標を出願する場合、「商品の品質や役務(サービス)の質の誤認を生じさせるおそれのある商標は登録できない」という規定に該当するかどうかが問題となります(4条1項16号)。
●それでは、例えば、化粧水について「スーパー顔力アッパー」(ちょっと無理がありますか??)という商標を出願した場合、消費者Aさんから「その化粧水を使ってもきれいにならないじゃん!」と文句が出ていたら、どうでしょうか。
「スーパー顔力アッパー」は、「スーパー」じゃない化粧水に対する嘘つき商標、つまり「商品の品質の誤認を生じさせるおそれのある商標」として登録されないのでしょうか?
「スーパー」のように“品質の優劣”に関して嘘(!?)を表示するような言葉は、「商品の品質の誤認を生じさせるおそれ」を表示するものに該当しない、とされています。
なぜなら、“品質の優劣”は比較の問題で多分に主観的であり、表示のみからは判断できないからです(実際は効果が出てるのに、Aさんの要求が高すぎて実感できないだけかもしれないし…)。また、日本の商標法は、使用の予定があれば登録可能とする主義(登録主義)を採用しているので、この例のように実際に比較すべき商品がない場合もあります。
したがって、(消費者から文句が出ても)「スーパー」という言葉を使っているからといって、審査の段階で「商品の品質の誤認を生じさせるおそれのある商標」に該当すると判断されることはなさそうです。
●一方、ハンドクリームについて「スーパー顔力アッパー」を出願した場合は?
う~ん、すごい技術革新で顔の肌がきれいになるハンドクリームが出来たら品質誤認ではないかもしれませんが…。そうでない限り、「商品の品質の誤認を生じさせるおそれのある商標」に該当すると判断される可能性は高いのではないでしょうか…?。
このように商品自体の特性・性質を誤認させたり、商品の産地、原材料、用途、生産方法、加工方法、使用方法等を誤認させるような言葉は、「商品の品質の誤認を生じさせるおそれのある商標」と判断される可能性が高いです。
●…以上のことをご参考に、嘘つき商標と判断されない言葉を選択して出願されることをお勧め致します。
本日はこの辺で。
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