やっぱり格好よくなくちゃ

 ダンナは早速、冬山へGO!そんな天気のよい週末だったのに、わたくしは風邪を引いてインドアな生活を送っておりました。

 さて、先週末の続きを。
 名刺と封筒に表示した登録商標のハナシでした。

 商標権者が行っていた業務はこちら。
 ・「顧問契約書」を締結した顧客又はその関連会社に対し,その事業,あるいは計画策定の円滑,かつ,戦略的な推進のため,あるいは上記顧客の指定した該顧客の役員,株主,従業員に係る事案処理の相談,監修,交渉代理,専門家(法律,財務会計,知的財産権,その他)の手配その他の支援業務。
 ・中国在の法人の依頼により,該中国在の法人の生産する商品について,日本企業又は日系企業に対する告知活動,販売促進活動,販売代理活動。
 ・「委託契約書」を締結した顧客に対し,ある会社の100%子会社化に関する交渉戦略の検討及び報告。

 商標権者の名刺は、『契約締結前の交渉,契約の締結,契約締結後の顧客との打合せ等の際に,商標権の代表者又は従業員が顧客に名刺を交付した』という使われ方をしておりました。
 また封筒は、『契約の締結前の交渉,契約の締結,契約締結後の顧客との打合せ等の際に,商標権者側から顧客に対し,封筒を使用して,契約書のドラフト,契約書,顧客に対する報告書及び意見書等を郵送した』という使われ方をしておりました。
 
 で、審決では、
 『上記商標権者が行っていた業務は、指定役務中の「法人の設立又は廃止及び法人の提携・合併又は買収に関する助言・仲介・斡旋又は契約の代理・媒介,法人の経営管理又は事業運営の代理又は代行,商品の販売に関する情報の提供」に属するもので、その指定役務について「商標の使用」がなされていた
 と判断されたのでありました。

 そして、この審決に対する取消訴訟が今日のテーマでございます。

 判決中のこの点に関する部分を簡単に…
 『
商標権者は,本件審判請求の登録前の3年以内に「法人の経営管理又は事業運営の代理又は代行」,「商
品の販売に関する情報の提供」及び「法人の設立又は廃止及び法人の提携・合併又は買収に関する助言・仲介・斡旋又は契約の代理・媒介」の範疇に属する業務を行っていたことが認められるところ,これら被告の業務の少なくとも一部の遂行の過程において,商標権者(の代表者)が名刺を使用して営業活動を行ったことを推認することができるほか,契約の相手方に対して関係書類を送付し,又は担当者等が持参して交付する際に,封筒を使用したことを推認することができる。

 『以上によると,審決が,名刺及び封筒の存在を前提として,被告によるこれらの使用の事実を認定したことに誤りはないというべきであるから,取消事由は理由がない。
 つまり、訴訟でも審決の判断が是認されました。

 突然ですが、ここで、「注解 商標法【新版】」(小野昌延先生 青林書院)から商標法2条3項8号の記載をちょっと抜粋してみます。
 『会社の商号の略称や社標が商標として登録されていても、該商標を商品やサービスと関係なく、会社自体の宣伝のために、広告書類に表示したり名刺や封筒に表示している場合には、商標の使用があったとはいえない。』

 でも、今回は、会社自体の宣伝のためでなく、サービスと関係があるように使っていたのだという判断だったということですよね…(多分)。
 
 難しいなぁ…と思われた方、ぷちっと押していただけると嬉しいです…
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