休み中にこのブログをご覧になっている皆様。お家で過ごされているor仕事されているのですね(悲)。私も、連休前にやってしまった膝副側側靭帯損傷Ⅱ度のため、激しく動けません(泣)。
しかもドラゴンズ、なんてこと…(激泣)。
最近の良かったことといえば、地下鉄で女子高生がパオロンの携帯ストラップを付けてるのを見て握手を求めたくなったことくらいです。
さて。
随分間延びしてしまった「ラブコスメ」商標登録無効審決の取消請求事件の続きです。
まず裁判所の出した結論から。
「ラブコスメ」商標と「ラブ」商標の類否について、裁判所が出した結論は、
『全体として類似する商標であるとはいえない。』
というものでした。
その理由を大雑把にいうと、
(1)構成自体を対比しても類似といえない、
(2)取引実情を参酌したらさらに類似といえない、
ということです。
で、(1)についてですが、まず本件商標「ラブコスメ」の要部については、差しあたり、「ラブ」と「コスメ」の結合商標だとした審決の判断内容及び当事者の主張に即して、「ラブ」と「コスメ」に分けて検討しています(判決文8頁~10頁)。
・「ラブ」:我が国ではよく知られた語。
・「コスメ」:「cosmetic」ないし「コスメチック」は,我が国において,本件登録出願及び登録査定のときに,化粧品を指す語であることが,一般に認識されていたとは,認められない。「cosmetic」ないし「コスメチック」が,一般に知られていないことを考慮すると,本件全証拠によっても,「コスメ」の語が,我が国において,化粧品を指す「cosmetic」ないし「コスメチック」の語の省略であることが認識されているとまではいえない。
・「ラブコスメ」は一連に表記したものであり,その音数は5音であって,ごく短いものであることに照らすと,本件商標に接した需要者及び取引者は,一連一体のものとして認識,理解する。
一方、各引用商標「ラブ」やら「Love」やらの判断については、以下の箇所がおもしろかったです(判決文10頁~11頁)。
『指定商品中の「化粧品」が,「美しく見えるよう,飾ったりするために用いるクリーム,洗顔剤などの商品」であることに照らすならば,「ラブ」の構成(引用商標2ないし4,6中の「ラブ」の称呼を生ずる部分を含む。以下同じ。)は,指定商品中の「化粧品」と,直接的な関連性があるとまではいえないが,密接な関連性を有する語であるということができる。そのような指定商品との関連性を考慮すると,「ラブ」の構成は,指定商品中の「化粧品」等に用いられる場合は,当然には,強い識別力・排他力を持つ語であるということはできない。』
う~ん「化粧品」の定義(?)と「ラブ」の関連性が、やや微妙ではあります…モノは言いよう??
⇒それで、本件商標と各引用商標とは、外観も称呼も観念も類似しないので非類似だ、という判断となりました(判決文12頁~13頁)。
次に(2)についてですが、
・本件商標「ラブコスメ」については、インターネットの通信販売でまあまあ周知っぽい、
・各引用商標については、取引実情がいまいちよくわからん、
と判断しました(端折りすぎですか?詳しくは判決文11頁~12頁、14頁)。
そして、最後に、
『外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合し,商品に係る前記認定に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すると,本件指定商品の出所が本件各引用商標の商標権者である被告であるとの誤認混同を生ずるおそれがあると認めることはできず,本件商標と本件各引用商標とは,全体として類似する商標であるとはいえない。』
と判示しました(判決文14頁)。
ということで、特許庁の出した無効審決は取り消すべきものである、という判断になりました。
ところで、今回の裁判所の判断、細かい部分はさておいて、去年の商標権侵害訴訟での知財高裁の判断と共通してる部分が多いように思います。本件は審決取消訴訟なのでもちろん相違はありますが。
っつーか、さすがに意識しますか…
さて、本日はこの辺で。気分が乗ったらGW中にまた書きます~
次回も見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
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