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気まぐれすぎて話題があちこち飛びっぱなしの商標亭へようこそ。
今日は何のハナシかというと、「ゆうメール」の商標権のハナシでございます。
アマゾンのハナシを続けるつもりだったのに、このありさま。この一貫性のなさが商標亭の持ち味でございます。許して。アマゾンに帰ってこれるかしらん。
○で、本日の主役「ゆうメール」の商標権のハナシはこちらがネタ元。
「ゆうメール:商標権で日本郵便と札幌の会社対決 東京地裁」毎日jp 2010.8.17の記事
まだ係争中ということで判決文が出ていないので詳細はわからんのですが、裁判になる前にADR活用したらしいですね…。
で、(株)札幌メール・サービスさんが持ってる商標権はこちら。
登録第4781631号 「ゆうメール」(標準文字)
指定役務:第35類「各戸に対する広告物の配布,広告,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,広告用具の貸与」
いわゆる広告業系サービスを指定しとります。
ちなみに(株)札幌メール・サービスさんのサイトはこちら。
一方、日本郵便さんの「ゆうメール」サービスの内容はこんな感じ→日本郵便さんの「ゆうメール」のサイト
○さて。
ネタ元の記事によると、(株)札幌メール・サービスさんは、「日本郵便のゆうメールのほとんどがDMなど広告物の各戸配布に当たる」と主張しておられるようです。
確かに郵便屋さんは荷物を各戸に配布してくれますね、そうですね…。
でも第35類でいうところの「各戸に対する広告物の配布」ちゅうのは、うちのマンションの集合ポストにDMを入れまくってバッタリ会ったりするとウヒャ間が悪いぜーと思っちゃうお兄さんがやってるような、DM配布の代行サービス的なものじゃ?
対象が「広告物」であるからこそサービスの意味がある“広告業系サービス”の範疇に入るりそうなものでは?
一方、日本郵便さんの「ゆうメール」を見ると、対象は広告物に限らんわけです。3Kgまでの冊子小包という縛りはあるものの、書籍やCDやDVD等もOK。
意味があるのは、そのブツをあっちからこっちへお届けする行為自体、つまり輸送・配達行為自体にあるわけで、その辺はネタ元の記事でも日本郵便さん側が主張しておられるようです。
なお、ネタ元の記事中で、郵便事業(株)さんが登録したと言及されている商標では、輸送・配達系サービスを押さえてあります。こちら↓
登録第4820232号 「ゆうメール」(標準文字)
指定役務:第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,船舶による輸送,航空機による輸送,郵便,メッセージ又は小荷物の速配,メッセージの配達,物品の配達,通信販売者からの受託による商品の配送,新聞の配達,小荷物の配達,小荷物の梱包 」
○…とはいうものの、私が知らんだけで、ひょっとして日本郵便さんは広告物配布代行っぽいサービスをやっとるん?
…とつぶやいたところ、ある方が教えてくれました。
「タウンメール」
お!近いか?
し、しかし、よく見ると、これも広告物に限定はしていないようだ…。実質的にはDMやチラシが殆どでしょうが…。
でも「子ども会のお知らせ」とか、「○○町 七夕の夕べ」とか、コミュニティ対象のお知らせにも使えそうだな…。
ちなみに、日本郵便さんは「たうんメール」の商標権を持ってます(第4556149号、第5004961号)。
(加筆↓)
※さらに情報いただきました。感謝感謝です。
どうやらJPメディアダイレクトさんがやってるサービスが広告業系ぽくて、「ダイレクトメディア」が近いかも。→サイトはこちら
○さらにちょい調べたところ、どうやら日本郵便さん側は、こんな防護標章登録出願をしとるようです。
商願2010-46830 「ゆうメール」(標準文字)
指定役務:第35類「広告,各戸に対する広告物の配布,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,求人情報の提供,小荷物・書類その他の配達物の宛名書き・封入・料金計算・発送・仕分け又は受取りの代行 」
○…と色々書いてみましたが、なにはともあれ、まずはどんな判断が出るのか興味津々なので、東京地裁の判決が出るのをキリンになって待ってます。
本日はこの辺で。
次回も見ていただける方、ぷちっと押していただけると嬉しいです。
↓↓↓
おっと、ちなみに、つぶやいたら教えてくれたのは、○witter上でのハナシ。
でも私は○witter上で放言・妄言・とんでも言をつぶやきまくっているので、don’t follow me!(汗)
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この記事を読んでひろた興味を持たれた方は…
【執筆記事】
「知財管理」誌 VOL.60 NO.6
(並行輸入と商標権侵害 -並行輸入の抗弁における「同一人性の要件」及び「品質管理性の要件」-)
「知財産管理」誌 VOL.58 NO.5
(「腸能力」審決取消請求事件(平成19年(行ケ)第10042号 審決取消請求事件)
内容はこちらからどうぞ
【関係事件】
代理人になった事件です。負けたのでご紹介するのをためらっておりましたが、思い切って…。
平成18年(行ケ)第10367号審決取消請求事件
なお、牛木理一先生のHPで紹介いただいているので(「特許ニュース」2007年6月29日号の記事です)、そちらも併せてご覧ください~(こちらのB-27の項です)。
【ZIP FM Z-TIME BIZ】
ここのフォトギャラリーになぜかわたくしが。
見付からないよ~?→ここです
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