昨日は委員会出席のために東京へ参りまして、その帰りに横浜から新幹線に乗りましたところ、車両のデッキから幼き子供と一緒にホームの女性に向かって手を振っている男性が。
ぎゃー ドラゴンズの和田じゃないですかー!!
あの頭の光具合とたれ目は間違いありません。自分のPCデスクトップの右側にいつもいらっしゃるんですもん。
あわあわあわ…
…でも気が小さいので声を掛けることすらできませんでした…(そして、他の乗客の方々は気づいてない様子…なんでだ?)
で、なんで自分が横浜から乗り込んだのかは、また今度。
で、今日は商標の新着審決のご紹介です。
■■■商標新着審決【4条1項11号・10号・15号・8条系】
●異議2009-900446
本件商標
指定商品:第39類に属する役務
「STAR JET」
引用商標
指定商品:第39類、第43類に属する役務
「JETSTAR」
本件商標(登録第5261689号)は引用商標(登録第4823285号)と非類似と判断されました。
*称呼・外観・観念の認定・類否: 『本件商標にあっては、たとえ申立人の主張のとおり、「STAR」の文字が「星、星印、人気者、スター」、「JET」の文字が「噴流、ジェット機」の各意味を有する英語として知られているとしても、構成文字全体に相応して、「スタージェット」のみの称呼を生ずる一体不可分の一種の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。』『引用商標にあっては、「JETSTAR」の構成文字全体に相応して、「ジェットスター」の称呼のみを生ずる一体不可分の一種の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。』『両者は共に5音という比較的短い音構成よりなり、しかも、各音構成が明らかに異なるものであるから、それぞれ一連に称呼しても、音感、音調を異にし互いに相紛れるおそれはないものというのが相当である。そして、本件商標と引用商標とは、それぞれ上記のとおりの構成よりなるものであるから、外観においては明確に区別し得るものであり、また、共に特定の意味を有しない造語であるから、観念について比較することはできないものである。』
なお、本件商標は4条1項10号・15号にも該当しないとされました。
『…申立人らがその役務に使用しているのは、主として「ジェットスター航空」又は「ジェットスター」であり、欧文字のみからなる引用商標「JETSTAR」をもって、我が国において、直ちに周知、著名になっていたものとまではいい難いものである。』
『また、航空機を利用する需要者、取引者は、通常行き先等を慎重に確認し、その上で航空会社も慎重に選択して利用しているのが一般的と考えられるから、「STAR JET」の「STAR」と「JET」とを置き換え、その上さらに一連の「JETSTAR」を連想、想起するとまではいえないというのが相当である。』
●無効2009-890073
本件商標
指定商品:第5類「薬剤,歯科治療用抗菌製剤,生物工学的及び合成的に開発された歯科用治療剤,歯科用抗菌剤」
「POLYDENTIX」
引用商標(合計7つ、商標の構成は同じなので代表として1つだけ挙げます)
指定商品:第5類「薬剤,口中清涼剤,口中清潔剤」
「POLIDENT」
本件商標(登録第5130391号)は引用商標(登録第2506309号)等と類似と判断されました。
*取引実情による本件商標の認定・類否: 『本件商標は、商標「ポリデント」が上記(1)のとおり「義歯ケア商品」に使用され著名であること、本件商標の指定商品が当該商品と関連性が強いものであること、及び本件商標「POLYDENTIX」の文字が全体で広く親しまれた成語でないことをあわせてみれば、本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者が、その構成中語頭部に位置し、「ポリデント」と同一の称呼を生じる「POLYDENT」の文字部分に着目し、記憶することが少なくないものと判断するのが相当である。そうとすれば、本件商標は、「POLYDENT」の文字部分が、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし、当該文字に相応し「ポリデント」の称呼及び義歯ケア用品のブランドとしての「ポリデント」の観念を生ずるといわなければならない。』『本件商標の「POLYDENT」の文字部分と引用各商標とは、称呼及び観念を共通にするものである。また、外観においては、引用各商標中の「ポリデント」の文字とは相違するものの、「POLYDENT」と文字との比較においては、中間部で「Y」と「I」の差異を有するが、他の文字構成及び配列を同じくするものであり、外観上も近似したものである。』
なお、4条1項15号にも該当するとされました。
『本件商標「POLYDENTIX」は、これをその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者が本件商標の構成中の「POLYDENT」の文字部分に着目し、記憶することが少なくないものであることは、前記(2)の認定のとおりである。してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者が著名な商標「ポリデント」を想起又は連想し、当該商品を請求人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるといわなければならない。』
●異議2010-900011
本件商標
指定商品:第41類、第45類に属する役務
「RAID END ROLL\レイドエンドロール」
引用商標
指定商品:第45類に属する役務
「エンドロール」
本願商標(登録第5271720号)は引用商標(登録第5096133号)と非類似と判断されました。
*称呼・外観・観念の認定・類否: 『本件商標は、…まとまり良く一体的に構成され、いずれも我が国において意味を有する語として知られていないから、構成文字に相応して構成全体から「レイドエンドロール」の称呼を生ずるが、観念を生じないものと認められる。』『本件商標の構成は、上段の「RAID END ROLL」の欧文字及び下段の「レイドエンドロール」の片仮名を同書、同大、各単語ごとに同間隔に、全体としてまとまりよく書してなり、構成全体から生ずる「レイドエンドロール」の称呼はよどみなく一連に容易に称呼し得るものであり、引用商標は上述したとおり本件商標の登録査定当時に周知、著名性を有していたとは認められないものであるから、一体不可分のものとして認識され、上述したとおり「レイドエンドロール」の称呼のみを生ずるというのが相当』『引用商標は、「エンドロール」の片仮名を横書きした構成からなるところ、該語は「映画やテレビ番組などの最終部で流す出演者や制作担当者の紹介字幕」を意味するものとして知られた語であるから、該構成文字に相応して「エンドロール」の称呼を生じ、「映画やテレビ番組などの最終部で流す出演者や制作担当者の紹介字幕」の観念を生ずるものである。』
なお、引用商標の周知・著名性が認められなかったため、本件商標は4条1項15号・7号・19号にも該当しないとされました。
●不服2009-4491
本願商標
指定商品:第5類に属する商品
「CONEXA」
引用商標
指定商品:第10類「医療用機械器具」
「CONEXUS」
本願商標(商願2008-10656)は引用商標(登録第4904492号)と非類似と判断されました。
*称呼・外観・観念の認定・類否: 『本願商標は、前記1のとおり、「CONEXA」の欧文字を標準文字で表してなるところ、特定の意味合いを有する既成語を表したものとはいえないから、我が国において親しまれた英語の発音例、例えば「共同、共通、相互」の意味を有する英語「co」を「コー」、「次の、隣の」の意味を有する英語「next」を「ネクスト」、「6」の意味を有する英語「hexa」を「ヘキサ」、「10の18乗」の意味を有する英語「exa」を「エクサ」(以上「新英和中辞典」株式会社研究社)と発音される例に倣って、構成文字全体から「コーネクサ」及び「コーネキサ」の称呼をも生ずるとみるのが相当である。』『引用商標は、前記2のとおり、「CONEXUS」の欧文字を標準文字で表してなるところ、特定の意味合いを有する既成語を表したものとはいい得ないから、同じく英語の発音例、例えば「共同、共通、相互」の意味を有する英語「co」を「コー」、「連鎖、結び、関係」の意味を有する英語「NEXUS」を「ネクサス」(以上「新英和中辞典」株式会社研究社)と発音されるから、その構成文字全体から「コーネクサス」の称呼を生ずるものと認められる。』『本願商標より生ずる「コーネクサ」の称呼と引用商標より生ずる「コーネクサス」の称呼を比較するに、両称呼は、5音と6音という音構成からなり、その差異は、後者の語尾に「ス」の音の有無という差異を有するものである。
しかして、両称呼は、第2音の長音に続く音が比較的強く発音されることからすれば、前者が「コー」「ネクサ」、後者が「コー」「ネクサス」と2音節風に発音され、聴取されるといえるものである。
そして、引用商標の後半部の比較的短い音構成における語尾の「ス」の音は、比較的印象の薄い名詞の複数形を表す語尾の「-s」とは異なり、例えば「ペガサス(Pegasus)、センサス(census)、テキサス(Texas)」のように、比較的明瞭に発音されるというべきであるから、この差異が、両称呼に及ぼす影響は決して小さくなく、両称呼をそれぞれを一連に称呼するときは、全体の語調、語感が異なり、互いに聞き誤るおそれはないというべきである。
また、両商標は、外観において、さほど冗長とはいえない文字構成において、語尾の「A」の文字と「US」の文字に差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、両商標の外観を見誤るおそれはないものということができる。
さらに、両商標は、観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができないものである。』
●不服2009-24001
本願商標
指定商品:第41類に属する役務
「SHINMAI」
引用商標
指定商品:第41類に属する役務
「信毎」
本願商標(商願2008-39586)は引用商標(登録第3084071号)と類似と判断されました。
*称呼・外観・観念の認定・類否: 『本願商標は、「SHINMAI」の文字を書してなり、該文字に相応して「シンマイ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じないものである。』『引用商標は、…、「信」及び「毎」を結合してなる「信毎」の文字が、特定の意味合いを看取させるものとはいえず、その構成全体として一種の造語として認識されるものと判断するのが相当である。よって、引用商標は、その構成文字から、「シンマイ」の称呼を生じ、かつ、特定の観念は生じないものである。 』『本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較できないものであるとしても、両商標は、「シンマイ」の称呼を共通にする類似の商標であることから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。』
*請求人の主張に対して: 『本願商標が、請求人を認識させるものとはいえず、かつ、引用商標が、直ちに、「信濃毎日新聞」の略称であることを認識するものとはいえないから、両商標が共に、特定の観念を生じ、それをもって、両者が区別し得るものとは認められないものである。』
●異議2009-685004
本件商標
指定商品:第9類に属する商品、第41類、第42類に属する役務
「CILAS Ecosizer」
引用商標
指定商品:第9類、第11類に属する商品
「SIRILAS」
本件商標(国際登録第933131号)は引用商標(国際登録第863902号)と非類似と判断されました。
*称呼・外観・観念の認定・類否: 『本件商標は、その両文字間の態様に軽重の差はなく、全体として外観上まとまりよく構成されており、これらを分離して見なければならない特段の事情も見あたらないものであって、その構成文字に相応して生ずる「シーラスエコサイザー」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。』
*取引実情: 『その構成中の「Ecosizer」文字部分を省略して、「CILAS」の文字部分のみに着目して取引にあたらなければならない格別の事由も見出せない』
●無効2009-680001
本件商標
指定商品:第3類、第5類に属する商品
引用商標1
指定商品:第1類に属する商品
「ISODINE」
引用商標2
指定商品:第1類に属する商品
「イソジン」
本件商標(国際商標登録第834416号)のうち、第5類『Pharmaceutical,medicinal,veterinary preparations and proprietary drugs.』に係る商標は、引用商標1(登録第498384号)、引用商標2(登録第584989号)と非類似と判断されました。
*本件商標の認定: 『本件商標は、…当該文字(語)は特定の読みをもって親しまれた成語よりなるものとは認められないから、このような商標に接する取引者、需要者は、我が国において親しまれている英語風の読み又はローマ字風の読みをもって商取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。そうすると、英語において、「Islam」(イスラム教)が「イスラム」と称呼され、同じく「din」(騒音)が「ディン」と称呼されている例に倣えば、本件商標は、その構成文字に相応して「イスディン」の称呼を生ずるというのが自然である。』
『本件商標「ISDIN」は、商標権者の名称「ISDIN.S.A」の略称と認められるところ、乙第1号証によれば、商標権者の名称の略称である「ISDIN」は、「イスディン」と称呼されているという取引の実情が認められる。』 『かかる取引の実情に加えて、上で認定したとおり、本件商標からは英語風に「イスディン」の称呼が生ずることを考慮するならば、本件商標からは、「イスディン」の称呼のみを生ずるというのが相当である。』『請求人は、本件商標の称呼について、「薬剤を取り扱う業界においては、語尾が『?DIN』で終わる商標は『?ディン』又は『?ジン』と称呼される場合が多い」旨主張し、甲第6号証の1及び2を提出している。しかしながら、甲第6号証の1及び2は、欧文字と片仮名文字が併記された登録商標の例を挙げているにすぎないから、かかる証拠をもって、薬剤を取り扱う業界において、語尾が「?DIN」で終わる商標は「?ジン」と称呼されると認めることはできない。また、他に、薬剤を取り扱う業界において、語尾が「?DIN」で終わる商標が「?ジン」と称呼されるととする実情を発見することもできないから、この点についての請求人の主張は採用しない。』
*引用商標の認定: 『引用商標1は、「ISODINE」の欧文字からなるところ、当該文字(語)は特定の読みをもって親しまれた成語よりなるものとは認められないから、このような商標に接する取引者、需要者は、我が国において親しまれている英語風の読み又はローマ字風の読みをもって商取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。しかして、「Iso」は、「同じ、同等の、異性体の」の意で複合語を作る語であり、英語では「アイソ」と発音される(「コンサイスカタカナ語辞典」、株式会社三省堂、1996年12月1日発行参照)。そして、一般によく知られている英語においても、「isotonic」(等浸透圧)は「アイソトニック」と称呼され、また、「isotope」(同位元素)は「アイソトープ」と称呼されており、「iso」の文字部分は、「アイソ」と称呼されている。さらに、英語の「dine」(食事をする)は、「ダイン」と称呼されている。上記の例に倣えば、本件商標は、その構成文字に相応して「アイソダイン」の称呼のみを生ずるとみるのが自然である。』『商標権者は、自らが販売するうがい薬、外用消毒剤等の薬剤の包装に「ISODINE」の表示と「イソジン」の表示を併せて使用している事実が認められる(甲第20号証、甲第22号証ないし甲第25号証等)。また、東京読売新聞、1998年5月11日、朝刊(甲第138号証)に「商標は『ISODINE』。本来、本来アイソダインだが日本風の発音『イソジン』に。」の記載がある。しかしながら、「ISODINE」の文字から生ずる「アイソダイン」の称呼と「イソジン」の文字から生ずる「イソジン」の称呼とでは、構成音数や相違する各音の音質等が全く異なっていることなどから、「ISODINE」の文字が「イソジン」の語を欧文字表記したものであるとは認められない。してみれば、引用商標1からは、上記で述べたとおり「アイソダイン」の称呼のみを生ずるというべきであって、「イソジン」の称呼は生じないというべきである。』
*業界の事情: 『請求人は、類似医薬品名による医薬品の取り違えによる医療事故の事象等をもって、一般の商標の類否判断に比して医薬品の分野においては、より類似の範囲を拡大して考えるべきである旨主張する。しかしながら、商標の類否判断は、両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって判断すべきものであり、医薬品の商取引分野においてのみ、類似の範囲を拡大して考えるべき格別の理由があるということはできない。したがって、この点についての請求人の主張は採用しない。』
なお、引用商標1の周知・著名性が認められなかったため、本件商標は4条1項15号にも該当しないとされ、本件商標が被請求人の略称と認められること等から4条1項19号にも該当しないとされました。
コメント
Unknown
「STAR JET」と「JETSTAR」は非類似となったんですね。観念なしだから妥当かと思います。
昔、ネットタッチとタッチネットで11号拒絶されて争いましたが、両方ともスポーツ用語として辞書に掲載例があることを理由に類似とされてしまいました。
Unknown
シェンムーさん、こんにちは。
観念倒置の類否の例としては、取引実情を参酌して類似と判断された事件もありました。
http://blog.goo.ne.jp/aigipattm/e/cf4490f6635db3acb8edee717f9a7278