突然ですが、J-Plat Patの商標の「図形等分類」の中に、「中国語による文字(日本の漢字を除く)」という分類があるのをご存じですか?
最近、何度かこの分類で商標調査をする機会がありました。
商標調査の案件が発生した場合、その中国語の文字が、日本語のどの漢字に該当するかが簡単に分かれば、日本語の称呼で検索することもできますが、日本語のどの漢字に該当するか分からない場合には、この分類で検索できるので便利だな、と思いました。
この図形等分類「28.3 中国語による文字」だけを指定して、類似群コードを絞らずに検索すると、6,421件の登録がヒットしました。ちなみに、「28.1アラビア語による文字」では513件、「28.5キリル語による文字」では341件、「28.7ギリシア語による文字」では2,749件ヒットしました。ギリシア語は、α、Ωなどの文字は商標に使用されやすいので納得できます。
ただし、毎年コンスタントに600件前後登録されているのは「中国語による文字」だけのようです。登録が多い分類は、35類が782件、9類が861件、3類が782件、5類が671件…とのことです。
これらの商標登録が使用されている商品というのは、日常あまり見かけないので、多数登録されていることが不思議に思いましたが、日本在住の中華系の方のためのマーケットで販売されているということでしょうか。
出入国在留管理庁の発表によれば、令和6年6月末現在における、日本在留の中国人と台湾人の人数の合計は、90万人を超えるとのことです。この数字は、現在の日本の新小学1年生の人数とほぼ同じぐらいのようです。それぐらいの規模のマーケットがあれば、日本において、中国語の文字で出願する意義及び必要もあるということでしょう。
しかし、今後、登録数がますます増加すれば、「中国語による文字」での検索は結構大変になりそうなのが危惧されます。
[担当:上田]
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