<平成23年(ワ)第10389号 不当利得返還請求事件>(判決文はこちら)
今週は次々と緊急案件の依頼が舞い込み、かなりテンパっていたので、ブログの更新が…
うう、今年に入ってまだ2月半ですのに、すでに新年の誓いが危ういものに orz
が、今日は本年最初の「だが屋」の日ですので、張り切っていってみよー!(なにを?)
今日は、意匠のデザインの請負契約のロイヤリティー支払等が争点となった訴訟をご紹介したいです。んが、このブログで取り上げるのはメイン争点ではなくて、知財的にちょっと気になった点です。
まず、原告さんと被告さんの間で争いになった経緯をざっくりとご紹介いたします。
■ざっくり経緯
原告さんはデザイナーさんで、被告さん(電機メーカーさん)との間でデザインの外注取引をされておられました。
取引開始から20年以上経ったH11.7月に、原告さんは被告の委託を受けて道路灯のデザイン製作を行い、8月に、基本となる意匠をいくつかのパターンで被告さんに提供しました。
さて、ここからが気になるところ。
原告さんは、H11.10.5.に、被告さんに提供した意匠と実質的に同一の意匠について、知的所有権協会の「知的所有権(著作権)登録」制度への登録を行いました。
一方、被告さんは、H11.11.5に、原告から提供を受けた意匠を基にした本件意匠について、被告従業員さんを創作者、被告さんを権利者とする意匠登録出願を行い、意匠登録を受けました(登録第1129314号)。なお、この意匠登録は、のちに、冒認出願であったことを理由として原告さんに無効審判請求され、無効審決が確定したようです(無効2010-880001)。
…ということなんですが…
原告さん、なぜに「知的所有権(著作権)登録」してしまった…
「知的所有権(著作権)登録」の続きをした時点で公知になってしまった(守秘義務のない第三者に開示してしまった)ので、冒認出願であったという無効理由以外に、新規性喪失しとったという無効理由があるつことにならんかね…。
つことは、改正時期が後なのでそもそも適用ないと思いますが、もし時期がOKだったとしても、結局現行法の26の2(冒認登録された意匠権の移転登録請求)も意味なかったかもしれん?、つことにならんかね…。
「知的所有権(著作権)登録」、ほんと要注意です…
本日は以上です!次回も見ていただけるならぽちっと押してくださいな(。-_-。)/
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