<平成18年(行ケ)第10555号 審決取消請求事件>(判決文はこちら)
今週は「耳かき」と「ヌーブラ」の事件を紹介していましたが、いずれも「商品形態」の話しでした。
これら事件のように「商品形態」を不正競争防止法で保護しようとする場合、2条1項1号の「周知商品等表示」や同2号の「著名商品等表示」に該当するために「周知性」「著名性」が必要となりますが、ハードルがかなり高くて認められにくかったです。
また、同3号の「模倣品」については、自己の商品等の販売開始から3年を超えてしまうと適用除外になる等、必ずしも使い勝手がいいとはいえません。
ところで「商品形態」は、特許法や実用新案法で保護されたり(構成とか機能に特徴がある場合)、意匠法で保護されたり(デザインに特徴がある場合)、商標法で保護されたり(立体商標等として認められる場合…多くないですが…)します。
それで、今回は「マグライト」の商品形態が立体商標として認められた事件です。
商標登録を得られれば半永久的に権利を存続できるし、不正競争防止法よりもずっと確実性が高いので、かなり有利です。
ところで、立体商標といえば、有名なのは「カーネルサンダーおじさん」ですが、実は、商品の形状そのもの・包装容器の形状そのもの(文字・記号等が付いていないもの)が立体商標と認められるケースは少ないです。
例えば、サントリーの「角瓶」やヤクルトの容器も、形状のみでは立体商標と認められませんでした。最近では、お菓子の「ひよこ」の形状も、それのみでは立体商標でないと判断されました
ところが今回の事件の「マグライト」は、商品形状そのものが立体商標として認められたケースです。
多くの立体商標事件で、商品形状・包装容器形状そのものを立体商標として認めない理由として挙げられるのは、「商標としての識別力を有しない」というものです。
この理由に対しては、『商標を大々的に使用した結果、識別力を得たと判断される場合は、登録が可能となる』という例外規定があります。
これまでの立体商標事件でも、原告がこの例外規定の適用を主張したケースが多いのですが、認められることは少なかったです。
なぜ認められることが少ないかというと、実際に『大々的に使用した』商標には、文字とか記号等が付いている場合が多いので、形状そのものだけで識別力を得たというより、文字とか記号等付きで識別力を得たってことでしょ、と判断されがちだからです。
ところが、今回の事件の「マグライト」は~
…ここまで書いて息切れしたので、続きは次回にて。
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コメント
初めまして
弁理士試験の始めたばかりのガンバと言います。
いつもブログ勉強になるなと思い拝見させてもらっています。
商標は、他の法律とは、違うので理解するのが
大変ですが、このブログは、実例で条文を理解できそうなので凄く助かっています。
今度時間ありましたら有名判例の解説も載せて頂けると嬉しいです。
Unknown
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コメントありがとうございます。
ありがたいリクエストをいただきましたので有名判例も載せていこうと思います。
ただし、いつ書くかは確定できません…。このブログは朝の朦朧とした状態でふらふらと書いていることが多いですので…。「きまぐれ」ということで、ご了承下さい